高い葬儀費用にさせられてしまった

 今年になってから、高い葬儀費用にさせられて(なってしまったではなく、させられて!)しまったという、同じような2件の後悔口コミが寄せられました。

1 ================
○○○○で1ヶ月前に葬儀をしました。事前の知識がなかったり、精神状態がやはり普通ではなかったのもありますが、見事にだまされました。見積もりの時に、詳しい説明がなく、多くのものを高い金額でやらされました。例えば、音楽。故人の好きな歌のジャンルだけ聞かれただけで、生演奏の15万円をとられていました。てっきりBGMだと思っていたのに。また、祭壇のお花の説明も、説明不足で余分なところにまで花飾りがあり60万円もとられました。後で問い合わせたら、ちゃんとパンフレットで説明したと言われましたが、説明を受けた3人とも記憶がありません。見積もりを見て、質問できなかったこちらも悪いのですが、知識がなく、そんなものか・・・と思っていたところもあります。けれども、家紋ひとつとっても、有料であることも説明なく、家紋をつけなくても良いという選択肢の話しもなく、全部で350万もとられてしました。抗議の電話をしても、見積もり担当の方から、連絡のついでのわびの一言でけで、誠意が感じられませんでした。二度と、他の方にこのような思いは、させたくありませんので、広く伝えてもらえればと思います。

2 =================
○○○○では露骨に値段の高い葬儀をさせようと担当者が誘導してきます。花の値段などは遺族になんの相談もなしにグレードの高いものにされてしまいました。悲しみにくれる遺族から一円でも多くのお金をむしり取ろうとする汚い葬儀屋さんなので、もしやむ無く利用される方は逐一値段の確認をして、なんならICレコーダーの使用も考えた方が良いかもしれません。とにかく経験談や過去の話というこちらから裏がとれない内容の話で金額を提示しないで誘導してくる常套手段に要注意です。

 この不況と過当競争の中、担当者が歩合制の給与性などになっていれば、起こりがちなことだと思います。2の方が対策法としているように、ICレコーダー対策法も一つでしょう。
 不適切にならないように、各個人の良心による自己への管理とか縛り付けを望めない(とした)ならば、外部の何かしらのプレッシャー力によって、不適切なことが起こらないようにするほかありません。

 事前見積もりによる拘束、第三者の目による拘束、ICレコーダーによる拘束・・・・・などなど。社会状況もますます外部の力による拘束方向へ進んでいて息苦しい感じもします。もっとも考え方次第で、外部の力を何でも利用してやるぐらいの主体性があれば、逆に拘束から解放されるというのも興味深いところではあります。

安かろう・悪かろう、ではなくて・・。

 ご葬儀後にご協力いただいているアンケートでは、紹介させていただいた葬儀社への感想などをお書きいただいているのですが、『担当者の対応が親切だった』や『丁寧な説明をしてもらった』という内容の感想を多くいただいています。
 これは、大規模な葬儀を行った方からだけでなく、小規模な家族葬や火葬のみのご葬儀を行った方からもいただいている感想です。

 火葬のみでの葬儀や、極力費用を抑えた葬儀を希望される方からの事前相談でときどきお聞きするのが、「こんな小さい葬儀を引き受けてくれる葬儀社はあるのでしょうか」や、「安かろう・悪かろうというのは仕方がないかもしれないが、できればよい対応をしてもらいたいのですが」など、たとえ小規模な葬儀であっても満足のいく葬儀にしたいという、ご要望です。
 
 以前、義理のお父様を火葬のみの葬儀で送られた経験をされた方から、将来、実のお母様を送らなくてはならなくなるときが来ると思うのでとのご相談をいただきました。
 義理のお父様のご葬儀のときには、親族も皆高齢になってしまい、葬儀に参列してもらうのも大変でしょうからと、ご家族だけの火葬のみの葬儀を選ばれたそうです。
 ご自身で色々と調べた結果、火葬のみの葬儀でも、葬儀社によっては10万円前後の違いが出ることから、高いよりは安いほうが・・と、インターネットで見つけた安くやっていただける葬儀社に依頼したところ、詳細の説明もなく、担当者の態度にも不満を覚え、お柩に入れるために用意してもらった花もぐったりしたものだったと後悔ばかりが残り、次にやってくるであろう実のお母様の葬儀では同じく火葬のみの葬儀にするとは思うけれど、あの時ような思いで送りたくない、結局、火葬料が追加になったので、最初に安いだけで選んだのが間違いでしたとおっしゃていました。 
 
 葬儀規模が大きかろうが小さかろうが、大切なお身内をを送ることに違いはないと考えて対応する担当者はいますので、よい葬儀にしていただくために、ご縁が繋がればと思っています。

互助会に入っているだけで安心?

