終活における葬儀の事前相談

 終活という言葉が浸透して、テレビなどでもよく目にするようになり、自分自身の葬儀について具体的に考える方が増えてきたように思います。

 当センターでも、「まだ先のことだけれど」と、ご自身の将来のご葬儀について、また、ご両親は現在お元気な状態ではあるけれど高齢なので…、などの長期にわたるご相談が増えてきました。

 現在のご要望や状況をおうかがいして、現時点でのご要望に適した葬儀社さんを紹介させていただいておりますが、その際には必ず、折を見て、お見積りやご要望についての見直しをしていただくようにお勧めしています。
 事前に依頼する葬儀社を決めておいて、万が一の際にはそこへ連絡をすればいいということを決めておくのは安心につながります。
 ただ、動きが激しい今の時代では、短いスパンで色々なものが変わっていく可能性が高いことから、葬儀を取り巻く状況も今後大きく変わっていくかもしれません。

 例えば、ここ数年の間に、家族葬を希望する方が急増しました。それに伴い、家族葬に適したサービスを提供する葬儀社や、小規模なご葬儀にも対応できる斎場なども増えてきました。また、家族葬という葬儀のかたちを理解する人が増えたことから、家族葬を希望する方にとっては、10年前よりもずっと利用しやすくなったのではないかと思います。

 当センターでも、よりよいサービスをご提供できるよう、更なる努力をしていますし、賛同葬儀社さんにおいても良いご葬儀ができるよう、また、ご依頼者の方が安心できるように努力をしています。

 今後数年で、また新しいサービスが生まれるかもしれませんし、良い葬儀社さんが増えれば、当センターに賛同してくださる葬儀社さんも増えていくかと思います。
 また、葬儀社さんが提出する事前のお見積書の有効期限はほとんどの社が1年間と設定しています。

 このようなことから、長期にわたるご相談の場合には、1年〜2年くらいのタイミングでの見直しをお勧めいたします。

写真を探すのが大変でした。

ご葬儀の立会いにうかがった際、式場に入ると、最初に目に入るのはいつも、祭壇の中央に飾られている遺影写真です。
ご遺族の方にお話しをうかがうと、「主人は写真を撮るのが趣味でしたが、撮るばかりで、自分が写っている写真はほとんどなくて、遺影にする写真を探すのが大変でした」や、「最近では写真を撮っていなかったので、ずいぶん前の写真ですが、やっと見つけてこれにしました」など、遺影写真にどれを選ぶかというのは、ご遺族にとってなかなか大変なことなのかもしれません。

先日、テレビを見ていて生前遺影写真を専門に撮影してくれる写真館があるということを知りました。
元気なときに、自分の一番いい姿を撮影してもらい、万一の時が来た際にはその写真を遺影写真にするというもの。
縁起でもないなどと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私個人としては「お願いしてみたい」と思いました。

私自身、写真を撮られることが苦手で、ここ十数年は撮るばかり。自分の写真でまともなものは、娘の七五三の時に写真館で撮ってもらったものくらいです。10年程前の写真なので、今ならまだ使っても大丈夫かなと思いますが、将来的にはさすがに・・・。
このような仕事をしているせいか、時折、自分の葬儀の時にはどの写真を使われるのだろうか…と心配になることがあります。心配になるくらい、写真がないということなのですが。

ちょうどいい機会なので、両親も引き連れて、一度その写真館におじゃましてみようかと本気で考えています。

バラの季節のご葬儀

5月はバラ の季節です。
 先週伺った横浜イングリッシュガーデンでは青空のもと甘い香りと見事に咲き誇ったバラの饗宴が見事でした。

 バラには高貴な方や有名人のお名前がつけられ、華やかな雰囲気をさらに盛り上げていました。
 中でもハリウッド女優・イングリッド・バーグマンの名が付いた真紅のバラにはしばし見とれていましたが、その色合いにふと数年前のご葬儀のことが思い出されました。

 奥様から最後に柩の中のご主人にささげた一本のお花はビロードのような真紅のバラでした。

 無宗教葬のご葬儀は彫刻家だったご主人のかつてのお仲間50人ほどが集い、柩を前にして、グラス片手に飲みながら食べながら、若かりしパリ時代の思い出話に花を咲かせ、時には柩を囲み故人様とじっくりお話しをされ、そこにはお仲間同士が共有する、ゆったりとした時間が流れていました。
 
 最後のお別れにはお一人お一人が白いバラを柩に手向け、白いバラで埋め尽くされた中に真紅のバラをそっと置かれたのが奥様でした。
 その鮮やかさは今でも目に焼きついています。

