あさがおセンターの携帯対応の打ち合わせから

 先日、(二)さんと来期のあさがおホームページの展開についての打ち合わせをしました。

 携帯への対応もテーマの一つでした。私はそもそも携帯対応には積極的ではなく、むしろ懐疑的なほうです。とはいえ、無視しきるほどの存在ではなさそうなので、何かしらの対応はしなくてはならないぐらいの考えです。

 とはいえ、打ち合わせで面白かったのは、あさがおホームページの展開についての話そのものよりも、(二)さんの携帯の利用の仕方そのものです。アナログ的な私にとっては驚きでさえありました。

 極めつけは、先日、財布を忘れて出かけてしまっが、モバイルスイカでとりあえず電車には乗れて、EDYでモノが帰るので・・・などなど。私にとっては??? ですが、いずれにしても、何の問題もなく、無事用事が済まして帰ってきたとのこと。

 そもそも現金でモノを買ってもポイントなどがつかないので極力現金でモノを買わない由。ついでに、ガソリンカードの使い方やら、ETCマイレージ・・・・、お得な情報が満載でした。

 何はともあれ、あさがおの携帯への対応もさることながら、変わったところで知的好奇心をくすぐられました。

都立霊園の公募倍率は、平均11.6倍の狭き門です。

 不況にも強いといわれる媒体が新聞折込チラシです。事務局の板橋区に入ってくる新聞折込チラシを見ていますと、不動産やスーパー、家電量販店の量には到底及びませんが、墓地のチラシもよく見かけます。

 このチラシがどれほどの効果があるかはわかりませんが、長期間にわたって同じチラシが入っているところを見ますと、メディアが伝えるほど「墓不足」はそれほど深刻ではないように思われます。

 逆の現象では、2008年の都立霊園の公募倍率は、八柱霊園で19.5倍、青山霊園で15倍、都立8霊園の平均倍率は11.6倍で非常に狭き門になっています。

 国民生活センターのアンケート調査「お葬式とお墓について」(2007年実施)によれば、「もしもお墓を造る場合、重視するものは何ですか?」という質問に対して、「交通の便利さ」と答えている人が49%に達しています。

 自治体が運営しているという安心感や料金が安いというだけでなく、都市部にあり交通の便がいいという点が高倍率につながったようです。

 倍率が高く人気があるので公営墓地が一番いいのかと、一概にはそういうこともできません。公営墓地、民営墓地、寺院墓地にはそれぞれメリット・デメリットがありますし、まして、それぞれの家の事情も違っていることと思います。葬儀のようにあわただしくいろいろなことを決める必要もないので、お墓選びは後々のことまで考えて慎重に検討することが大事です。

高齢化社会における葬儀の将来像

 以前このブログ(9月18日)で、火葬船構想を取り上げたことがあります。そのときは触れませんでしたが、このアイデアを出したのは、日本テンプルヴァンという寺院経営コンサルをしているところだそうです。

 日本の葬儀・埋葬の将来像をまとめた際に、船も火葬場にできると考えたといいます。火葬船もさることながら、まとめられた将来像も興味深いものです。
 以下、年代順に少し紹介していきます。

2013年ごろ 葬儀での戒名(法号)不要論者が増え、俗名による葬儀が全体の20%を超える。
15年 岸壁に接岸した葬儀会館と火葬場の兼用船が登場
16年 無宗教葬儀が増え、仏式葬儀が60%に減少
20年 生前に自分で葬儀の手配を済ませてしまう人が全体の30%を占めるようになる。
25年 納骨堂利用者が30%に。墓地は40%に
26年 宗教法人のM&Aが始まり、宗教法人数が減少
40年 国内の年間死亡者数が166万人とピークを迎える(葬儀産業が倍になる根拠)

 火葬船が実現、定着するかは現時点ではわかりませんが、葬送から宗教色が弱まっていく趨勢なのは間違いないように感じられます。

伝説的コピーライターが書いた名著

 ここ2週間ほど時間のある時に、「ザ・コピーライティング」(ジョン・ケープルズ著、ダイヤモンド社、3200円)という本を読んでいました。
 書名からして広告関係の人が多く読まれるのでしょうが、広告関係の人だけに読ませておくのはもったいないような本です。

