斎場の管理

 最近、斎場や賛同葬儀社さんの所へおじゃまさせていただき、いろいろとお話しを伺っています。
 先日、自社斎場を保有している葬儀社さんへおじゃました際に聞いたお話しで、
「以前は自社斎場を他の葬儀社さんでも使えるようにと、貸斎場として運営していたのですが、今ではそれをやめて、自社のみで使うことになりました」というところがありました。
 理由を聞くと、よい葬儀社さんにつかっていただくのはよいのですが、逆にクレームが出るようなご葬儀だった場合、ご喪家の方にとっては会館=葬儀社となって、実際には自分達はそのご葬儀の施行に関わっているわけではないのに、自社の評判まで下がってしまうようなことがあるので、とのことでした。
 そこの会館で葬儀を行ったご家族が、後日会館の前を通った時に、「ここの葬儀社・・・・。」と身に覚えのないクレームで戸惑われたそうです。

 たしかに、ご喪家にとって、葬儀を行う斎場を決めたりする頃というのは、慌ただしい葬儀準備をするなか、一番最初に決めなくてはならないところですので、公営の斎場や寺院の斎場ならまだしも、葬儀社が運営している斎場の場合、きちんとした説明が無い限り、会館=葬儀社と思われても仕方のないことなのかもしれません。

 以前、寺院の保有する斎場をおじゃまさせていただいたとき、
「基本的にはどの葬儀社さんでも使用していただけますが、使用できない葬儀社があります。」とお話しされた斎場がありました。
その斎場は、とても管理が行き届いていて、築15年以上経っているとは思えないほどきれいに保たれていました。
 使用できない葬儀社さんとは、たとえば、ご遺体を安置して、線香・ローソクをつけたまま挨拶もせずに帰ってしまうような・・とか、斎場の備品を雑に扱うところ、とか・・。
具体的な社名はお聞きしていませんが、内容を聞いただけでも、当たり前のことができないところということです。
 他の斎場などでは、注意する程度で済ませてしまうかもしれませんが、こちらの斎場では、そのような葬儀社は使用を禁止していると、徹底されていました。

 斎場を管理するところが、斎場をなぜきれいに保つかというのは、やはり葬儀で使われるご喪家やご会葬の方に2日間快適に過ごしてもらいたいという思いから来るものだと思います。このような当たり前のことができないところは、よい葬儀はできないのでは・・ということなのでしょう。

 貸し式場を運営している側にもご苦労があるようです。

ご縁を感じる時

 「そういえば、2年ほど前にもこの近くのお宅でご葬儀を依頼されたのでは・・・」

 賛同葬儀社の担当者の方はあたりの景色を見ながら何気なく思われたそうです。
 「担当者から直接ご葬儀のことを色々お聞きしたい」とのご相談者からの要請を受けて、担当者がご自宅にお伺いした折のことでした。

 ご相談者宅でご面談の途中、近くの嫁ぎ先から加わったお嬢さんに見覚えがあり、ここで初めて2年前ご葬儀を執り行なったお宅との繋がりが判明し、それからのご相談は双方打ち解けて、お話がスムースに運んだようです。
 ご相談者はお嬢さんから良い葬儀社さんがあるとのお話は以前からお聞きになっていらっしゃいましたが、当方がご紹介した葬儀社さんと同一だったとはと、その偶然にびっくりされたとのこと。

 当方はご葬儀後そのことを知り、そう言われてみれば、ご相談者に担当者がお伺いした後のご様子をお尋ねした折、ご葬儀前なのに開口一番いきなり「よいところをご紹介していただきまして、ありがとうございました」とたいへん喜ばれたことにも合点が行き、不思議なご縁を感じました。

 また、先日執り行なわれた横浜でのご葬儀では、ご相談当初市営の北部斎場をご希望でしたが、ご相談者のお義父様の住民票が東京都内にあることが判明し、市外の方の式場使用は実質上難しい状況でしたので、急遽ご相談者のご自宅近くにございます、当センターの賛同葬儀社さん所有の式場に変更となりました。

