初めていく場所

 私は方向感覚が少し欠如しているようで、子供のころからよく道を間違えては遠回りをしていました。

 子供のころには引っ越したばかりの家に戻れず、探しまわっていた親にやっと見つけてもらったり、大人になってからは、車で10分もあれば到着するであろう友人宅へ行くのに1時間半もかかり、途中まで迎えに来てくれた友人とやっと会えたのは良かったのですが、「なんで車がこっちを向いているのか?」と、道を教えてもらいながら到着したにも関わらず、なぜか逆の方向から行ってしまったということなど、数々のハプニングを経験しています。

 最近は斎場取材に一人で初めての土地に出かける機会が増え、事前に地図を見て確認し、駅からの経路をプリントして持っていくようにしているのですが、実際に行って駅を出るとどっちの方向に行くのかが分からなくなることもよくあり、間逆の方向に歩き続けていたことも。
 ただ、斎場取材のように仕事で出かける場合、約束の時間に到着しなくてはならないので、迷っている時間はありません。
 
 そこで、最近大活躍をしてくれるのがスマートフォンのナビ機能です。
 カーナビのように、自分が歩いているところがわかるようになっていてとても便利です。道を外れてもすぐに軌道修正してくれるので、時間を大きくロスすることはなくなりました。

 ただ、充電切れという大きな欠点も。かなり電池を消費するようで、先日の斎場訪問では途中で電池がきれてしまいました。
 幸い、駅から近い斎場だったので、地図を見ながらなんとか時間前にたどりつくことができましたが、駅から離れているところだったら確実に迷っていたことでしょう。

 帰り道にあった家電量販店で充電器を購入しましたが、やはり全てを文明の利器に頼ってしまうのも良くないなと実感しました。

 これからも、まだまだ斎場取材やまだ行ったことのない場所へご葬儀の立会などに行くことが多々あります。迷わずに自力で目的地にたどり着けるような訓練も少しずつしていかないといけないなと感じてはいるのですが…。

ゴールデンウィーク

 ゴールデンウィークの真っ只中、大型連休を取られている方も大勢いらっしゃることでしょう。
 暦通りのお休みの人は、後半の連休を楽しみにしながら間の2日間を頑張られていることと思います。

 私たちの仕事は、24時間・年中無休です。
 他にも24時間年中無休の職種は沢山あり、当然、交代で勤務しているので、お休みもきちんと取られていることと思います。

 もちろん、私共も交代でお休みはいただいていますし、ちゃんと睡眠もとっています。

 コンビニのように、時間によって店員さんが違えば、交代していることが目に見えてわかりやすいのでしょうが、電話やメールでの対応の場合は、交代のタイミングなど、わかりにくいのかもしれません。

 年末年始、私は年末に少しお休みをいただき、年始は元旦から電話対応をさせていただいていました。

 今年のお正月に電話で対応させていただいた方から、
「お正月から、お休みがなくて大変な仕事ですね。とてもありがたいです。大変でしょうが、頑張ってください。」との言葉をかけていただきました。

 ご自身のお身内の心配でいっぱいいっぱいの状況の中、電話口で対応する私にねぎらいの声をかけてくださり、とても励みになったことを、連休中に仕事をしていたつい先日、思い出しました。

休んでください。

 ご葬儀が終わると、張り詰めていた気が一気に緩み、体調を崩されるというのはよく耳にする話です。

 寝る間を惜しんでご看病され、ご逝去後はご葬儀の準備…と、休む間もなくご葬儀を迎えられ、長期にわたり疲労がたまっている方もいらっしゃいます。

 特に、喪主を務められる方やご葬儀を仕切る立場にいらっしゃる方は、気が張り詰め、ご自身の身体の疲労に気づかないこともあります。

 通夜にお伺いしたときに喪主様にご挨拶をする際は必ず「明日のために、少しでも身体を横にして休んでください」とお話しさせていただいています。

 たいていの方は、「わかりました、ありがとうございます」とおっしゃっていただけるのですが、やはり気が張っていることと、日常ではない環境せいか、なかなかお休みにはなれないようです。

