ネットにも護身術が必要になってきた

 「1種類のパスワードでほぼすべてのサービスを使う」(16%)、「2〜3種類」(56%)と約7割が3種類以下のパスワードをサイトで使いましているそうです(トレンドマイクロの調査)。

 私も最近まで、数種類のパスワード、IDも自分で決められるのは同じようなものにしてやっていました。もちろん記憶していて、いちいち記載してあるところを参照する必要もありません。しかも単語登録して簡単に呼び出すことができるようにしていました。オートコンプリート機能(IDとパスワードの自動入力支援)が使えないような場合は、時間もかからず確かに楽でした。

 そろそろ、対策をしないと危なそうだと思い始めたのは、アメリカCIAの局員だった、スノーデン氏が、たしか“ネット上に流れる情報で取得できない情報は何もない”というようなことを言ってからです。

 やはりそうだろうな、と。

 今日もワイドショーでやっていた「LINE」の不正ログインはかわいいもので、ネットバンキングを利用していれば、いつ不正送金されるかわかったものではありません(少し大げさか)。

 そういえば、利用サイトから、“パスワードが長い間変更されていません。定期的に変更下さい”みたいな、メールもちょくちょく送られてくるようになっていました。
 パスワードを変えるぐらいで大丈夫かな? もうちょっと何かと思っていたら、本屋さんで『ネット護身術入門』(朝日新書)というものを見つけました。読んでよかったと思うことを一つ紹介します。

 ブラウザ上にパスワードを保存しないこと。

 オートコンプリート機能によってブラウザ上に保存されているIDとパスワードがウイルスによって盗み出される可能性があるからです。
 いずれにしても、内部からの情報漏洩に気をつけないといけない状況にますますなってきています。

電話の対応

 以前、当センターにお電話でご相談された方が、「実は、こちらに電話をする前に、病院から紹介された2社に電話をかけてみたのですが、1社は会員になることをすごく勧めてきて、もう一社は電話の対応があまりよくなかったので…」とおっしゃっていました。

 葬儀の事を考えなくてはならない心配な状況で、しかも会ったことも話したことも無い相手に相談をするのですから、ご相談をされる方はまずその時点で大きな不安を抱えていらっしゃることと思います。
 そんな状況で電話をかけているにも関わらず、相手先の対応が悪ければ、ご相談される方の不安は更に増してしまうのではないでしょうか。

 例えば、会員になることを勧めるのは悪いことではありませんし、その会社にとっては必要なことなのだと思うのですが、順番が違うのでは?と思うのです。
 また、対応があまり良くなかったと思われてしまうような電話対応とは?話し方がぶっきらぼうだったり、上からものをいうような態度だったりなどいろいろあるかと思いますが、本人はそんなつもりはなくても、受け取る側が不快に思ってしまうような電話対応をしてしまっていることに気付いていないのでしょうか…。
 人によって感じ方が違う、声の質やトーン、話し方のスピードなどは合う・合わないなどもありますのでいたしかたない部分だとは思いますが、少なくとも、葬儀関連の仕事に就いている人は、常に心配な状況にある人から電話がかかってくるということを頭に入れておいた方がいいと私は思っています。

 センターの電話には、ご相談者をはじめ、葬儀社さんや色々な営業の電話がかかってきますが、電話に出るといきなり営業が始まる営業電話にはうんざりするので、私も態度にでてしまっているかもしれませんが・・・。

盆義理の季節

 「15,16日あたりはお坊さんの確保が難しいですよ。お忙しくて場合によっては断られることもありますので・・・」
 実感がこもった電話口の賛同葬儀社さんの言葉に、思わず季節の移り変わりの速さを感じた次第です。

 今年も早お盆の季節がやってきました。
 地域によっては8月の旧盆を指すところと、当方の実家のあたりのように7月をお盆の季節と呼んでいるところとそれぞれですが、日本の原風景のようなお盆風景もまだ各地で見受けられるようです。

