互助会の解約金に関する疑問

 葬儀のご相談の中で最近は互助会に関する質問が目立って多くなったように思われます。
 急に多額の費用が必要になる葬儀に直面したものにとって、前払いで一定金額が納められているという安心感はとても大きなものです。全国に会員が2000万人とも言われているのも頷けます。そんな良いこと尽くめのはずの互助会への苦情を度々耳にするようになってきました。
 最近受けたご相談の中でも、幾つかあります。
 
 当センター賛同社の葬儀社から概算の見積りを取った後、お義母の持物を整理していると互助会に入っていた用紙が見つかり、急遽ご連絡をいただきました。
 依頼者からは互助会関連の斎場で先に紹介した葬儀社での葬儀はできないのかとの問い合わせでした。互助会は解約すると掛け金が半額程度になってしまうとのことで、もしそうなったら折角見積りを取っていただいたが、互助会に依頼せざるを得ないとのことでした。
 
 残念ながら互助会関連の斎場は互助会の葬儀社所有のものですので他の葬儀社は使用できません。
 それにしても解約金額があまりに高いので、入会時の説明がしっかりなされていたかどうか心配です。
 公正取引委員会の事業者アンケートではそのことについて説明している互助会が殆どとのことです。
 互助会の説明の仕方で信頼がおけるかどうかの判断材料になるのではと申し上げたが、預けたお金を無駄にしたくないとのことで、そのまま互助会での施行となったようです。
 互助会との契約金額でご葬儀が全てまかなえるわけではありませんのでご注意を申し上げたのですが、解約金にこだわって高い買物になってしまったようです。
 オプション物が多く、結果当センター賛同社の葬儀社の見積りの倍近くの出費になってしまったとのことです。
 

「参列者の流れを如何にスムースにつくるか」は葬儀担当者の苦心のしどころです

 「大勢の会葬者を如何にスムースに誘導できるか」葬儀担当者が式を進行する中で最も気遣いすることの一つです。縁の下の力持ちのようなことですが、これがうまくいくかどうかで式の印象もガラッと変わってしまいます。
 一定の時間内にご焼香を終え、しかも参列者の皆様に余分な気を使わせず満足してもらう為には細心の注意が必要です。
 特に民営の斎場は広さもまちまちで、色々な制約もあります。その中で如何に効率よく、会葬者同士ぶつからない様に流れをつくるか腕の見せ所です。
 斎場の特徴をそれぞれ把握して増減する人数に照らし合わせて臨機応変に対応する。
 テントで受付を済ませた会葬者を季節によりどこに並んでいただき、ご焼香台をどこに置き、ご焼香を終えた方をどちらにご案内するか気を配り、遅れていらっしゃった方最後のお一人にまで気が抜けません。
 たとえば、広いロビーを使用した桐ヶ谷斎場での告別式の場合は半円を描くように携帯品預かり所、各方面受付からご焼香台へ、ご焼香が済んだ方の先は返礼品受け渡しの係りが待機するという流れをつくり、式場に直接出入りする方と交わらないように工夫されていました。
 国分寺市東福寺での500名規模の会葬者の場合は一般記帳では間に合わなくなるため、カードに記入していただき名刺と一緒に出していただいたり、通夜のお清め所を一般会葬者用とご親族用を分け、ご親族を待たせることなくお清めができるようにされていました。
 また、練馬の橋戸会館のようにロビーがないところでも軒下を利用して並んでいただき、ご焼香を済ませた方は脇の出入り口から2階のお清め所に行かれるような流れをつくることもできるようです。
 担当者の采配ぶりが注目されるところです。
 

「お墓に入りたくない人、入れない人のために」

 「お墓に入りたくない人、入れない人のために」(徳留佳之・著、はまの出版、1500円)という本を読みました。

 書名のとおり、お墓に入りたくない人や入れない人のために、お墓以外の選択肢を紹介しています。具体的には、散骨や樹木葬、手元供養などを詳しく解説しています。また、こうしたことが求められるようになってきた背景も整理し、そもそもお墓とは何なのかを問いかけています。
 関心がある方はどうぞ。

葬儀関連のインターネット広告は激戦

 われわれがたとえどんなにいい活動をしようが、それを知ってもらわなけらば事業は継続できません。

 この知ってもらう方法にはさまざまありますが、有力な方法の一つが広告です。とくに、莫大な広告費を使えないところの救世主みたくなっていたのが、インターネットの検索キーワードに対応したキーワード広告といわれるものです。

 ヤフーやグーグルの検索ページの上部や右側に表示される囲みの広告がそれです。入札制でより高い金額で入札したところが上位に表示されます。確かに数年前まではこの広告に目をつけている葬儀社は少なかったので、やりかたにもよりますが費用対効果があったところも多かったと思います。

 しかしながら、この広告も現在激戦になっています。当センターでも先日この広告を久方ぶりにチェックしていましたら、入札金額の高さと参加している社の多さにびっくりしました。
 
