まるで自宅のような…。

 先日、ご葬儀の立会いに伺った際に、あわせて斎場の取材もさせていただきました。

 昨年末に一度訪れた斎場でしたが、その時は社葬で全館貸し切りだったため、普段とはまったく違う使い方だったので、今回改めて取材をさせていただいたのですが、昨年末におじゃました時に工事中だった家族葬用の式場も完成し、その日はその式場が空いていたので、係の方に詳しく案内していただきました。

 家族葬用のその斎場は、一軒家をまるごと斎場仕様に改築し、一階に式場・お清め所、2階は控室になっていました。
 宿泊にも対応していてバス・シャワーなどの設備が整っており、2階の控室はとても広く、2間あるのでご親族など人数が多くても対応できるようです。

 家の中は、とても広くてきれいに整っているので、案内をしてくれた係の方は、「広いでしょ、きれいだし、おしゃれな家だし、もう、ここに住みたいくらいだわ」と扉を開けるごとにおっしゃっていました。
 私も「なかなかこんなに広くてきれいな家には住めないですよね」と。

 たしかに、家の中にあるのは必要最低限なものだけ。祭壇を飾っていなければ斎場とは思えない雰囲気です。もちろん、常に整理されていて、清掃もきちんとされているわけですから、こんな家に住めたら…と憧れます。

 以前、賛同葬儀社さんの自社斎場で、マンションの一室を丸ごと再現し、まるで自宅にいるような雰囲気のなかで見送ることができる式場を拝見させていただいた時にも、モデルルームのような部屋で、「ここに住みたいくらいですね」と言ったのを思い出しました。

 もし私がその式場を利用したとしたら…
自宅とのギャップがあまりにも激しいので、葬儀が終わっても自宅に帰りたくなくなるかもしれない…。と、かすかには感じたのですが、他のご喪家に気をとられることなく、リラックスした雰囲気で見送ることができるので、そのご家族らしい温かい雰囲気のご葬儀ができるのでしょう。

これからもこのような斎場は増えていくのかもしれません。

思い出深いお見送りとは・・・。

淡いピンクの柩が女性のお弟子さん達の手により、霊柩車に運び込まれました。
 万雷の拍手の中、静かに霊柩車は動き出します。
 当方も思わず手を合わせ、気持ちの中でご一緒に拍手していました。

 岩波ホールで上映中のドキュメンタリー映画、「そしてAKIKOは・・・ 〜あるダンサーの肖像〜」のアキコ カンダさんの最後のお見送りのご出棺場面でした。

 羽田澄子監督演出の映画は、日本の著名なモダン・ダンサーのアキコ カンダさんが死の直前まで踊り続けた姿を克明にとらえ、ご自身の意思を貫き通した、率直なアキコさんの生き方は観る側に勇気を与え、最後のお見送りの拍手が全てを物語っているようにも思われ、そこにはさわやかな余韻さえ感じられました。

 ご会葬にお見えいただいた方々とって、永遠の別れとなる最後のお見送りは最も印象に残ることの1つです。

 今までご葬儀の立会いにお伺いした中でも、最後のお見送りの良し悪しで、ご葬儀の空気が一変するような場面にも出会いました。
 ご葬儀の時間が押してきて、時間に振り回されているようなご葬儀も時として見受けられますが、ほんの短い時間でも思い出深いお見送りをされる方もいらっしゃいます。

 かつての大学の相撲部の仲間が柩を囲みながら円陣を組んで、涙ながらに歌い踊ってのお見送りがありました。

 通夜の席でご親戚同士が反目し、故人様側だけのご葬儀・告別式になってしまったいきさつを知らされた会社の同僚の方々が、ご出棺の際、思いっきりの万歳を三唱され、重苦しい空気を一変させたお見送りもありました。

 故人様の愛唱歌を生演奏されたご葬儀では、病気を押してまでゴルフに熱中された故人様にちなみ、いつも見ていらしたゴルフ番組のテーマ曲でのご出棺となりました。

 また、故人様の遺言で越路吹雪のライブ盤が終始流れていたご葬儀では、一転してオキナワの「さとうきび畑」の歌が静かに流れる中でのご出棺となり、耳に残るリフレインされた歌声に、見上げた青空のまぶしさとが相まって、万感胸に迫るものを感じたお見送りになりました。

 最後のお別れのお花入れの儀から、喪主様のご会葬の方々へのご挨拶へと続き、霊柩車が動き出すまでのお時間の中、永遠の別れの最後を共有できるお見送りが理想ですが・・・。

歩数計

 健康のために「一日一万歩」とよく聞きますが、普段あまり歩かない私には、一万歩がどのくらいのものなのかよくわからず、少し気になったので、先日スマホの歩数計無料アプリをダウンロードして普段自分がどのくらい歩いているのか計測してみました。