 本日の午前中に電話にて事前相談を受けました。状況や現段階での希望内容などをお聞きし、2社紹介いたしました。今後の流れを説明し終え、やり取りも終わりかけた時に、ご相談者は申し訳なさそうに言いました。
「実は互助会に入っていて、その互助会に電話相談したのですが、費用が今一つ納得できなかったので、センターに相談しました。それでもいいでしょうか?」
「もちろん、かまいませんよ、こちらの紹介社の話や費用帯も参考にして、いろいろ比較検討されて自分に合いそうなところにお決めになればいいです。すでに会員になっている互助会さんにも利用するメリットはありますから。」

 これまでにも互助会に入っている人の相談はたびたび受けてきました。互助会に入っていたとしても、事前相談する価値は大いにあるように思っています。互助会に入っているというだけで安心して、事後にその互助会に連絡したとすれば、費用も含めて希望通りになるか分からない場合もありますから。昨年には、次のようなこともありました。

 直葬を希望する事前相談を受け、第一社目から見積もりをとり送付した後、ご相談者から報告がありました。
 〜〜〜 父の書類を確認していたら互助会の会員証が出てきました。株式会社○○○○、というところで、○○万円のコースを支払い完了しています。サービスの内容は全く分かりません。まだコンタクトをとっていませんが、どうすればよいでしょうか? 〜〜〜
 おおむね次のように答えました。
 ——- このコースは、葬儀をする前提のプランだと思われますので、まず、火葬のみのコースにすることもできるのか、その場合の費用はどうなるのかの確認、さらに仮に、このコースを利用して葬儀をする場合、あとどれくらい費用がかかるのか確認、あとは、このやり取りを通して対応がちゃんとしているか確認されてはいかがでしょうか。
 次に、このやりとりを通して、どうも利用するメリットがなさそうだという場合、解約も考えられる。この場合、解約手数料は何割とられるのか確認。この解約のメリット・デメリットまで含めて、互助会を利用するか、他の社を利用するか考える ——-

 結果は、この互助会にコンタクトしたら、「電話対応の悪さに閉口して検討対象からは、はずしていました」となり、同互助会は利用しませんでした。

 もちろん、互助会も会社によって様々です。ただ、上記の例では、もしもお父様が互助会に入っていたことを皆知っていて、それだけで安心して、事後にその互助会に連絡したとすれば、希望通り直葬でできたかはわかりません。

葬儀のオプションて何?

 何年か前、葬儀の口コミサイトができれば、参考にしたい人が多いだろうなと思ったことがあります。ちょうどそのころ、違う分野の口コミサイトを構築している人と話す機会があって、「葬儀の口コミはどうですかね」、と意見をもとめたら、難しいのでは、ということでした。
 たしか、理由は、積極的に発言したいと思うような分野ではないので盛り上がらないのでは、というようなことだったと記憶しています。
 現状を見ても、葬儀の口コミサイトで、参考になるような情報を提供しているところはないようです。

 当センターのサイトは口コミサイトではないですが、われわれが、より適切なアドバイスができるように、口コミを求めているページを作っています。
 ご相談者の状況も相談内容も様々で、たとえば、○○葬儀社で葬儀を考えているが、○○葬儀社はどうですか? という相談もあります。こうしたことにより適切にお答えするためには、葬儀や葬儀社、斎場の口コミなどをできうる限り広く多くの方々の協力のもと、情報を収集していく必要があると思っているからです。
 悪いことばかりでなく、もちろん、良い口コミもです。

 ただ、現状、後悔したという口コミが大半を占めています。数日前も、次のような口コミが届きました。

======== 以前、○○○○にある○○○○という葬儀屋を利用したことがあるが、かなり印象が悪かったです!!
料金に関して、最初の見積もりでは安かったのに、その後いろんなオプション料金を付けられてかなり上乗せされました。
ご遺体の扱いもかなりぞんざいで、死化粧もとてもプロの方がやっているとは思えないほど酷かったです。
火葬場に行く際も、途中で車がエンストしてしまい、かなり時間を待たされました。
なのに、支払いはまったくサービスもなかった。 ==========