 何はともあれ、いつの時代でも媒体が変われど知ってもらうということは大変なことです。

「火葬のみ」のお別れの仕方

 少し前頃ですと葬儀・告別式をせずに火葬のみというのはまれで、何か特別な事情でもおありになるのかと一瞬でも伺う方にもためらいがありましたが、最近では相談に乗る機会がかなり頻繁になってきました。
 状況が以前とはかなり様変わりをしてきたように思われます。
 経済的理由だけでなく、故人の意思を尊重する形も増えてきたようです。
 先日、当センターのスタッフがお受けしたのもそのような1件でした。
 病院での長患いのため、1度ご自宅に帰り、翌日火葬にしたいとのご遺族の要望でした。
 久しぶりにご自宅にお帰りになった夜は、故人を囲みご家族皆さんで積もる話をされ、1晩ゆっくりなさったようです。
 翌日午後火葬場には遠方からのご親戚も集まり、告別ホールでの短い読経で最後のお別れをした後、ご遺体は火葬へと移されました。
 
 火葬のみの場合は最後のお別れの読経も告別ホールあるいは火葬炉前と火葬場により違ってくるようです。
 読経時間も5分以内から相模原市営斎場のように15分から20分位までできるところもあります。
 大方は告別ホールで最後になりますが、八王子市営斎場のようにお花入れや読経を火葬炉前で行うことができるところもあるようです。
 
 

再度同じ葬儀社に依頼したくない理由について

 「葬儀施行後、48%の人は、再度同じ葬儀社に依頼したくない」(2002年、矢野経済研究所。東京都の場合)の話を当センターのホームページの中で紹介しています。

 これをご覧になった依頼者の方から、この理由について質問を受けました。何が問題で依頼したくなくなってしまうのでしょうか、と。

 一般的に行われているアンケートなどでは、一応、「予定より派手になってしまったっから」「費用の追加支払いが多くなったから」「形式的になりすぎたから」というような理由が上位を占めます。

 一応と書いたのは、表面的にはこうした理由で間違いないかもしれませんが、本当のところは少し違っているのではないかと思うからです。

 これまで数多くの相談を通して思うのは、支持されない葬儀社というのは次のようなところだと思っています。

 上記のような理由を言われてしまうほどに、依頼者が本当は何を考え望んでいるのかを、よく探り出そうとする努力もせず、そんなこととは関係なく、表面的なやりとりで施行していこうとする風土をもった会社。

 要するに、心あるコミュニケーションができない担当者がいる葬儀社には、再度依頼したくなくなると思うのですが、いかがでしょうか。

「お葬式が終った後はどうすればよろしいですか」

 「お葬式の後はどうすればよろしいですか」電話口で唐突に聞かれることがあります。
 準備もないまま突然訪れる死に戸惑い、それでも葬儀が終るまでは葬儀社の担当者や周りの方の手伝いがあり、ベルトコンベアーに乗せられた状態で来れますが、終って我に返った後は自分で処理しなければならない問題が沢山横たわっています。
 遺品の整理、香典返し、相続の問題、埋葬の問題、お墓の問題等、問題は山積しています。
 関東地方では通夜から告別式まで殆どの方は自宅以外の式場で済まされ、本来ならば初七日法要も7日目に行われるのを告別式の後に、繰上げ繰り込み初七日として繰り込まれることが多くなりました。
 香典返しも即日返しと称してお香典を持っていらっしゃった会葬者の方々一律に3千円前後の品物を礼状に添えてお渡しすることが多くなってきました。少しアバウトな半返しですが、特に金額が大きい方以外はこれで済ませてしまうことになります。通常の返礼品の場合は49日に改めて品を挨拶状と共にお送りすることになります。
 本来の意味から少しずれを生じても忙しい都会生活に組み込まれて行くようです。
 仏式では49日の法要が待っています。ご遺族ご親戚、故人の友人知人が集まり、遺骨は通常この日に墓に納骨、埋葬しますが、規定ではありません。
 埋葬するためには墓石、墓誌に名前を入れる必要になりますので、3週間位前に石屋さんに手配をお願いすることになります。
 菩提寺を持たない方で、公園墓地を購入済みの場合は、出席者が広い霊園でまごつかない為にも墓地の管理事務所に集合し、喪主が引率してお墓に行き、埋葬、読経してもらい、お線香をあげた後皆さんで会食になります。無宗教の方は読経がはぶかれます。 
 お寺の墓地を購入された方はお寺の控室に集合し、本堂でお経をあげてもらった後、墓地に埋葬します。読経、お線香をあげた後、会食となります。
 法要の時のお布施代はまちまちですが、あるベテランの担当者に伺うと、ご葬儀の時のお布施代の1割を目安にするとよいとのこと。関東地方の場合は1割をくだらないようにと言われているようです。
 お布施代50万円ですと5万円になりますが、49日と新盆はプラスアルファーで7~8万円といったところだそうです。開眼法要で白木のお位牌から魂を抜き、塗りのお位牌に魂を入れ、それに読経代が加わります。
 但し、地方に帰って、埋葬の場合はこの限りではありません。地域によっては昔からの風習が残っているところもありますので、地元の親戚の方に伺うのが一番とのことです。