 普段はデスクワークでほとんど歩くことがなく、いったいどのくらい歩いているのだろう、また、家事で稼いだ歩数は運動になっているのだろうか。
 先日の一日家にいた日の歩数は237歩。狭い家ではありますが、家の中で、けっこう動いたなと思った日だったので、この数字にはさすがに焦りました。

 翌日は斎場訪問を兼ねて賛同葬儀社さんの会社へおじゃまする日だったので、歩数を稼ぐチャンスの日。歩数計をセットして出掛けました。幸い(?)雨が降っていたので、普段自転車で移動する最寄駅までの道のりも徒歩。電車を乗り継いで、遠くまで行ったので、歩数はけっこう稼げたかも…と、家に帰って見てみると、朝から夕方まで行動していたにも関わらず、8762歩で1万歩には届かず。
 1万歩の壁は、私にとってかなり高いということにやっと気づきました。

 自分で思う「だいたいこれくらい」という感覚が全くあてにならないこともわかったので、歩数計アプリに頼って、これから少しずつ歩数を増やす努力をしてみようと思いました。
 

 暑くなるまでの期間ですが…。

山の上の火葬場

 先日、親戚の葬儀に参列しました。
親戚たちは各方面から葬儀場にかけつけ、久しぶりに会う身内は近況を報告し合っています。故人の思い出話しにも花が咲き、家族葬ならではの、くつろいだ感のある葬儀でした。

首都圏から少しだけ離れた場所だったのですが、告別式が終わり、マイクロバスで火葬場へ。
山に入り、上の方まで登ったあたりだったでしょうか、火葬場は山の中にポツンとありました。おそらく、火葬場に用がある人以外はここまで来ないのではないかと思うような場所です。

駐車場に入り、すぐにある建物の正面にはいきなり火葬炉があります。そこで故人と最期のお別れをするのですが、2つある火葬炉の扉は外からはまる見えの状態です。
火葬は東京の火葬場より時間がかります。休憩室では親戚たちがまた思い出話しをして懐かしみ、こういう時間をゆっくりとれるのもいいものだと思いました。

火葬が済み、収骨の時間です。別室の収骨室などは無く、収骨も外から丸見えの火葬炉の前でした。遺骨が乗っている台はまだ熱く、近づくのも大変なくらいでしたが、火夫さんがゆっくりと遺骨の説明をしてくれました。(つい、夏場は大変そうだなと思ってしまいました)

私たちが収骨していると、他家の方が休憩で散歩をしている姿と出くわしました。先方は気まずそうな顔をして、会釈をしてまた建物の中に入って行きましたが、きっとここではこういうことはよくあることなのでしょう。

都会の設備が整った火葬場を使うのは、安心感があり、時間も短く、忙しい私たちにはよいのもしれませんが、山の中の自然に囲まれた火葬場でゆっくりと最期のお別れができたのは、私にとってよい経験でした。

女性の先駆者の終活はいかに・・・。

梅雨の季節、鎌倉駅前はカラフルな傘のオンパレードです。

 世界遺産への落選騒動からか普段のおば様達のかしましい声に交じり、外国からのお客様も目立ち始め、駅中のテンションはさらにエスカレートしているようです。
 駅に降り立った人は皆一様にこのテンションに巻き込まれ、雑踏の中でも笑顔がはじけ、他の駅では見られない一味違う空気を楽しんでいるようにも思われます。

 その雑踏に身をおく当方も元気を貰いに月に一度の鎌倉詣でをしています。
 詣で先の料理教室では人生の大先輩達とも肩を並べてお味見にいそしんでいます。

 大先輩達は働く女性の先駆者で日本初の何々の肩書きを持つような方々ですが、ことお料理に関しては対等です。
 仕事を離れた天真爛漫な姿を見ているだけで1ヶ月分の元気をいただいております。

 その先輩達は永年お仕事に没頭され、今なお現役で続けておられますが、ご高齢でお1人住まいの方も多く、これから立ち向かう問題も様々な方向から出てくるでしょうが、これまで築いてきた、年齢に負けない精神力とパワフルさで、一つひとつをクリアして行く様をお手本として見せていただけるのではと期待しています。

 そして人生最後のエンディングをどのようにまとめていかれるのか

 終活という言葉がマスコミで取り上げられ、早3年。
 まだまだ現実的には話題先行型ですが、先輩はどんな終活を実行されるのか。

 お料理を介してお会いできた人生の先輩のこれからに注目していきたいと思います。

 先輩、よろしくお願いいたします!