 このオプションの話を、昨日会った葬儀社の人と話していたら、「そんなにオプションをつけるものがあるのですかね〜」と笑ってました。

なぜ、この商品を選んでしまったのか

 「値決めは経営」「値決めはトップの仕事」と言われほど大事な値決めは、業績が伸びたり沈んだりする大事な要因になります。なので、葬儀社さんから「当社の価格帯はどうですか?」と聞かれても、「会社のスタンスですからね」としか答えようがありません。

 ネットで低価格を打ち出しているのが目立つので気になるのも仕方ないことです。それにひきづられるのもわかるところです。参考にするべきところは参考にしたほうがいいかもしれません。

 もっとも、参考にしたいのは、表示される低価格だけであってはなりません。ネットで便利なのは、利用したことのある人(自作自演ではないもの)や業界の人の声もあふれていることです。それを踏まえれば、そうした会社の実態、そして今後の成長についても推量できる気もします。総合的に見たうえで、値決めに活かしていったほうが賢明でしょう。

 さて、競合だけ見ていればいいというものではありません。もっとも大事で洞察しないといけなのは、購入者(消費者)です。自社、競合、購入者、この3者、3者は同じですが、その内容、状況は変わり続けるのでやっかいです。

 そして、変わり身の早さでは、購入者が第一です。
 先日読んだ、『予測どおりに不合理〜行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』には面白い例が満載です。提示される商品の種類や価格・組合せ・見せ方等によって、消費者は、選ぶ商品が変わる可能性が高いことが明らかにされています。要するに状況に関係なく、一貫して同じ商品を選び続けるのは難しいということです(商品の種類によって強弱がありますが)。

 逆に、商品を提供する側からしますと、状況を変えれば、選ばせる商品を変えさせることが出来るということです。

 一昔前の葬儀情報が調べられなかったときのこと、
1、A祭壇15万円、B祭壇30万円で、どちらにしますか? 
2、A祭壇15万円、B祭壇30万円、C祭壇50万円で、どれにしますか?

 では、B祭壇を選ぶ人は、1よりも2のほうが多いのが予想されます。

 祭壇の例はあまりに単純ですが、われわれが何気なく選んでいるものは、企業の思惑にうまく乗せられている場合が少なからずありそうです。
 需要不足の状況では、マーケティング力がものをいいます。最も売りたい商品を決めておいて、それを売るために、他の商品を配置する・組み合わせるとか、いう手法も色々なところで見られる感じがします。こうしたところにも、参考にすべきところがあるのかもしれません。

追加料金のない葬儀社さんのご紹介を・・・。

開口一番「今、身内の者が亡くなったのですが、追加料金のない葬儀社さんをご紹介いただけますか」、張り詰めたお気持ちが電話口から伝わってきます。

「大丈夫です。ご要望の葬儀社さんをご紹介いたしますが、当センターでは葬儀社さんがお出しする見積りと請求の整合性をチェックしておりますので、見積りが安いと思ってそちらに頼んだら、とんでもない額が請求されたという問題はおきませんので、ご安心ください」。

 思わず、力が入ったこちらの返答に、電話口の主もほっとされたご様子が伺われ、以後の具体的なご相談もスムースに運び、ご要望に沿った賛同葬儀社さんのご紹介をさせていただきました。

 マスコミでも、昨今のご葬儀事情を取り上げることが、大分日常化してきているようですが、先日もテレビで、葬儀社さんから送られてきた請求書を見て、びっくりされたお話が話題になっていました。

 ○○円のパックでご葬儀が出来ますとのキャチフレーズに惑わされ、これでご葬儀代の全てが賄われる、と思われた節が多分にあるようです。
 請求書には当初の倍近くの金額が明記され、そこにはお食事代や返礼品をはじめ、お布施代、安置代・ドライアイス代の日数分等が加算されており、さらにオプションと称して、了承したかどうか定かでないものまで、含まれているとのこと。

 ご葬儀前の混乱状態の中、葬儀社サイドからの十分な説明がなされないままご返事された結果、思いがけない支払いをする羽目になってしまうケースが、後を絶たないようです。

 先のご相談者もそのあたりを警戒されて、おっしゃったご様子ですが、このように、金額の問題のみクローズアップされている背後には、担当者とのコミュニケーション不足が、大いにかかわってきているように思われます。
 