 お盆行事を大切にしている実家の遠州地方での新盆は、第2のお葬式とまで言われ、ご葬儀顔負けのように盛大な習わしが今も脈々と受け継がれています。

 新盆のお宅は金銀の飾りで満艦飾の祭壇が用意され、ご訪問者をお待ちしております。
 ご葬儀に伺った方は「盆義理」と称し、1年間にお伺いしたお宅を、お盆の夕方に再び1件1件訪問する習わしがあり、この間車は渋滞し、街中が黒服だらけになるとまで言われています。

 ご葬儀と違い、バラバラにお見えになる大勢の訪問客をお迎えする方も大変ですが、故人を偲び、義理人情を彷彿させるこんな風習は今では貴重な存在です。
 
 少し前でしたら無駄なように感じられた方も多かったと思いますが、大震災以来新たに地域の絆の大切さが見直されており、花笠を背負い勇壮活発に笛や太鼓鳴らしながら念仏を唱和して、新盆のお宅を回る遠州大念仏と共に残してほしい風習の一つになっているようです。

 母の新盆の折には親戚・従妹達が集まり、たいまつの火を消さないように皆で門前までリレーで運び、火が燃え尽きるまで円陣を組んで、久方ぶりのおしゃべりに話が弾んだ、送り火の風景も懐かしく思い出されます。

 今年も間もなく迎え火のお時間がやってまいります。

事前相談を迷われている方

 以前、ご対象の方からみて義理の息子というお立場の方からの事前相談に対応させていただきました。ご相談者は義理の息子といっても次女様のご主人で、万一の際に葬儀を仕切るのはご長女様。最初にセンターに相談された時点では、ご長女様が事前に葬儀の事を調べるという行為をどう思っているのかもわからないという状況だったことから、自分のような立場でまだお亡くなりになっていない方の葬儀について調べてもいいのだろうかとのご心配がありました。
 この時は、ご相談者がご納得される程度まで調べておいて、ご家族で葬儀についての話し合いが行われた時に、ご長女様の様子をみながらお話しを切りだしてみてはいかがでしょうかとご案内しました。
 その後、ご家族で話し合いが持たれ、ご長女様も事前相談についてはご理解をされていらっしゃったとのことで、事前相談もそのまま進むことになり、後日、ご紹介させていただいた葬儀社にてご葬儀が執り行われました。

 葬儀の事前相談は、相談される方のお立場や、ご家族の考え方などにより、ご自身が思うように進められないこともあるかと思います。
 メリットは多くありますが、「まだ亡くなっていないのに葬儀のことを考えるなんて」というお気持ちも問題が大きいのでしょう。

 先日も、「自分が葬儀の事を調べていることを家族に知られたくないので」というご相談がありました。
 センターでは、ご相談者のご都合のよい連絡方法に従ってご相談のやり取りを行いますし、こちらからは必要以上の連絡は致しません。また、ご紹介した葬儀社についても、ご相談者からのご要望が無い限り、直接ご相談者へ連絡することはありませんのでご安心いただければと思います。

 万一のことが起きた時、少しでも葬儀や葬儀社について知っている人が身内にいると、不安は軽減されるのではないでしょうか。
 色々な考え方がありますので、一概には言えることではありませんが、お身内の方が心配な状況になり、「不安」を感じられた場合には、葬儀についてのぼやっとした不安だけでも取り除いていただくのは、万一のときに落ち着いて考えることができるために有効なのではと思います。

アンケート調査

 当センターのホームページ内に引用させていただいている過去のデータを最新版に書きかえるために、日本消費者協会が発行している「葬儀についてのアンケート調査」報告書の最新版を読んでいます。今年の1月に発行されたもので、情報が新しく、センターへのご相談内容と照らし合わせてもうなずける内容が多いと感じました。