自己流解釈にはやはり限界が

 先週、法務局で登記を行ってきました。NPOも登記が必要な法人なので、2年ごとに理事の任期が終わるごとに、登記し直していく必要があります。

 10年ほど前に設立した当時は、登記するにしても登記の仕方の情報があまりなかったので、素人の人が登記に苦労した話をインターネットで集めて参考にし、書類を作成して法務局に何回か足を運んだりしました。たしか2回ぐらいダメ出しをうけたような記憶がありますが、相談しても、ここは素人がくるようなところじゃない、ぐらいの感じで、そっけない対応されたのを思い出します。
 
 NPOだからか、NPOは外部の専門家に登記を頼まない場合が多いのかわかりませんが、いまは、いたって親切な対応で教えてくれます。対応が親切なだけでなく、法務省のホームページでは、登記の仕方や書類の書き方、どんな書類が必要なのかまで、詳しく見ることができます。

 今回は、このホームページを参考に資料をそろえ、1回でけりをつけるべく臨んだのですが、ダメ出しをされて、結局2回行く羽目になりました。
 実は昨年4月に、NPO法が改正されて、代表権を有しない理事について代表権喪失の登記をしなければいけませんでした(6か月以内に。すみません、やってませんでした)。
 代表権喪失登記と、2年に一回の登記も一緒にやってしまえ、と虫のいいやり方で臨んだ結果、ダメ出しを受けた次第です。自己流解釈のどこがダメだったのか、順をおって説明してもらったので、何となく登記の論理みたいなものを微かに感じ取った気がしました。よい経験でした。

気分転換

 昨日は月2回のペースで通っている趣味のキルト教室の日でした。
教室でいつもお世話になっている先輩は、ここ数カ月、体調が悪く下を向いて細かい作業をすることができない状態なのですが、昨日も教室をお休みすることなく、体調が悪くても楽しみのひとつとして通っているそうです。

 そんな先輩のために先生は、根を詰めなくても手軽ですぐに出来上がるミシンで作る小物を教えているのですが、それもなかなか楽しそう。
 キルトのように一つの作品を長い時間、手間暇をかけて作るものとはまた違った、出来上がった達成感をすぐに体験できるのがいいようです。

 先輩は、一年ほど前に自宅でミシンを買ったと言っていたのですが、ミシンを使うのが苦手だったり、やり始めることが億劫だったりで、買った時のままずっと箱から出さずにしまいこんでいたとか。
 今回、簡単に作れる小物を覚えたことで、そのミシンはやっと陽の目を見ることができ、空いた時間で気軽に小物作りを楽しんでいるそうです。家族やお友達へのプレゼントにして、喜ばれているとのことで、生地を買うのが追いつかないくらいだと言っていました。

 自分が苦手だと思っていることは、なかなか始めることができず、できることならやりたくないと思いがちですが、なにかのきっかけで、逆にどっぷりとはまり込んでしまうこともあるんだな、と思いました。
 私も隣でレシピを盗み聞きしていたので、気分転換にひとつ、作ってみようかなと思います。

担当者のご奉仕精神

 早朝、昨夕お身内の方が亡くなられたので、葬儀社さんをご紹介いただけますかとのお電話を受けました。

 ご自宅でのご逝去の後、地元の葬儀社さんに連絡をされ、ご葬儀の打ち合わせに入りましたが、ご喪家の意に添わずキャンセルをされてのご相談とのことでした。

 葬儀・告別式はやらずに火葬のみにてご家族・ご友人10名ほどでお見送りをされたい等のご希望を伺っていくうちに、ご要望にぴったりの担当者が思い浮かび、早速ご紹介をさせていただきました。

 故人様のご自宅からも比較的近く、面倒見の良い女性の方でベテランの担当者です。

 数時間後、担当者からは打ち合わせもスムースにいきましたとの報告を受け、後を安心してお任せすることにいたしました。

 火葬場が混み合い、3日後に荼毘にふされましたが、後ほどご喪家からご回答いただいたアンケートでは、ご要望にスムースにお答えいただき、対応が丁寧で細かいところに気付いてくださったと葬儀担当者へのお褒めの言葉が連なっておりました。
 
 早速担当者にアンケートを伝え、具体的な話を伺うと、かなり手間隙掛けご奉仕された様子が伺えました。
 当初の見積りではお別れにお見えになられる方は火葬場に直接お集まりいただき、その場でのお別れとなる火葬式でしたが、ご会葬者5名様がご自宅にお見えになられ、こちらでご対面をされてのお別れとなり、お別れのお花入れの儀もご自宅でされることになりました。

 ご出棺の準備やお客様をお迎えしてのお花入れの準備に加え、お柩を運び出すスペースの問題が発覚し、ご自宅の玄関からでは無理との判断で、窓から出す運びとなり、窓脇にある植木鉢を移動させ、スタッフ2名の手を借りながらの作業となってしまったとの由。
 