 担当者との繋がりが密であれば、防ぐことも可能な問題で、それは葬儀社選びの際の、大きな要因になるのではないでしょうか。

 ご葬儀に立会いでお伺いした折にも、担当者に全幅の信頼を寄せていらっしゃるご相談者をお見かけしていると、双方のコミュニケーションの取り方がつぶさに感じられ、今回も良いご葬儀になったのではと実感させられたものでした。

 担当者からも、初めてお会いした方にいかに早く懐き、懐いてもらうことが大事とのお話をうかがったことがあります。
 ベテラン担当者は細やかな気配り、和やかな雰囲気作り、臨機応変な対応から、一方の若い担当者はフットワークよろしくそれぞれの持ち味を生かした立場からご喪家との繋がりを図っているようです。

 ご葬儀後のアンケート等でも、そのことを如実に物語ったご回答を、数多くいただいております。
 
 「担当の方は何も知らない私に丁寧に教えてくれただけではなく、一般的にはこうだけれども、この地域ではこうだとの判断材料をいただきました」
 
 また、ある方は「こちらの主旨をすばやく理解してくださり、同じ目線で一緒に考えていただけた」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

 「自宅まで毎日足を運んで下さり、何でも相談でき、私の意を正確に汲んで下さり、イメージ通りのご葬儀を執り行うことができました」等のご報告もいただいております。

 やり直しがきかないご葬儀だからこそ、その方にふさわしい見送り方を一緒になって考え、行動してくれる葬儀社、担当者選びこそが、ご葬儀の良し悪しを握る大きなキーポイントとなることでしょう。

葬儀のことで心配なのは費用だけではありません。

 最近よく見る終活関連の番組などは、やはり葬儀の費用についてのトラブルを回避するための内容が多く放送されているようです。
 たしかに、初めて自分がお葬式を出す立場になって一番気になるのが葬儀費用だと思いますし、視聴者の関心を引くことでもあると思いますが、それと同じくらい気にかけていただいた方がいいことがあるのでは?とテレビをみながら思ったことがありました。
 センターでは、ホームページで「後悔した葬儀談」として、実際に経験された辛い思いを投稿していただく口コミのページを用意していますが、そこへ寄せられる口コミの中では、もちろん費用面でのトラブルもありますが、葬儀社の対応面で悲しい思いをされた方からの投稿が多いのではないかというところです。

 実際に、ご自身で近所の葬儀社に事前相談に行き、要望を伝えると露骨にいやな顔をされたので、そこには頼みたくないと思い、センターに相談したという方がいらっしゃいました。
 その内容はたしかに葬儀社側にとっては金銭的なメリットが無いことでしたが、できないことではなく、センターから紹介させていただいた葬儀社に快く引き受けていただいたことでご安心され、その社でのご葬儀を行ないました。
 
 担当者がどのように対応してくれるのかという部分では、実際に葬儀を依頼してみないとわからないこともあるので、なかなか難しいことでもあります。
 ただ、事前の段階で気持ちに余裕があるうちでしたら直接会っての面談などで判断することができ、葬儀社を選び直すこともできるので、実際に葬儀を行なう前の段階でトラブルを回避することが出来ると思います。
 
 テレビやマスコミ、インターネットではトラブルについての内容が目立ちますが、満足のいくご葬儀でお身内の方を見送られている方も沢山いらっしゃいます。その方たちがどのようにして満足のいく葬儀ができたのかというところに着目してみるのもいいかもしれません。

葬儀社と梅の効用

 蒸し暑い季節になってきました。少し歩いただけでも汗が出てきます。寝苦しさも日々増してききています。不快状況が疲れをたまりやすくさせるという説があるかは知りませんが、(本)さんから、「梅シロップが出来たらあげますよ、クエン酸効果で疲労回復にもいいみたいですよ〜」とありがたいお言葉。 
 素直にありがたく受け取っています。間違っても、“クエン酸効果が必要なぐらい、疲れるまで仕事をしたら〜”という皮肉だとは思っていません。

 さておき、クエン酸は疲労回復にいい、同様に、○○は体にいい、△△は□□に効果がある——ダイエットに、若返らせるのに、脂肪燃焼に、冷え症に、便秘に、良い睡眠に、熱中症対策に・・・・というような話、自分が問題を抱えているなら、ほとんどの人が興味をもつことでしょう。まさに鉄板の話題、場合によっては時間もお金もどんどんつぎ込むことになります。