 私自身は葬儀業界に携わってからまだ8年ほどしか経っていませんが、それでも最初の頃と今とでは色々なことが変わってきていると実感しています。

 特に家族葬や直葬などの小規模なご葬儀に興味を持つ方が年々増えているというのは、それに賛成か反対かは別としても誰もが思われていることかと思います。

 「葬儀についてのアンケート調査「報告書」は、センターの対応地域である部分を主によく読んでいるのですが、興味深かったのが『地域で守られている葬儀に関する風習、しきたりについて』の項目です。
 地方では、その風習を大切に守っているところなども多くあるようですが、首都圏では、まだ自治会や町会の方が関与する所も残っているものの、近隣の方が亡くなられていたことを後から知る、また、以前は連絡網がまわり葬儀に参列していたが、近年は「近親者のみで執り行った」という回覧板で葬儀が合ったことを後で知るなど、ご家族だけで葬儀を済ませることが多くなってきており、センターでも、「家族葬で行いたいが近隣の方にはどのように知らせたらいいか」などのご相談を受けることがあります。
 とくに昔からそこに住んでいる方は、ご近所の方とのお付き合いの仕方によって悩ましい問題になるのではと思います。

 最近、実家に顔を出すと「○○さんのお父さんが1カ月くらい前に亡くなったんだって」、などと母から聞かされることが増えてきました。子どもの頃は団地の集会所で葬儀が行われていたので、母もよくお手伝いといって家でたくさんの唐揚げを揚げていたり、おにぎりを作っている光景を見たことがありましたが、今ではその集会所も葬儀で使うことはなく、葬儀の知らせもなく、事後の知らせもほとんどされることが無いそうです。

 将来、私も必ず父母を送ることになりますが、近くに住んでいるとはいえその団地から離れていておつきあいの状況もわからない人が仕切るわけですから、きっと家族だけで送ることになるのではと思います。火葬だけでいいという本人たちの本当の気持ちはまだ聞き出せていませんが…。

ご葬儀で大切なこと・・・。

ご葬儀ではご葬儀の数だけご喪家のご要望も様々です。
 その一つ一つのご要望に応えるべくして、ご葬儀の担当者は、常にご喪家の身になって考え、そのための努力も惜しまず奮闘されている様子をよくお伺いいたします。

 先日のご葬儀では、ご自宅でのご逝去の後、通夜までの6日間をご自宅のお布団上でのご安置となり、当日斎場に向かわれた方がいらっしゃいました。

 ご自宅の玄関からはサイズの関係で棺を出すのが難しく、納棺もできない状況でしたが、お話を伺った担当者は、喪主様の最後までご自宅で見守り、ご自宅から出発されたいとの強いお気持ちを察し、直ちにご希望通りにする旨申し上げたとのことです。
 当初ご親族の中には心配される向きもありましたが、毎日ご自宅に伺って状態を見守り、どうしても難しい状況となったらすぐ手を打つので大丈夫なことを説明し、お任せいただいたとのことです。

 梅雨時期とはいえ日差しはすでに真夏を思わせる中、ご年配の方でしたので顔色を明るく薄く化粧をほどこし、最初から多めにしっかりとドライアイスを後頭部や首筋等のお身体の要所にあて、お部屋を冷房し、お線香をあげていない時は暗闇にして、無事通夜当日が迎えられ、ご家族ご親族の皆様に見送られての旅立ちとなりました。

 以前、ご相談者からこんなお葉書もいただきました。
 ご相談者からのご要望の中で、病院から安置所に行く途中、ご自宅前を通ってほしい旨お聞きしておりましたが、ご葬儀は事前相談をお受けしてから大分時間が経過しておりました。
 
 お亡くなりになられた当日、皆様はそのことをすっかり失念していましたが、葬儀社さんは自宅前でしばし停車し、お祈りをしてくれたとのこと。

 「元気で帰ってこれなくて…。悲しく無念でしたが一瞬でも立ち寄っていただけたことで、心が救われた気がします。このタイミングをおいて他になかったですから。また、足が痛い母を一緒に車に乗せていただき本当に助かりました。一通りの打ち合わせを済ませた後、自宅まで送っていただいたことも深く感謝しております。その後、遺影写真と共に、たまたま別な目的で故人が書き残したメッセージをお渡ししたところ、会葬礼状の文面の最後に印刷していただき、原文は額に入れて安置所に飾ってくれたこともありがたかったです。故人を大切に考えてくださっているお気持ちが伝わり、思わずまた新たな涙を流しました」