最近、互助会関連の相談が増えています。

 相談内容別に統計を取っているわけではないので、正確な数字はわかりませんが、互助会で施行するかどうか迷って当センターへ相談される方が増えてきていると感じています。

 ここ一カ月ほどの間で、故人などが互助会の会員でそこで葬儀をできたにも関わらず、当センターの紹介社で施行された方が3人いらっしゃいました。

今日受け付けた相談では、まだ互助会には入っていないが、親の葬儀の準備をしてるなか、互助会に勤める旧知の知り合いに相談したら入会を勧められたが、どうしたらいいのだろうかというような内容でした。

 互助会は、経済産業大臣より許可を受け、割賦販売法に定められた指定役務(この場合、葬儀サービス)の提供を目的とした前払い式特定取引業を営んでいる事業者のことです。
  要するに、互助会は、会員が毎月掛け金を積み立てて、その積立金をもとに葬儀を施行してくれる葬儀社です。そして積立金の半分は、万一会社が倒産しても保全されます。
  ここで注意が必要なのは、経済産業大臣の許可は、あくまで会員から積立金をとる営業方式を認めたものなので、 葬儀社のよしあしはまったく関係ないということです。大臣の許可を優良葬儀社の証のように宣伝しているところもありますので、気をつけたほうがよいでしょう。
  また、互助会と依頼者とのトラブルがいろいろ起きていることから、公正取引委員会は「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(2005年7月)の中で次のように指摘しています。

事業者における留意点 互助会加入契約時に、消費者に対して積立金完納後の割増サービス、解約の際に払い戻される積立金の額、互助会が倒産した場合の保全金額等の契約に関する諸条件について十分に説明する必要がある。

消費者における留意点 互助会加入契約を締結する際、その契約に関する諸条件の内容を十分に理解することが望ましい。

葬儀費用を抑えたい方は区民葬をもっと積極的に活用してみましょう

 東京都の場合の区民葬は嘗て都民葬と呼ばれ、当時は葬儀を自宅でやり、ご住職が主導権を握り取り仕切っていたので、都が祭壇を貸し出したのが始まりだそうです。
 全東京葬祭業連合会に加盟している葬儀社で受け付けていますが、区からの補助金なしで執り行っているのが現状です。
 取り扱っている葬儀社の方が「我々業者がある程度犠牲になってやっているんですよ」と言っているようにA,B,Cのランクに分けられた祭壇料はかなり抑えられています。
 Aランク・247,800円、Bランク・130,200円、Cランク95,550円(いずれも御寝棺含む)となり、連合会としてはCランクを免除して欲しいと区に掛け合ったが、逆に区としてはこれを看板にしたいと意気込んでいるとのことです。
 ご喪家側としては葬儀費用を大きく左右する祭壇費用をまずは抑えることができます。
 祭壇の他に区民葬の対象となる費用は霊柩車代、火葬代、遺骨収納器代が挙げられますが、葬儀社の葬儀一式と同じように、これで全てまかなえるものではありません。
 逆に含まれていないものはドライアイス、遺影写真、会葬礼状、返礼品、飲食代、生花、御供物、マイクロバス、斎場使用料、お布施代などが挙げられ、会葬者が多い場合は人手も要りますので別途人件費が掛かるようです。それでも総費用はかなり抑えられます。
 以上のように費用は抑えられるけれども、祭壇の選択はできませんのでシンプルすぎると思う方は、別途料金で生花を飾ったり、故人愛用のものを飾りオリジナルな演出を試みては如何でしょうか。
 ご利用方法はまず、区役所に医師の死亡診断書を提出する時、利用券の交付を申請し、それを持って区民葬儀取扱の葬儀社と契約することになります。 
 

手元供養品の社会的必要性

 葬儀業界の不透明さを背景にした情報格差によりご遺族側が不利益をこうむらないために設立された機関として、「あさがお葬儀社紹介センター」は平成16年3月に設立されました。

 現在、一都(東京)三県(神奈川、埼玉、千葉)の主要都市でサービスを展開し、年間300件ほどの施行をサポートしています。

 私は、このサポート業務での葬儀後のやり取りをとおして、手元供養の社会的必要性を感じ、紹介業務の傍ら、手元供養品の開発について考えてきました。2年余りにおよぶ開発期間とテスト販売をへて、今夏から本格的に販売を開始しました。納骨・供養の基礎知識なども解説していますので、よろしければご覧ください。

手元供養は御影のお守り