 最近の主流は、分析機器の発達などより極小な世界の分析を通して、原因らしきものを突き止めて、そこの部分を操作して解決を図るという感じでしょうか。単純化していうと、原因物質を突き詰めたので、これで問題は解決だ! 聞いたこともないような、聞いても覚えられないような物質名が次から次に出てきます。その大げさな物言いに違和感を感じるのと、バランス感のなさに危なささえ感じます。

 もっとも、多くが一過性の話題で終わっているところを見ると、現実に打ちのめされているということもできます。現実の人間の体が複雑怪奇でかつ精巧な統合体からなのかもしれません。

 裏返しに言うと、人が不安を持っているような分野において、極小の世界の単純化されたわかりやすいものは人の気を引けるということでもあります。

 ご推察の通り、葬儀社のPRでもっとも気を引けるのが、低価格一点張りPRです。これにのっかって現実に打ちのめされ痛い経験を持つ人が当センターに相談することが少なくないのですが、上記になぞらえて言いますと、葬儀は価格だけでは決まらないので、サービス内容、人材、設備、場所などの要素を加味したバランス感をもってみることは非常に大事だということになります。そう、これが、いい塩梅というものでしょう。

予算と対応

 センターからの予算やサービス面でのご要望の問いかけに対し、「低予算でも丁寧に対応してくれる葬儀社さんを紹介してもらいたい」とご回答されることがよくあります。
 葬儀にかける費用がなかなか捻出できないけれど、それでも丁寧に対応してくれる葬儀社さんにお願いしたい、という気持ちは多くの方がお持ちだと思います。

 ホームページでは、格安プランを打ち出している葬儀社さんも少なくありませんが、値段だけで決めてしまうのは少し危険な気がします。
 センターへご相談される方のように、多くの方は安い値段だけでなく、丁寧な対応や、信頼性も求めていますが、ホームページや見積書だけではどのように対応してくれるのかがわからず、結果、一度しかない葬儀に無念な気持ちを残すことになってしまうこともないわけではありません。

 実際、センターへ「前回行った葬儀では、火葬のみということもあり、価格が安い葬儀社に依頼したのですが、担当者の態度が悪く、自分が思っていた葬儀とはまるで違った葬儀になってしまい後悔しました。次にもまた近々葬儀を行うことになりそうなのですが、二度と同じ思いはしたくないので」とご相談される方もいらっしゃいます。

 もちろん、安く提供している葬儀社さんが全て良くないというわけでは決してありません。また、値段だけを重視している方の場合にはそれもありだと思います。
 ただ、少しでも良い葬儀にしたいと思われているのなら、おおよそでもかまわないので、葬儀社の担当者がどのような人なのかなどを知っておいた方が安心できるのではないかと思います。

 葬儀に関係しない方にとって、葬儀社の内容まで知ることはなかなか難しいことだと思いますが、センターではご紹介させていただく葬儀社さんがどのような社なのか、また、担当者がどのような人なのかなど、面談や葬儀の立会いなどで把握したうえでご紹介させていただいていますので、信頼性のある葬儀社さんと出逢う近道だと思っていただければと思います。

 予算と葬儀社さんの対応は比例するものではありません。

お布施の理論とボージョレー・ヌーヴォー

 お布施の金額は、「お経の長さや、木魚をポコポコとたたく労働量で決まるわけではなく、えらい坊さんにはたくさん出すのが普通であり、金持ちもたくさん出さないと格好がつかない」というのが、今年7月に他界された梅棹忠夫さんの「お布施の理論」です。

 もっともこれは、お布施を象徴的な例として述べているのではあります。何の象徴かというと情報財です。原価不明で、その量を測定することも難しいし、需要や供給の量もわからない、情報財というものについてです。

 お布施の金額が「お経を読むお坊さんの格」と「お布施を支払う檀家の格」によって決まるように、情報財の価値もこれとほぼ同じ仕組みで決まるということを解き明かしています。

 お経のように形もなく目に見えないものだけが情報財ではありません。情報化社会においては、消費財においてさえ、情報的な側面が、それ以外の側面よりも商品の価値を大きく左右したりします。情報的な側面とは、たとえば、広告によって付加される商品のイメージやブランドのイメージ、商品のデザインなど様々です。

 今朝、テレビのワイドショーを見ていて、重要文化財の釈迦如来像を借金の担保にした京都の寺院が取り上げられていたのと、今日解禁になったボージョレー・ヌーヴォーの騒ぎをみて、なぜか、お布施の理論を思い起こしました。