 先日、斎場訪問をさせていただいた時に斎場の関係者から聞いた話ですが、火葬後に初七日法要で式場に戻ってきたときに、ご遺族の方が急に体調を崩されることがよくあるとおっしゃっていました。
 特にご葬儀の際に「あれも、これも」と、とてもお元気に振舞っていた方に限って、具合が悪くなってしまうそうです。
 精進落としのご会食後に、両手に荷物を持ち、「大丈夫、大丈夫。」と動き回っていらっしゃった喪主の方が急に転倒し骨折してしまい、救急車に来てもらったというお話しも聞きました。

 悲しみの中、やらなくてはならないことが沢山ある状況で、様々な感情を抑えて気丈に振舞うということは、恐らくご自身が思っている以上に身体に負担がかかっていることと思います。

 なかなか難しいことかとも思うのですが、無事にご葬儀を終えるためにも、是非、ご自身の身体を休める時間を作ってください。

無縁墓

 この春のお彼岸は、家族の都合が合わず、お墓参りに行けませんでした。
 やっと落ち着いてきたので、近いうちに行こうと思っています。

 我が家のお墓は比較的近く、休みの日に一人で行こうと思えば行けるのですが、やはり私が一人で行くよりも、息子に来てもらいたいのでは?と思い、なかなか休みが合わない主人との時間の調整中です。

 このお墓は長男が継いでいます。長男の子供は女の子が二人。
 将来、姉妹のどちらかが継いでいくことになるのだと思いますが、まだ若い二人。
 ましてや、まだ二人ともお嫁には行っていないので、そんな将来のことはまだ考えられないようです。

 私自身も二人姉妹です。
 実家のお墓のことが気になりました。
 私が20代の頃、霊園の石屋さんに、「お父さんとお母さんがお墓を建てたから、これからの補修はお姉ちゃんたちが頑張ってね」と言われたことを思い出したのです。
 お墓の石はまだまだずっと大丈夫だけど、周りの石はあと10年もしたら新しいのにしたほうがいいと。それからもう20年以上経っていますが、まだ当時のままです。

 このお墓、誰が守っていこうか。
 私の代はまだ大丈夫。姉妹で守っていけますが、この後が問題です。
 我が家も女の子が一人。お嫁に行ったら守ってもらえるのか・・・。
 まだ10代の娘は、おばあちゃん子というのもあり、「もちろん、私がやる」と頼もしいことを言ってくれるのですが、これもどうなることか。

 しきたりや核家族化など、様々な問題でお墓を守ってくれる人がいなくなってしまう状況。
 これからは更に増えていくのではないかと思います。

 私自身、どこのお墓に入るのか?お墓に入ることができるのか?という問題もありますが、今あるお墓を無縁墓にしないためにも、お墓参りの時にそんな話をしてみようと思っています。

バス

 先日、めったに乗らないバスに乗った時のことでした。

 席が空いていない状況で、私は後部に立っていました。ほとんどの座席にはお年寄りが座っています。

 停留所に止まる度に数人の人が乗り込み、やや混んだ状況になってきました。

 そして、中学生くらいの男の子がにぎやかにおしゃべりをしながら乗ってきた時のことでした。
 別々の座席に座っていたお年寄りが二人同時に、「次で降りるから、座りなさい」と席を立ったのです。
 驚いたことに、その中学生は、「ありがとうございます」とは言ったものの、席を譲ってもらい、座ってしまいました。

 バスが動いている状態で、柱やつり革につかまりながら出口の方へ歩いていくお年寄り。
 バスには乗りなれているのかもしれませんが、バスのアナウンスでも、「バスが止まってから席をお立ちください」と案内しています。
 
 もしかすると、降りるときに少し時間がかかるから、先に降車口に行こうと思われたのかもしれません
また、その子たちは、その方のお孫さんと同年代くらいの子たちだったのかもしれません。