 このような自由な雰囲気の中でのご葬儀は故人様の職業柄もありますが、最近お受けしたご葬儀の中にも久しぶりにお見受けいたしました。

 やはりフリーの立場でお仕事をされていた方のご葬儀でしたが、後日お別れ会をされるとのことで、ご家族ご親族を中心に無宗教葬での1日葬をご希望されていらっしゃいましたが、古くからのお仲間が多数故人様との直接のお別れをご希望されましたので、通夜ではなく、お食事会の形でお越しいただいたのが、お仲間の皆様には大変好評だったようです。

 葬儀社の担当者の方は18時からの開式だけを段取りし、ご会葬の方々が順次故人様と面会をされ、献花をされた後は、式場に設けられたウエルカムドリンクコーナーにてドリンクサービスでお食事の準備が整うまでの40分ほどをゆっくりしていただき、お食事会ではご会葬の皆様が21時までの時間を有効に過ごされたとのこと。

 一日葬とはいえ、前日からの担当者の影の力は大きかったようです。
 形式的な儀式のご葬儀が多い中、お仲間をお見送りするという視点に立ったご葬儀となり、お見えいただいた方々からも大いに注目されたご葬儀だったと伺いました。

最新のものがいいとは限らない

 最近まで、事務所の電話回線の中に、1回線だけアナログがあったのですが、それをやめてすべて光回線に統合しました。

 アナログ回線は停電時も使えるというメリットがあります。ただ、今の電話機は留守番機能など色々な機能がついていて電気がないと使えないものが多いので、停電用に、電気がなくても通話できる電話機を別に用意しておかないといけません。
 ながいことアナログ1回線も保持してきましたが、代替手段やらコストのメリットを踏まえると光回線にしてもよさそうなので、そうしました。

 ともあれ、われわれ紹介センターや葬儀屋さんにとって電話は生命線でもあります。このため、多くの葬儀社さんにとって欠かせないのが転送という機能になります。24時間ひとつの固定電話の前にスタッフがいられるという状況がない場合は、転送という機能を利用することになります。他の場所の固定電話や携帯に転送するという感じです。

 固定電話への転送は問題ないのですが、携帯・スマホへの転送は気を遣うことになります。電波状況などが悪ければ、つながらず通話できないという状況も生まれてしまいますから。

 なので、携帯への転送を利用している葬儀屋さんは切実さがあるので、この場所は電波状況がよくないとか、このエリアはどのキャリアが通じやすいとか、この機種がいいとか、ダメだとか・・・などよく知っています。

 最近のホットな話題では、スマホ関連です。現状、スマホを転送先にするのはリスクがありますが、それでもそうせざるを得ない状況の時には、できるだけバッテリー消費を少なくさせて長持ちさせる方法はこうだとか、「圏外着信お知らせメール」を利用していれば最悪すぐ折り返し電話ができるとか、LTEはつながりにくいので(何のために高いお金を払ってLTEにしたのか分からなくなってしまいますが)常時3Gに設定しておくとか・・・・です。

 つい最新のものにつられてしまいますが、いい面ばかりではないところが面白いところです。

万が一の時には。

当センターでは、ご相談の際にお聞きしたご要望を、ご紹介する賛同葬儀社に伝えていますが、その際、センターから賛同葬儀社へ伝えるのは、ほとんどの場合、ご要望とお住まいの地域(例えば東京都ならば○○区くらいまで)とご相談者の方の名字くらいまでで、ご相談者様からの許可が無い限り、詳細な住所やフルネームなどの個人情報は伝えていません。 このことから、万一のことが起きて、ご相談者の方が依頼する葬儀社へ直接連絡をした際に、『どこから紹介されたのか』ということを伝えることは、スピーディーに対応してもらうためにとても有効な一言になります。 葬儀社では、事前相談を受け付ける窓口がいくつもある場合が多く、また、既に他社でご葬儀をされていても、連絡が無い場合には、ご葬儀がもう済んでいることを知らずにその時の事前相談の資料はそのままとっておいてあることも多いことと思います。 そのため、事前相談の資料はどんどん溜まってしまうので、どの事前相談だったのかを短時間で探すのが難しくなる場合もあるのではないでしょうか。 事前相談の資料の管理は各葬儀社さんでそれぞれわかりやすいように工夫をされていることでしょうけれど、緊急な状況の中で、名前を告げられただけでは、その中の1件を見つけるのは少し時間を要するのではないでしょうか。 そのような状況で、例えば当センターからの紹介の場合には『事前相談であさがおから紹介された』とお伝えいただければ、その1件を見つけることが容易になり、その時点で事前のご相談内容も確認できるので、対応もスムーズになると思うのです。 葬儀社のスムーズな対応は、大切な人が亡くなって動揺されているご依頼者の方にとって安心につながります。