 インターネットが普及し、誰でもほとんど無料で情報発信できる環境にある現在、不特定多数の人に向けて言葉を発する機会のある人には、参考になる事例が山のように詰まっている本です。言葉の持つ力を改めて知ることができます。

 現在オグルヴィ&メイザーとして知られる国際的大手広告会社をつくった、デイヴィッド・オグルヴィをして、「この本は間違いなく、いままでで一番役に立つ広告の本である」と言わしめました。

 ケープルズは、「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると――!」の名コピーを考え出した人です。今から80年ほど前、音楽学校の通信講座のコピーとしてです。

 ただ、名コピーを生み出す能力もさることながら、ケープルズの本当のすごさは、オグルヴィの次の言葉がよく表しています。
 オグルヴィは、「成功(最大限の費用対効果)へのカギは、広告のあらゆる要素を絶えずテストすることにある。」を、ケープルズから学んだこととして一番先に挙げています。

 要するに、例えばどのコピーがいいのかは実際にマーケットにきいてみて、その結果だけを重んじるという一貫した姿勢です。テストを繰り返して効果を検証するという手法です。(もちろんマーケットにきくべき材料は用意しないといけませんが)

 どの業界でもそうでしょうが、競争の激しさや不況のせいなどと言い訳をしてみたところで、事業が継続・成長できないのは、マーケットに支持されないという厳然とした事実と重なって思えました。

神式での葬儀

 最近、神式のご葬儀の事前相談で祭壇には大好きなお花を飾って欲しいというご要望がありました。
 ご希望の斎場には常設の仏式、神式、キリスト教式等の祭壇がご用意され、こちらを使うことが義務付けられています。
 シンプルな神式祭壇では花を飾ることに抵抗があるように見受けられましたが、最近では宗派によっては、あまりうるさく言われないようになってきたとのことです。
 柩周りや遺影の額周りを中心に祭壇はそのまま活かしてお花が飾られることになりました。

 神式の葬儀は神葬祭と呼ばれ、以前より大分簡略化されてきました。
通夜・通夜ぶるまいに当たる通夜祭、直会(なおらい)に始まり、葬儀・告別式に当る葬場祭、火葬後、ご遺骨を祭壇に飾り執り行われ帰家祭、精進落としに代わる会食と流れは仏式と似た形で進行します。
 会葬者はご焼香の代わりに玉串奉奠を行います。

 しかし、式次第での斎主(ご葬儀を司る神官)さんはむしろキリスト教の牧師さんと似た立場で、主導的役割を持って主体的に参加されますので、斎主さんとの打ち合わせは密にしておく必要があります。
 この場合、仏式と違い葬儀社の担当者はむしろ黒子に徹する形になりますので、神式のご葬儀に精通している葬儀社を選ぶことが大切になってきます。
 また、神式では死を穢れと捉えるためにご葬儀を神社では行なわず、仏式同様ご自宅又は斎場にて執り行います。
 
 ●神式の葬儀
  ↑↑↑ 当センターのホームページでは 神式のご葬儀に関しての注意点、問題点を挙げて、説明しています。
 神式でご葬儀されたが先祖代々のお墓に入りたい等の難問の解決法は・・・。

産経新聞で掲載されました。

産経新聞に、ゆうゆうライフという企画面にライフプランという特集記事のコーナーがありますが、「今から考える葬儀のこと」(上)(中)(下)と題して、9月22日~24日朝刊で3日間にわたり特集記事が組まれています。

(上)では、盛大な葬儀が影をひそめ、家族やごく親しい人だけで送る家族葬や、儀式なしに火葬のみで済ませる直葬など、この10年余りで様変わりしてきた葬儀の傾向とその要因が取り上げられています。

(中)では、葬儀は高額なサービスにもかかわらず、葬儀費用についての情報が乏しいという状況を踏まえて、それがもとでのトラブルや葬儀費用について取り上げられています。

(下)では、後悔のない葬儀にするための、事前の情報収集と準備について取り上げられています。

読んでみて、ひとつにまとまった新聞記事としては、地に足がついた感じを受けました。

といいますのも、マスコミでよく取り上げられるのは、目新しさを求めるあまり、宇宙葬であるとか、特殊なイベント化した葬儀や、散骨や、遺骨からダイヤモンドをつくる等々・・・であったりするからです。