 ご葬儀当日、立会いにお伺いしご挨拶の折、ご相談者から偶然にも東京下町のご実家でのお祖父様のご葬儀も、同じ葬儀社さんで執り行なっていただいたとのお話を伺いました。
 生前、お祖父様は町の商店街の役員をされ、地域貢献活動に力を入れている賛同葬儀社さんとは交流があり、地元でのお祖父様のご葬儀の節は色々とお世話になりましたが、今回もお世話になって何かとてもご縁が感じられますとご安心してお任せしているご様子が伺え、ご紹介した当方もほっと安堵いたしました。

 ご喪家とご紹介した賛同葬儀社さんとの間には見えない糸で結ばれたご縁があるのではと、ご縁についてあれこれと思い巡らしています。

傍流の口コミ

 1か月前(10月18日)のブログで、某テレビ局○○○○(バラエティー番組)から、葬儀業界で悪い葬儀社の話や、悪い葬儀社に勤めていた人、勤めている人も紹介してもらえないか、という問い合わせがあったという話を書きました。「うちはそういうところや人と関わりがないので、わかりませんね〜」と答えて終わりましたが、番組自体も一回放送しただけで中止になって終わったようです。

 それはさておき、実は、「こんなひどい目に合った」という消費者の声が当センターには集まってきます。当センターの紹介社で施行した場合のほか、広く一般からも口コミを集めていて、たいがい悪い口コミが寄せられます(もっとも、葬儀社側にも言い分はあるので、片方の意見ではありますが)

 こうした口コミがもう少し集まったら、一般的な話にして、ひどい葬儀社のタイプ分けをして、葬儀社を選ぶ時の参考にしてもらえるページを作ろうと思っています。

 ちなみに最近、寄せられたものを何例か取り上げてみましょう(実際は社名も具体的に示されていますが、そこは割愛です)。

実際口コミ例1
少し前に母の葬儀を大阪の××で行いました。
『最後の親孝行ですからと』と高いものを進められましたが、母は出来るだけ質素な葬式を望んでいた言ったら、露骨に嫌な顔をされました。
まあいいか?と思っていたら次が、お坊さんはお経をあげる際にページを飛ばしながら10分そこらで終わり、お悔やみの言葉もなく、『初七日も内でやらせてください、今決めてもらえば割引があります。戒名も名前の人文字と後は適当にもう人文字こちらでつけます』と笑っていました。親戚一同開いた口がふさがらない感じでした。
最低の葬式でした。とどめは、翌日朝一番に担当者から電話があり、『代金はいつ払ってくれるのか?』との問い合わせがありました。
いくら商売とは言え、初七日とは言わないが、2〜3日してからでも遅くはないのでしょうか?
葬儀社からしてみれば年何百人の内の一人かもしれませんが、遺族からしてみるとたった一人の母親です。
これを読んで、葬儀社を選ぶ時はぜひ参考にしてください。
ちなみに葬儀屋は××です。

実際口コミ例2
■■はネットのあちこちに寄生している、葬儀請負会社
ただの窓口業務で葬儀をお願いすると、そこと提携している葬儀社が来ます
内容はとても事務的で配送感覚でされます
安くはありません
すべてオプション請求されます
ホームページの「お客様の声」はすべて自作自演
葬儀をお願いして初めて後悔に気付きます
ネットには色々な葬儀社がありますが、■■は名前も変えてほかの葬儀社に寄生しているので、間違えやすい
ほかの葬儀社に資料請求したら■■から資料が送られて来る始末
なりすまし寄生しているので注意が必要
故人も浮かばれないので公共の機関に相談中です

実際口コミ例3
H25年七月に葬儀を行いました。まず、●●が運営する▲▲に電話して葬儀の依頼と遺体搬送を依頼しました。
たちまち住所、電話番号の情報が漏洩し、翌々日から電話、郵送による勧誘が嵐のように舞い込み始めました。葬儀自体は無事終わりましたが、電話や訪問によるしつこい勧誘で母が体調を崩してしまい、いまでも電話の回線を抜いたままにしている始末です。