 ご葬儀という状況の中だからこそ、心遣いが必要です。

静かに見送りたい・・・

 ご家族が特に信仰している宗教がないという場合のご葬儀では、葬儀社さんなどから紹介してもらうお坊さんに読経をお願いする他に、無宗教葬で行う方法もあります。

 無宗教葬というと、お式中に故人様が好きだった音楽をかけたり、音楽をやられていた方等の場合には、ご友人たちが生演奏をしたり、また、スライドショーなどを上映して、故人様との思い出に浸ったりなど、ご家族で企画されるご葬儀を想像する方も多いのではないでしょうか。

 ご葬儀は故人様を送る儀式として、基本的には宗教者の主導で進行して行きますが、宗教者のいない無宗教のご葬儀では葬儀社の担当者が進行役を務めることもあります。
 この場合、無宗教での葬儀を得意としている葬儀社では、葬儀の流れとして色々なプランを持っている場合もあり、1時間のご葬儀の中でうまく時間を割り振って、心に残るような演出を提案してくれるようなこともあるようです。

 先日、無宗教のご葬儀を希望し、家族のみで静かに見送りたいというご相談をいただきました。
 家族だけでのご葬儀では、ご親族も会葬者もいないため、司会者による故人様の略歴紹介や想いでの紹介なども必要がないことから、葬儀社から何かを提案していただこうと思っていたのですが、「静かに見送りたい」というご要望があったことから、ご葬儀の時間には特に何もせず、お別れの時間をゆっくりとって最後の時間をお過ごしになられました。
 ご葬儀を終えた数日後に、ご相談者からいただいたメールには、「家族葬、無宗教の葬儀はどんな感じになるのか不安がありましたが、納得のいく葬儀になり、気持ちよく静かに見送ることができました」とお書きいただき、ご満足いただけたことに安心したと同時に、無理に何かを企画しなくても、故人様をきちんと見送りたいというご家族の気持ちを十分に理解できていれば、「あえて何もしない」という選択肢もあると実感しました。

ご相談前の心配ごとは。

 今まで実際に当センターをご利用頂いた方からのアンケートで、当センターを利用した理由として、「NPOなので安心だと思ったから」や「サイトを見て信頼できると思ったから」などとご回答いただくことがあります。
 最初にセンターとコンタクトをとられる前の段階で、ご相談者が目にできる上記のような入口を用意させていただいていますが、それでも躊躇される方はいらっしゃるかと思います。

 もともと葬儀という不安を持ち、しかも何もわからない初めての状況にある場合には当然のことかと思いますし、ご相談のやりとりなどについても心配されることもあるのではないでしょうか。

 心配ごとのひとつに、「相談したり、葬儀社を紹介してもらったら、後でしつこい営業連絡などがあるのではないか」と考えることがあるかと思います。センター及びご紹介葬儀社は、連絡をしなくてはならないという必要がない限り、積極的にご相談者へ連絡するということはありません。ある程度の段階が来てご相談者と葬儀社が直接連絡を取る状況になるまでは、センターが間に入って対応します。
 ご相談者の許可なく、葬儀社等へ住所・電話番号・フルネームなどを知らせることはありませんのでご安心ください。

 また、夜間などの緊急なご相談でお電話された場合でも、オペレーター経由ではなく、必ずセンターのスタッフが直接対応いたしますので、何度も同じ説明を繰り返しする必要はありません。

 自分が相談者になって何かを相談することになった場合、きっと心配するだろと思うところを挙げてみましたが、実際にご利用頂いた方からのアンケートのご回答を見て頂くのが一番安心していただけるかと思います。

 ホームページではご利用者からご回答いただいたアンケートで掲載許可をいただいたものを掲載させていただいています。
 迷われている方がいらっしゃいましたら、安心してご相談いただくためにご参考にしてみてください。

気持ちが問題

 「ご葬儀はお値段ではありませんね。本当に良くしていただいて・・・」家業のお忙しい合間をぬって、ご寄付のお電話をいただいた時の第1声でした。
 お気持ちが全て表れているような、歯切れの良い下町の方のお声に、思わずこちらの声まではずんでいました。