第1のハードル

  「本当はこれからですが、まずは大きな安心を得ました」
 1つのハードルを抜け、ほっとされているご様子が手に取るようで、ご報告をいただいたこちらも思わずうなずき返してしまいました。

 当センターではホームページのご相談フォームにお問い合わせをいただくと、ご葬儀に関するご質問やご要望にお答えし、さらにご要望に見合ったセンターの賛同葬儀社さんから見積りをお取りして、賛同葬儀社さんのご紹介とともに見積りをお送りしております。
 しかしながら、概算のお見積りや葬儀社さんのホームページだけではご満足いただけない場合も出てきますので、お時間が許せば出来るだけ見積りをお送りした賛同葬儀社さんの担当者と、直にお会いしていただくことをお勧めしています。

 担当者と面談をされ、担当者の人となりもさることながら、さらに詳しく具体的な説明をお聞きになることで、場合によってはご葬儀内容の修正をされ、再度見積りをお作りになられる場合も出てきます。
 
 さらに、最近ではインターネットを中心に、様々なご葬儀の情報が飛び交い、必要に迫られて急いで資料を収集されたが、かえって混乱され、立ち往生の状態でご相談をされるケースも目立ってきているようです。
 冒頭の言葉はそんな経験をされた方からご相談フォームにお問い合わせをいただき、メールでのやりとりの後、ご紹介した3社の内、第1候補に選んだ葬儀社さんの担当者と面談をされ、信頼できると確信されて、その場でお決めになられた時のご報告でした。

 実際のご葬儀は1週間ほど先になりましたが、混沌とした闇の中からの一条の光は大きく、万が一の際のお気持ちの大きな手助けになられたようです。

 以前、アンケートをいただいたお手紙の中で、お父様のご逝去1週間前にためらいながらお電話でのご相談をされた方から、お母様と交代で病院に行くのが精一杯で非常に不安な時でしたが、「いつでもまたお電話をしてくださいとおっしゃっていただけた安心感が、あさがおさんにお任せする覚悟になりました。残りの数日は父を看取ることだけに気持ちを集中することができましたので、本当に相談させていただいて良かったと思います」とご報告いただいたことが思い出されます。

安心して任せられる葬儀社に依頼したい。

 最近、たて続けに「警察で検案中なのですが、葬儀社を決めておくようにと言われて…」というご相談を承りました。
 
 お身内の急なご逝去は、深い悲しみに、「突然」という状況での動揺が加わり、いきなり葬儀社を決めておくようにと言われても、どうしたらいいのかわからないというような状態でしょう。

 私自身も同じような経験をしていますが、葬儀社のことや、葬儀の知識があっても、いざ、自分がその状況に置かれたとき、冷静でいられたかと言えば、そうではなかったようです。
 その時は、気が張っていたというのもありますが、しっかりと状況は説明していたかと思います。しかし、今思うと、亡くなったという連絡が入ってから、遺体の搬送までの約1日の間、所々の記憶がありません。やはり、かなり動揺していたのだと思います。

 これが、普段葬儀には関心のない一般の方の場合にはなおさらのことでしょう。
 ご相談では、「何をお話ししたらいいのかもわからない」という状況でした。 

 このような場合には特にご遺族のメンタルな部分を支えながら、無事ご葬儀までを乗り切れるような葬儀社の担当者に出会うのは重要なことだと思います。

 いつ、どこで、どのような状況で亡くなるのかは誰にもわかりませんが、万が一のことが急に訪れたときに、安心して任せられる葬儀社に依頼したいというのはだれもが思うことでしょう。

 ご遺族の気持ちに寄り添って、きちんと進めてくれる葬儀社さんに出会うための近道として、当センターのような存在があることだけでも知っておいていただければと思います。

大型連休

 ゴールデンウィークも最終日になりました。今年のゴールデンウィークは、首都圏では天気にも恵まれて、気分良く過ごすことができました。
 
 私も2日間お休みをいただき、大混雑は覚悟のうえで1日目のお休みに、東京ディズニーシーに行ってきました。舞浜駅から見えたディズニーランドの入口はあふれんばかりの人で埋め尽くされている状況でしたが、シーの方はそこまで混雑することはなく、自分の行きたい方向には自由に進むことができるくらいの混雑度で、並ぶことに慣れている私たち母娘にとっては全く苦にならず、快適に過ごせました。
 一方、偶然、知り合いが同日にディズニーランドにいたそうなのですが、こちらの方は、入園制限はかからなかったものの、人の流れに乗らないと前に進むことができないくらいの大混雑だったそうです。