不安をなくすには・・・。

 ご葬儀に直接自身が関わることは一生を通じてもそう頻繁にあるものではありません。

 それゆえに未経験の方が大多数を占め、ご葬儀中は内心ドキドキの中、表面の冷静さをかろうじて保ちながらも、ひたすら無事に何事もなく終ることを祈り、一方で永久に出会うことのない肉親との最後の別れを意識せざるを得ない、二律背反の世界を綱渡りしているようなものでもあります。

 ひと昔前のように、周りの先輩達が手取り足取りしながらも、後輩達を指導するという気運が薄れてきた昨今、この綱渡りを少しでも安定感のあるものにするためには、ご自身の手で不安を取り除き、余裕を持って当日をお迎えすることも大切です。

 先日メールでのやりとりをしていた事前相談のご相談者に、ご要望に合った賛同葬儀社さん3社をご紹介し、3社から見積りをお取りし、センターの見積説明書と共にお送りして、できましたら3社の担当者と面談をされることをお勧めしたところ、早速にご自宅にお呼びになられ、それぞれの担当者に様々なご葬儀に関する質問をされ、その内の1社にお決めになられたとの由。

 それぞれの担当者に質問をされたご相談者は、「分かりやすくご説明いただき、各社価格もほぼ同じで大差なく、できれば3社それぞれにお願いしたいくらいです」と、悩んだ末お1人に絞られました。

 理由はひとえにその担当者のお人柄だったそうです。
 直接担当者にお会いになりお話をお聞きすると、ご自身が常に不安に思っていることをいろいろ聞くことができ、とても助かったとのこと。
 おかげさまで、ご自身の中でご葬儀に関する不安がなくなり、お母様との残りの時間をゆっくりと過ごす余裕ができたとのご報告をいただきました。

 一方、5年ほど前、メールでのやりとりをしていた事前相談のご相談者は病院で闘病中のお母様が大きな山場を越えてくれていましたが、限界が近づき「もしかしたら」が頭をよぎり、しかし「そのときどうすればよいのか」具体的なことが分からずインターネットで検索して当センターに知り、メールを送ったが、一方で病院に日参しているその裏腹な行動に罪悪感を覚え、最初にメールを送った時には自分は冷たい人間だと感じ、裏切った思いすらされたとのこと。その後当センターのホームページを読み込み、メールでのやりとりで、あらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることに繋がるのだと思えるようになったとの由。

 余裕の持ち方も、5年間では大分様変わりしてきました。

混乱してしまう前に…。

 最近は、「調べもの」というとまずインターネットで検索します。
エクセルやワードの使い方でちょっと躓くと、すぐに検索。すると、必ずと言っていいほど私と同じ状況で躓いて解決した人や、それらの類に熟知した人がネットで記事にしてくれていてとてもスピーディーに解決できるので、本当に助かります。

 テレビやブルーレイレコーダーがトラブルに陥った時にも、同じ症状で質問している人がいて、それに回答してあるとおりにやってみて、無事回避できたことが何度もあり、本当にありがたく思っているのですが、最近趣味で始めたことを、専門の教室に通わず、インターネットで習得しようと色々調べていて困ったという経験をしました。

 検索すると、実にたくさんのサイトが出てきて、調べ甲斐があるのですが、「人によって、言っていることが違う」ということが多々あります。ゴールは同じなのに、その過程が間逆で、一人のひとが「これはやってはいけない」ということを他の人は「この方法が一番いい」と言い、その行きつく先のゴールは両方とも成功・・・。
 約2カ月かけて調べた結果、結局よくわからなくなってしまい、それなら、どっちでも大丈夫なのかと、実際自分で試してみると、「やってはいけない」と言うほうは、やらなきゃよかったという結果になって後悔したり…と、結局、調べたり、実際にやってみたりすることに使った時間と労力と材料代を考えると、基本の部分はきちんと専門の教室でプロに教えてもらった方が良かったのかもしれないと実感しました。