たしかに興味深いニュースではあるでしょうが、実際にそうした変わった方法というのは全体からの割合からすれば圧倒的少数派です。

としますと、葬儀についてもっと伝えられてしかるべきは、この特集記事のような、多くの人が関心を持つことのほうではないのかという気がしました。

ちなみに、当センターも9月23日付の(中)で取り上げられました。(以下はネットに転載されているものです)

今から考える葬儀のこと(中)

   

火葬船構想とはいかに

団塊の世代が平均寿命を迎える約20年後には、死亡者数が現在の1.5倍の水準になると予測されています。

厚生労働者などによると、2007年の全国の死亡者数は約110万人で、年々増え続け、2039年のピーク時には、166万人に達するということです。

こうした中、全国の自治体(火葬場の9割以上は公営)が火葬場の増設に動き出しています。
建設費用も莫大な額になります。たとえば、東京都大田区など5区が2004年に共同設立した臨海斎場は、初期投資を抑えるため、需要予測の半分に満たない8基でスタートしたが、それでも用地費や建設費に90億円かかったといいます。
2002年に完成した横浜市の北部斎場は16基で350億円まで予算が膨らんだそうです。

ただ現在、市町村が火葬場をつくる際には、国からの助成金や補助金の交付はありません。財政基盤が脆弱な自治体では、一般会計(税金)に基づく自己資金のみでの計画は極めて難しくなってきています。地方債で賄うというような方法になってきます。

もっとも、重い費用負担だけが課題ではありません。火葬場建設にはもっと根本的な問題が控えています。仮に予算が十分あったとしても、そもそも火葬場が簡単には作れないということがあります。

それは地域住民の反発があるからです。原発や基地と同じように、地域住民と公の利害が対立する構図です。

それゆえ、こうした問題は簡単には解決できません。自由主義社会では、この種の問題は常についてまわります。裏をかえせば、こうした問題を簡単に解決できる社会は、本当の意味で自由主義社会ではないということです。

地域住民と公の利害の調整は一筋縄ではいかないので、なるべく調整の労力が少なくて済むアイデアとして、「火葬船」構想がでてきました。財団法人日本船舶振興会が提唱し、3千トン級のフェリーに10基程度の火葬炉を設け、接岸して葬儀をするというものです。

一時的に栄えて消えてゆく葬儀社

 現状、葬儀社をやるのに行政庁による許認可は必要ありません。それゆえ、明日から誰でも葬儀社をやろうと思えば葬儀社を始めることができます。 特に都心部では、新しく葬儀社ができたり、消えていったり、出入りも激しくなっていて、葬儀社の数を正確に把握するのさえ困難です。

 余計なお世話ながら、さらには、他人事ではないので(否、他人事ではないからこそ)、私は、どういった会社が長続きしないのかということに大いに興味を覚えています。

 京セラの創業者である稲盛和夫氏であれば、仕事の結果=考え方×熱意×能力、という方程式に照らし合わせて、熱意と能力があっても、考え方が間違っていれば没落していくと喝破されるでありましょう。

 どういう考え方が間違っているのかの本質的なことは、稲盛氏の本を読んでもらうしかありませんが、他業界にない葬儀業界に特有とでもゆうべきこととして、私が思っているのは、生活者(消費者)をばかにしているところは、ダメだろうなということがあります。

 たとえば、ばかにする意識はホームページの表現でみると大体わかる感じがします。誤解を与える表現や、誇大表現、情報を手前勝手に解釈したりしています。生活者が葬儀については何もわからない素人だということを前提にして軽く見ているわけです。葬儀の情報は、たとえば自動車や住宅、家電のように楽しみを伴って自ら進んでどんどん情報を得てやろうと思うような類でないという葬儀業界特有な背景です。

 しかしながら、リンカーンの言葉に、「すべての人を一時的にだましておくことはできるし、一部の人をいつまでもだましておくこともできる。しかし、すべての人をいつまでもだまし続けることはできない」というのがあるそうです。うなずくばかりです。