 しかし、私は後方から見ていて、やはり走行中に歩かれるのはとても危ないと感じました。

 その方は、次の停留所で降りましたが、席を譲ってもらった男の子たち、
「止まってからでいいですよ」
と、言える日がくるといいなと思いました。

カラーイメージ

 春を感じられる気候になってきました。
 開花の遅れや、爆弾低気圧と名付けられた春の嵐の影響でどうなるかと思われていた桜も、まだ満開ではないものの、新入生や新しくステップアップした人たちを応援しているかのように咲き始めました。

 道端や畑などにも色とりどりの花が咲き始め、黄緑色のフレッシュな新芽も見られるようになってきました。

 きれいな色の花を見ていると、とても気分がよくなってきます。
 春の陽気のせいでもあるのでしょうが、花の「色」は見ているだけで人の気持ちを動かしているのかもしれません。

 「色」について、私はずっと前からとても興味を持っていました。
 私が趣味でハワイアンキルトを始めたのも色に魅かれたからでした。色の組み合わせ次第でイメージががらりと変わり、出来上がった作品はずっと見ていても飽きないくらいです。
 新しいものを作るときに選ぶ色は、その時の気分が配色に表れているのかもしれません。

 赤は元気、青は冷静、緑はやすらぎ、黄色は光、白は敬意、黒は生命の終わりや再生・・・と、それぞれに意味があり、それはきっとだれもが色の勉強などをしなくても心理や感覚で感じているものなのでしょう。

 企業のイメージカラーや広告、パンフレット、ホームページなども、配色は大切なことなのだと改めて感じました。

 色の種類は無限にあります。もう少し深く勉強してみたくなりました。

春の色

 気象庁の桜開花予想日を前にして、六本木ヒルズの桜が2輪開花したというニュースをテレビで見ました。
 昨日、川崎地区の斎場を訪問していた際に、桜の木を見上げてつぼみが膨らんできてるからもうすぐ咲くかなと思っていた矢先だったので、いよいよシーズンに入ったなと、なんだか嬉しくなってきました。

 先日「私が斎場へ訪問するときはなぜか天気が悪い」という記事を書きましたが、その後の訪問では天気が味方についてくれたかのような快晴。空に感謝です。コートも冬物ダウンから春用の軽いものに変わりました。

 今、訪問させていただいている斎場の多くは寺院が管理しているので、お寺の境内なども合わせて見学させていただくのですが、丁寧に整えられた境内には、多くの木々が植えられています。
 3月の初めころに伺ったときは、まだまだ寒く、梅の花も咲いていませんでした。それが、最近伺ったところでは、色とりどりの花が咲き、黄緑色の新芽もみられ、すっかり春の色になっています。

 昨年は震災の影響で、花見どころではなかった方も多いかと思います。花見の名所ではちょうちんに灯りがともらず、なんとなく重い気分だったことを思い出しました。
 今年の桜のシーズンには提灯はともるのでしょうか。

 東京はあと一週間くらいで満開になると予想されています。今年は夜桜見物ができることを楽しみにしています。

 そして、入学式の頃にはちょうど満開の桜がピカピカの一年生を迎えてくれることでしょう。

井戸端会議

 先日、買い物の帰り道に、知り合いが3人で井戸端会議をしているのを発見。挨拶をして通り過ぎるつもりが、いつの間にか私もその井戸端会議に参加していました。

 会議の話題は、たいてい子供のことや学校のこと。とりわけ、その日は卒業式の直後だったので、学校の先生のことや高校の話などで盛り上がっていました。

 いろいろな話題が飛び交う中、一人が「おばあちゃんが先週、骨折して入院したのよね…」と。そこから話題は親の老後の話に移り、お葬式の話しにおよびました。

 3人とも、まだ身近な身内を送った経験が無く、漠然とした不安を持っているとのこと。
 インターネットで調べてみても、沢山ありすぎてどこがいいのかわからない、安心などと書いてあるけど、かえってそれが不安になるとか。
 経験者に聞くのが一番いいのかもしれないとは思うけれど、立ち入った部分なので、聞くに聞けず…
 「まだ先のことだから、まあいいや」の状態でモヤモヤしていると言っていました。