 最初にご高齢のお母様のご相談の折、二つの強いご希望をいただきました。

 現在のお住まいと離れた下町の斎場をご指定になり、ご親族の方々は皆さんこちらの斎場でお見送りされたので、お母様もこちらで同じようにされたいとのこと。

 もう一つは、お母様とご自宅でゆっくりお別れをされたいとのことでした。

 少しでも長くご自宅でご一緒に過ごすためには通夜も自宅で、翌朝身柄を搬送して、斎場ではご葬儀・告別式だけの1日葬にされたいとまでおっしゃっていらしたのを、当方はつい1日葬でも式場費は2日分になることや、前日に祭壇を設営してしまいますので、その後通夜の式をやらずに、ご家族だけで見守ることも可能な旨、通り一遍なことを申し上げておりました。
 ご相談者のお気持ちを十分くみ取ってあげられなかったことに、後になって気づきました。

 結果的にはご葬儀まで日にちがありましたので、通常の2日間のご葬儀となり、しかもご自宅でゆっくりお別れができたご様子でしたので、ほっといたしましたが、当事者のお気持ちにどれだけ寄り添ってあげられたか・・・。
 修行不足を痛感いたしました。

 後ほど頂いたアンケートにはご葬儀を執り行った担当者にご相談者から感謝のお言葉が添えられていました。
「ご相談してすぐ葬儀になってしまいました。でも、お願いしたこと、ほぼ全て、理解していただき、私達の思っていた通りに行うことが出来ました」
 
 ベテラン担当者に脱帽です。
 その担当者から以前伺ったことを思い出しました。
 祭壇もお料理も重要ですが、1番は担当者の気持です・・・と。
 良いご葬儀だったと言って貰えるかどうかは、ご葬儀の始まる前に決まってしまうと。

葬儀社と梅の効用

 蒸し暑い季節になってきました。少し歩いただけでも汗が出てきます。寝苦しさも日々増してききています。不快状況が疲れをたまりやすくさせるという説があるかは知りませんが、(本)さんから、「梅シロップが出来たらあげますよ、クエン酸効果で疲労回復にもいいみたいですよ〜」とありがたいお言葉。 
 素直にありがたく受け取っています。間違っても、“クエン酸効果が必要なぐらい、疲れるまで仕事をしたら〜”という皮肉だとは思っていません。

 さておき、クエン酸は疲労回復にいい、同様に、○○は体にいい、△△は□□に効果がある——ダイエットに、若返らせるのに、脂肪燃焼に、冷え症に、便秘に、良い睡眠に、熱中症対策に・・・・というような話、自分が問題を抱えているなら、ほとんどの人が興味をもつことでしょう。まさに鉄板の話題、場合によっては時間もお金もどんどんつぎ込むことになります。

 最近の主流は、分析機器の発達などより極小な世界の分析を通して、原因らしきものを突き止めて、そこの部分を操作して解決を図るという感じでしょうか。単純化していうと、原因物質を突き詰めたので、これで問題は解決だ! 聞いたこともないような、聞いても覚えられないような物質名が次から次に出てきます。その大げさな物言いに違和感を感じるのと、バランス感のなさに危なささえ感じます。

 もっとも、多くが一過性の話題で終わっているところを見ると、現実に打ちのめされているということもできます。現実の人間の体が複雑怪奇でかつ精巧な統合体からなのかもしれません。

 裏返しに言うと、人が不安を持っているような分野において、極小の世界の単純化されたわかりやすいものは人の気を引けるということでもあります。

 ご推察の通り、葬儀社のPRでもっとも気を引けるのが、低価格一点張りPRです。これにのっかって現実に打ちのめされ痛い経験を持つ人が当センターに相談することが少なくないのですが、上記になぞらえて言いますと、葬儀は価格だけでは決まらないので、サービス内容、人材、設備、場所などの要素を加味したバランス感をもってみることは非常に大事だということになります。そう、これが、いい塩梅というものでしょう。