 最近、葬儀のご相談でも、インターネットで色々お調べになっているうちに、混乱してしまい、よくわからなくなってしまったなどで、当センターに改めてご相談される方が増えています。
 私も、インターネットで色々な葬儀社さんのサイトを拝見させていただいていますが、日々葬儀のことに携わっている状況にいても、たまに「??」と思うことに出くわすことがあります。これを葬儀について調べ始めた人は「?」と思わずに受け入れてしまう可能性もあり、調べ続けていくことで更に多くの情報が入ってくるわけですから、混乱されてしまうのも仕方のないことだと感じています。

 ご自身が安心できるところにすぐに出会えることが一番だと思いますが、調べ過ぎて疲れてしまう前に、ご自身が信頼できると感じる「教えてくれるところ」に聞いてみるのは安心できることにつながる近道になるかと思います。

故人様を偲ぶスペース

 式場の一角に故人様を偲ぶ「思い出コーナー」を設置するご葬儀が近年、とても増えています。
 故人様の思い出のものを飾り、ご親族やご会葬の方にも故人様と過ごした時などを思い出してもらい、葬儀の緊張感から少し和んだ気持ちにさせてもらうのにもよいスペースのように思います。

 ご葬儀の立会いで伺った際にも、思い出コーナーがある時にはゆっくり拝見させていただいています。
 ノートパソコンを置いて、故人様との思い出の写真をスライドショーでながしていたり、故人様が趣味でやられていた華道の作品を、写真を元に生花で再現したものが飾られていたり、また、葬儀社さんによっては、預かった写真をそのまま飾るのではなく、写真を引き伸ばして、ご高齢の方でも見えやすいように飾られたりなど、葬儀社さんやご家族によって、様々な工夫が施されていることも多いようです。

 私の祖母の葬儀では、孫やひ孫の七五三の時に一緒に撮った写真が並べられていました。
 喪主を務める叔父は、葬儀社さんに勧められたときに、祖母には特に趣味などもなかったので思い出コーナーはなくてもいいと思っていたそうですが、遺影に使う写真を選んでいる時に、七五三の写真がまとめて出てきたことで、やっぱり飾ってもらおうと思ったのだそうです。
 写真に写っている小さかった孫たちは、祖母が亡くなった時には30代から40代。ひ孫も小学生になっていて、その写真からはずいぶん変わってしまいましたが、一緒に写っている祖母はずっと変わっていないようにみえるね、など、普段あまり会えない親戚たちと懐かしんで話しをするきっかけになり、小さなスペースでしたが、あってよかったと思いました。

 ご葬儀の準備はご家族にとって慌ただしいことと思いますが、思い出コーナーは普段なかなか会えないご親族やご会葬される方にとっても故人様との思い出を振り返ることができる場所にもなるかと思いますので、ご希望があれば葬儀社さんに相談してみてはいかがでしょうか。

人生最後とお花の関係は・・・。

 先日、何気なくテレビを観ていると、オランダの若いご夫婦から友人の赤ちゃん誕生祝いのブーケを注文された店主が、お花は人生と共に有り、この国では誕生から最後のお別れまでお花のプレゼントは常に欠かせないものだと、力説されていました。

 1ヶ月近く前のご葬儀で、近親者だけをお呼びして、お母様を綺麗な生花祭壇でお送りし、お越しいただいた方にはおいしいお料理のおもてなしをされたいとのご要望をご相談者からいただいておりましたが、ご葬儀後のお忙しい中、早速にご満足されたご様子のご報告をいただいた矢先のことでしたので、思わず画面に見入って頷いてしまいました。

 そう言えば、私達もいつの間にか人生最後とお花は切っても切れない関係になってしまったようです。
 ご逝去された後、お布団にご安置された枕元には枕花が置かれ、枕飾りにもお花が生けられ、ご葬儀では生花祭壇を、祭壇の両脇にはご供養のための供花が飾られ、仏式、神式以外ではご焼香の代わりに献花が祭壇に手向けられます。
 祭壇や供花のお花は最後のお別れの「お花入れの儀式」で柩へと、故人様はまさにお花に囲まれての旅立ちとなります。