 お休み2日目は、友人と3月にオープンしたばかりの、丸の内KITTEに行ってきました。こちらは思った以上に大混雑していて、エスカレーターやエレベーターを利用するにも行列に並ばなくてはならないほど。ちょうどお昼時だったこともあり、飲食店も全て行列ができていました。
 KITTE内を一通り見て歩き、丸の内の他のビル内にあるレストランでランチをとることにしたのですが、東京駅を少し離れると、人の数もぐっと少なくなり、いつもの休日のオフィス街という雰囲気でした。

 普段の休日ではなかなか行こうと思わない首都圏の観光スポットですが、ゴールデンウィークなどの大型連休がかもしだす雰囲気は混雑するとわかっていても出かけたくなる気分にさせてくれるようです。

結婚式に出て、ご葬儀を考える

「富士山が見事です」の新幹線の車内アナウンスに慌てて眠い目を上げると、車窓から一望する富士山は青空をバックにきらきらと輝いていました。
 友人の娘さんの結婚式に向かう朝のことでした。

 披露宴会場に集合した一同は、花婿・花嫁さんを先頭に神前結婚式場の神社までお練をして行きました。
 白無垢の花嫁さんはとびきりの美人ときており、沿道を埋めた観光客も拍手と携帯カメラで祝福ムードいっぱいです。
 
 喧騒の中、神社に踏み入れ気が付くと、一転して静寂ムードに包まれていました。
 花嫁・花婿さんとご両親は神棚のある一段と高い位置からお客様をお迎えしています。

 
 やがて神前での結婚式が始まりました。
 祝詞奏上、三献の儀(三々九度)、神楽奉納、指輪交換の儀と進む中、静かな笙の音に聞き入っていると、仕事柄かいつしか神式のご葬儀の立会いにお伺いしたことが思い出され、ご葬儀の時との比較をしていました。

 結婚式とご葬儀は一見相反するようですが、冠婚葬祭という言葉があるように、昔から日本人にとって双方とも特別重要な儀式だったようです。

 そう言えば、各地にその名残がまだ残っており、お葬式の引出物と結婚式の引き出物が似ていたり、ご葬儀でのお食事もここぞとばかりにお料理を並べて、まるで門出を祝うかのようににぎにぎしく執り行われたりと、悲しみも喜びも同時進行のように行われてきています。

 神道でも新しい命を創る結婚と、役目を終えて神の世界へ帰っていくご葬儀は、双方ともおめでたいことと解釈され、永い一生の中でも最も重要視されている儀式との由。

 結婚式に出席して、ご葬儀という儀式を改めて考えるきっかけをいただきました。

 あれから3日後、富士山は世界遺産に登録される見通しとなりました。

 Congratulations on your wedding day

終活のお手伝いで気づいたこと。

 友人のお母様は80歳を超えていますが、ボーリングでもびっくりするようなスコアを出すとても元気なお母様です。
 しかし、どんなにお元気でもやはりご高齢。友人はお母様の万が一の時のために、終活のお手伝いをしているそうです。

 ちょうど一年前くらいに、お母様が希望している葬儀についての相談がありました。残念ながら、センターの対応地域ではないため、直接のお手伝いはできず、地域による習慣などもあると思うので、一般的なお話しかできませんでしたが、その後、近隣の葬儀社さんに問い合わせをしたりなど、積極的に動いているようです。お母様の身の回りや色々な問題について、一つ一つ、一緒に片付けていっているそうですが、何十年もの歴史があり、また、これからもまだまだ続いていくわけですから、なかなか簡単にはいかないようで。

 友人は、お母様のお手伝いをしていて、ふと、どんどん増えていく自分のコレクションについて考え始めました。
 これらは「あちらの世界」には持って行けない・・・
 老後にこれらを見ることはあるのだろうか・・・
 封も開けずに大切にとっておいて、将来使うことはあるのだろうか・・・

 まだまだしばらくは止められないとは思うけれど、いつかは断捨離しなくては、子供たちに迷惑がかかるかも…と考え始めたそうです。

 友人と私は同じ趣味を持つ仲間。私も彼女と同じようなものを同じくらい持っています。そしてこれからも同じくらい増えていくことでしょう・・。
 
 まだまだ先でいいけれど、お互い、どこかで一旦、よく考えましょう。