 それでも担当者は、火葬式でのご契約で頂きましたので、当初の見積通りですとおっしゃっています。
 
 ご喪家の立場に立ち、臨機応変に対応される葬儀社さんの心意気が感じられたお見送りの1例です。

お参りに行きやすい距離

 数年前、私の実家から自転車で行ける距離のところに新しく室内霊園ができました。

 当時、石材屋さんの営業の方からパンフレットをもらったときには「綺麗な霊園ができた」くらいにしか思わなかったのですが、それから数年経った今、見学に行ってみようかという気になっています。

 私の実家のお墓は、自然に囲まれた霊園墓地にあります。私が幼少のころ、祖母が亡くなったのをきっかけに、父が購入しました。
 それを機に、奈良の田舎のお墓に納骨してあった祖父の遺骨もその霊園に引っ越してきました。

 その霊園の周りは、山あり川あり、それはそれは自然を満喫できる場所にあるので、いつもお弁当を持って出かけ、子供だった私たち姉妹にとってはレジャーの感覚のお墓参りでしたが、家から霊園までは車で約2時間。近隣にも大きな霊園があるので、お彼岸時期には渋滞に巻き込まれ、更に時間がかかります。
 今になって、父に何故そこにお墓を買ったのかと聞いてみると、父にとってもレジャー感覚でお墓参りに行ける場所だったからとのこと。
 子供たちが大人になって家を出た今、高齢の父母が2人でお参りに行くのは、やはり遠く感じるそうです。

 15年ほど前までは、2カ月に1回ほどのペースでお参りに行っていましたが、ここ数年は、年に3回、2回のお彼岸とお盆だけになってきたそうで、昨年にはついに春のお彼岸しか行けなかったとか。
 両親も高齢になり、父の運転も心配になってきたので、あまり顔を出せなくなっても、きっと祖父母は許してくれるでしょう。

 そんな矢先、先日、地元の郵便局で例の室内霊園のパンフレットが置いてあるのが目に入りました。
 持ち帰って、今度はじっくり読みました。

 祖父にとっては2度目の改葬になるので、「落ち着かない」と、怒られそうですが、きっと年に数回しか行けないレジャー感覚のお参りよりも、お散歩感覚でまめにお参りしにきてもらったほうがいいのでは?と、遺された者の勝手な解釈で、お引越しの方向で話が進みはじめました。

ご相談はできるだけお早めに・・・。

先日、早朝、圏外の関西の方からお電話をいただきました。
 「関西にも当センターのようなところはないか」とのご質問でした。
 インターネットで調べ、NPOであることをたよりにお電話をされたご様子です。

 お身内の方が病院でお亡くなりになり、病院で紹介された葬儀社さんの手ですでにご自宅に搬送済みですが、当初聞かされた搬送代よりもかなり割り増しになり、なによりも担当者の高圧的な態度に不信感をつのらせ、今のところは1回ごとのドライアイスの取替えだけをお願いしているとのこと。

 その間にもインターネットをたよりにご希望の葬儀社を探していらっしゃいましたが、調べれば調べるほど何を基準に選べばよいのか迷い、焦りを感じてのご相談とのことです。

 格安のご葬儀を掲げ、全国ネットでご紹介している紹介所にお問い合わせすると、1番近い葬儀社さんとして、かなり離れた他市の葬儀社さんをご紹介いただいたが、お伺いできる範囲と言われてどうしたものか。
 確かに近くには葬儀社が見当たらないようですが・・・。
 他にはNPOを掲げてご葬儀関連の会もあるが葬儀社のご紹介もしていただけるのか否か。疑問は膨らむばかりと・・・・。

 その上、故人様は生前に献体を希望されていらっしゃったので、病院にその旨連絡を取ってみたところ、ご返事は翌日の夕方以降になると言われ、さらに困惑の度合いが深まってしまったようです。

 お話をお伺いして、まずはご自宅にご安置の状態なので、ドライアイスはそのままお願いされ、その間にご紹介いただいた葬儀社さんやご相談者が注目された葬儀社さんから見積りを早急にお取りになり、さらに葬儀担当者からも具体的なお話をお伺いした上で、献体も視野に入れてお決めになられてはと提案いたしました。

 格安をうたっているが、どこまで含まれている費用なのか。
 火葬一式幾らの場合には何が含まれ、何がオプションとなっているか。
 また、火葬場への搬送代は、写真代は、柩に入れるお花代は等を確認される必要もあります。

 少しでもご納得のいくご葬儀をしてほしい。
 やり直しは利かないのだから。
 これがご相談をお受けした者の偽らざる気持ちです。

 先ほど、少し席を外している間にスタッフが連絡を受けたそうです。
 「ご心配をおかけしましたが、ご葬儀は無事おわりましたので、よろしくお伝えください」と。
 今、少しほっとしています。