葬儀の見積もり

 「見積もりを取ったにも関わらず、葬儀終了後、見積もりの何倍もの請求書が来たという苦情が多く寄せられている」とのマスコミ報道をよく耳にしますが、通常まともな葬儀社においてそのようなことはありません。

 もしあるとすれば、見積もりとは別の特別注文の祭壇や不必要なオプションを値段も見ずに注文をされたり、はたまた予定の何十倍の会葬者がお見えになってしまったというような、特殊な状況下以外考えられません。

 と申しますのは、概算の見積もりから大幅な変更がありましても、ご葬儀の前には最終的な見積もりのやりとりがあり、必ず確認がありますので。
 後でビックリという不測の事態はさけられますし、むしろ確認もできない場合はご相談を控えるほうが懸命だと思います。
 
 それでも、見積もりの書き方は各社様々ですので、まず当センターではどの様なご葬儀をしたいのか依頼者からご希望・ご要望等を伺い、それに適した地域の賛同社をご紹介し、その賛同社から見積もりを取り、ご説明をしております。

 見積もりの中で注意すべき点は葬儀一式幾らと低料金をキャッチフレーズの様にうたっている場合が見受けられますが、葬儀一式とはご葬儀に掛かる費用の一部で、葬儀社さんに支払う分のみになります。
 その他に斎場費、火葬代、搬送代、マイクロバス代、霊柩車代、料理代、返礼品代、お布施等は一部を除いて別途掛かります。(葬儀社さんによっては一部搬送代や霊柩車代等を一式に含む場合有り)

 また、祭壇等やサービスなども同じものや同じ土俵で競争している訳ではありませんので、価格競争だけで優劣は決められません。

 そのためにも、まずは概算の見積もりを取ってご検討され、できれば担当者と直にお会いして、数字だけでは分りにくいところの説明を受けたり、祭壇などの写真を見てから判断されることをお勧めいたします。

 当センターでは常に見積もりと請求の整合性をチェックしております。

 ●葬儀の見積もり
  ↑↑↑ 当センターのホームページではご葬儀の見積もりに関しての注意点、見積もりの取り方、葬儀費用の算出方等詳しく説明しています。

「千の風になって」なぜヒット?

 (松)さんから、私が読んでいなかった、ここ数ヵ月の葬儀・仏事関連の記事が掲載された新聞の切り抜きを見せてもらいました。

 その中で一番面白かったのは、朝日新聞の「『千の風』なぜヒット」という記事でした。
 ♪ 私のお墓の前で 泣かないでください ―― テノール歌手の秋川雅史さんが歌う、あの曲です。ミリオンセラーに達したそうです。

 記事では、「変わりつつある日本人の死生観が、このヒットの要因と見るむきもある」として、何人かの識者のヒットの要因分析が紹介されていました。

 作家の新井満さん(「千の風」はもともと作者不詳の英語詞を新井さんが翻訳して曲をつけた)は、次のように分析しています。
 「死者が生者を思いやる。その発想に驚かされた」と詩の魅力を語り、詩の世界観について「万物に精霊が宿るというアニミズム。どんな人にも最古層にある宗教観だ」と指摘して、歌のヒットの要因を「八百万の神という言葉があるように、日本人になじみがある考え方を、目覚めさせたのではないか」と。

 一方、東大の島薗進教授(宗教学)は、「千の風」の世界観を「死者と生者の関係が非常に近く、個人的だ」と見ています。
 これまで身内が亡くなれば、地域共同体、そして家制度において死者との一体感を維持してきたが、共同体の機能がうしなわれてきて、「死者との交わりが個的になり、痛みや苦しみも個々人で抱え込んでしまっている」と時代背景を分析しています。それゆえ、「こうした時代を生きる人たちには、『風になって空を吹きわたっている』死者との交流がストレートに胸に響くのだろう。」と歌のヒットの要因を記者さんが補足しています。

 恥ずかしながら、この記事を読んで、この歌が「死者が残された人に語りかけていた曲」なんだと初めて知ったような人間からしますと、歌のヒットの要因を日本人の死生観の変化にまで結びつけて記事にした記者さんに、あっぱれだと思いました。