 少し前までは白木祭壇に比べお花の祭壇は高価なものでしたが、いつの間にかリーズナブルなお値段へ取って代わってしまった観があり、担当者の方も既成の祭壇だけではなく、こだわりを持ってご相談者のご要望に応じた生花祭壇も提供されていらっしゃるようです。

 近年、立会いでお伺いしたご葬儀の中でも、生前故人様が臨死体験の際見られたという、お花畑をイメージされた祭壇は印象的でした。
 お別れにお見えになられた方々が、色取り取りのお花畑をたどると、故人様とご対面できる造りは式場の様式と相まって、ドラマチックな雰囲気をかもし出していました。

 また、永年スキー愛好者だった方の雪山をイメージした生花祭壇では、それまで心労で担当者に愚痴をこぼし続けていらした奥様がご覧になられて、思わず歓声をあげられ、大変なお喜び様だったと伺っています。

 生前お花のお師匠だった方のご葬儀にお伺いした時は、後を継いだお嬢さんとお弟子さん達とのたっての願いで、プロの花屋さんが大方造った祭壇の、最後の仕上げを完成させ、関係者一同感無量の面持ちだったとの報告もいただきました。

 もの言わぬお花は人の心を読み取り、人生最後の伴走者を引き受けてくれているようです。

もう、年末の準備ですか…。

 先日、実家の母から、喪中はがきを作ってほしいとの依頼がありました。夏の始め頃に親戚が亡くなり、今年は喪中はがきを出すとのこと。
 頼まれた時には、気が早いなと思っていましたが、近くのスーパーやコンビニなどでも年賀状受け付けのチラシが置かれはじめ、ちょっと前まで暑かったのに、もうそんな時期なのか…と改めて気づき、そう思ったとたんに、まだ2カ月もあるのに、なんとなく年末の気忙しさが始まった気になってきます。

 年賀欠礼のはがきは、11月中くらいに出すのがちょうどいい頃でしょう。私のように、毎年年末ギリギリになって焦って年賀状を作る人もいれば、11月ごろからきちんと準備をされる人もいます。
 11月から準備をされる方にとっては、年賀欠礼のはがきは早めに届いた方がありがたいわけですから、私も母から頼まれた喪中はがきは、優先的に作って、なるべく早く持って行ってあげなくてはと思っています。

 我が家にも、ここ数年、毎年何通かの喪中はがきが届くようになりました。遠方で、何年ものあいだ年賀状だけのお付き合いになってしまっている友人から喪中のはがきが届くと、年に1度のお互いの近況を伝える手段となっている年賀状を送れないのが少し寂しい気がしますが、わざわざ寒中見舞いを送ってでも伝えたいというほどの近況でもないので、ごあいさつや報告は翌年に持ち越しです。

 ここに来られた方の中には、今年は喪中はがきを送らなくてはならない方も多いかと思います。是非、早めのご準備を。

営業電話ではないのですが…。

 センターのホームページ内にある斎場案内のページは、実際にセンターのスタッフがその斎場にお伺いし、斎場の方にお聞きした情報をご案内しています。
 また、スタッフが直接斎場へ行って見学をさせていただくことは、ご相談者のご要望に、より適した葬儀社や斎場をご提案できるようになるために必要なことでもあります。

 ご葬儀の立会いで伺った際、ご葬儀後に斎場関係者の方からお話しを聞けることも多く、その場合には特に問題はないのですが、斎場へお伺いすることだけが目的の場合には事前に見学のアポイントを取るのに苦労することがあります。

 まずは電話をかけて訪問させていただきたい旨の用件を伝えるのですが、伝え方を間違えてしまうと、よくある電話営業に間違われてしまい、最後まで用件を伝えきれないまま電話を切られてしまうことがあります。
 例えば、「ホームページ」というワードを発しただけで、先方にホームページ制作会社の営業と勘違いされてしまうようで、「うちはいりませんから」の一言で切られてしまったりすることもあるのです。