 買い物帰りの立ち話しだったので、今は細かい話まではできないけど…と、簡単にこの仕事の話しをすると、「え〜、そんな仕事をしてたのね」「聞ける人がいて良かった、聞けることを知っただけでも安心した」と言ってもらい、連絡先を渡してからほどなくして井戸端会議は解散しました。

 いつかかかってくるかもしれない知人からの容赦ない質問に備えて、100聞かれたら、おまけ付きで100返せるくらいの知識を身につけなくては!と、私の今後の励みにもなった、有意義な井戸端会議でした。

斎場へ訪問させていただいています。

 今、私はセンターのホームページの斎場部分を充実したものにさせるために、週一ほどのペースで斎場へ取材に行かせていただいています。

 葬儀社さんとのやりとりなどは、通常の業務でさせていただいていますが、斎場の関係者の方と直接お話しをさせていただく機会はなかなかないので、とても良い経験をさせていただいています。

 地域を選んで、一日に2斎場ほど伺わせていただいていますが、ご迷惑にならないようにご葬儀がない日にお伺いすることにしています。ですので、こちらからお願いの連絡をいれさせていただくのがどうしてもお伺い予定の前日になってしまい、急なお願いになってしまうにも関わらず、どの斎場の方も快諾してくださるので、とても助かっています。

 こちらの勝手なお願いに、どの斎場の方も快くお付き合いしてくださいます。
 斎場内を案内していただいたり、細かいお話しなどを聞かせていただけるので、私にとってもとても勉強になりますし、センターのホームページを見ていただく方にもわかりやすいものになると思います。

 ただ、残念なことに、私がお伺いする日はなぜか天気が良くないのです。
 外観の写真を撮っても、空は雲で覆われていて、時には雨粒まで写ってしまい、道路には水たまりも…。
 パンフレットなどには当然、快晴の時に撮影した写真が使われているので、私の写真は本当ににお邪魔したときに撮ったものということで、リアリティがあると言えばあるのですが…。
 少し前までは、私が行くと必ず晴れるというくらいの晴れ女だったのですが、そんな話は崩壊してしまったのかもしれません。

 次から訪問させていただくときは、準備として天気予報もちゃんとチェックしなくてはと思っています。

 もし、このブログを読んでくださっている中に、斎場関係者の方がいらっしゃいましたら、私からアポイントの連絡をさせていただいた際には是非ご協力をお願いします。

行方不明者数

 一年前の今日、地震発生直後に停電になり、少しでも情報がほしいと思ってつけた携帯のワンセグテレビに映った映像は今でもまだ目に焼き付いています。
 小さな画面に映った情景は、携帯の電池の残量を気にしつつも理解するのに時間がかかるものでした。
 
 あの日から一年、未だ3000人余りの方が行方不明の状況で、昨年の11月からは新たな行方不明者の発見はないとのこと。
 未だに家族がみつかっていないという方の話しを読みました。あきらめなくてはいけないのだろうけど、何も見つかっていない状況では踏ん切りがつかず、骨一本でもいいからみつかってほしいというものでした。

 放射能汚染などの関係で捜索もなかなか進めることができない状況で、捜索する側の人も悔しい思いでいるとも書いてありました。

 身元不明のまま火葬された方も大勢いる状況、まだまだ捜索した場所があるのに行けない状況で、気持ちに整理をつけるのはなかなかできないことだと思います。

 行方不明になっている方も家族のもとへ戻りたいはず。未だ行方不明の方が一人でも多く、ご家族のところへ戻れるように…私には願うことしかできませんが、捜索を再開するというニュースを見る度に発見を期待しています。

 また、来年の今日、少しでも行方不明者の数が減っていますように。