 たしかにセンターでも、ご相談者がかけてくる電話番号にかかってくる営業電話は早く切らせてほしいと思うこともしばしばで、しかも以前断ったにも関わらず、何度もかかってくる営業電話にはうんざりすることもあります。
 かけてくる方もお仕事なので、仕方ないことなのだとわかっていても、折り返しの電話待ちなどの時には、断り方も「丁重に」とはいかない状況の時もあります。
 
 斎場で電話を受けられる方も、きっとこのような営業電話にうんざりされているのだろうということが分かるので、営業電話に間違われない伝え方をしなくてはならないということをしみじみ感じています。

 特に、遠方の斎場へ伺う際には、できるだけ効率よくまわりたいという、当方の「欲」もあるので、訪問NGにならないためにも事前の調整と、営業と間違われないような伝え方をよく考えなくては…と実感しています。

搬送先のご事情も様々です。

事前・事後のご相談で、ご逝去された後、病院からの搬送先をご心配される方が少なくありません。

 ひと昔前でしたら、まずはご自宅にお連れするのが当然のように思われていましたが、昨今の都会を中心とする住宅事情を考えると、ご自宅にお連れしたくても不可能な場合も多々出てきます。

 また、ご葬儀もご家族ご親族のみの家族葬をご希望の場合は、なるべくご近所に知られないように執り行い、ご葬儀後皆様にお知らせするにはご自宅以外に搬送し、公営・民営の安置所のお世話にならざるを得ない状況もございます。

 ご自宅以外の安置所になりますと、ご面会のお時間も制限され、時には通夜当日までお会いできない場合もでてきます。
 そのために、最初の関門でもある搬送先の事情により、ご葬儀の満足度も大きく変わってくるようです。

 以前、ご家族だけでお見送りをされたいが、長患いをされ、ご自宅に戻れる日を1日千秋の思いで待っていらっしゃったお父様を、なんとしてもご近所に知られないように、ご自宅にお連れすることを第1条件にされたご喪家から、感謝のご報告をいただいたことがございました。

 ご主人の1年9ヶ月に及ぶ入院生活の間、病院近くのウイークリーマンション生活で支えられた奥様が、ご自宅に戻られ最初にされたことは、長い間閉めっぱなしになっていた雨戸を開け、ご主人のご自慢だったお庭を見せて差し上げたことでした。

 担当者の細心の配慮で無事第1関門を突破され、受けた当方も思わず安堵したことを思い出すようなできごとが最近もございました。

 お独りでお住まいのお母様がご逝去され、最寄りの警察で検視を受けた時点でのご相談となり、ご紹介した賛同葬儀社さんが警察に出向きましたが、医務院での解剖が施され、処置された後での搬送と決まり、搬送業務は医務院扱いになりました。

 当初、都内のご相談者のご自宅への搬送をご希望でしたが、集合住宅のエレベーターに柩が入りきれなく、解剖処置後のご遺体を狭い階段で持ち運ぶことも無理なことが判明し、ご喪家でのご相談の結果、血縁者ではないご相談者の奥様の都下のご実家への搬送に変更されるとのご報告受け、葬儀社さんの担当者も思わず、念を押してしまったとのこと。

 その夜、お母様サイドのご親族の方々は、奥様のご実家を初めてご訪問される方がほとんどでした。
 急な成り行きにも、ご実家の皆様は当然のように受け止められたご様子だったとのこと。
 困った時はお互い様ではありませんが、関係者一同、お別れの場を提供されたご実家の計らいに感謝され、最後のお別れの日はご葬儀・告別式はなく、火葬のみとなりましたが、ご焼香とお花入れのお時間を十分にとられてのご出発となられた、との報告を担当者から伺いました。

 担当者もご実家でのご安置の間、いつどなたがいらっしゃってもご焼香ができるように準備されておいたとの由。
 ご葬儀に不謹慎かと存じますが、なぜかほっといたしました。

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