好きな花に囲まれたい。

 花の多い季節です。買い物などで外を歩いていると、ときどきお散歩中の保育園児たちと遭遇するのですが、先日、道端や緑道に咲いている花を見つけては足を止めてしまい、先生に「おーい、歩いてくださーい。」と促されている光景を見かけました。きれいな花は、小さな子供たちの好奇心も引きよせてしまうようです。

 先日の事前相談で、ご相談者の方は、「母は花が好きなので生花祭壇にしたいと思っています」とおっしゃっていました。
 
 生花祭壇をご希望される方が増えていると感じていますが、それに伴い、生花祭壇にちからを入れている葬儀社さんも増えてきたように思います。
 祭壇のデザインは各社、オリジナルのもので、お花の種類や色はご遺族のご希望により選ばせてもらえたり、花の数を増やしてボリュームを出したり、逆に減らしてこぢんまりと作ってもらったり…。
 中には、予算に合わせてご遺族のご要望を織り込みながら祭壇をつくってくれる柔軟性に富んだ葬儀社さんもあります。

 以前、葬儀業界のイベントに行った時、某有名華道家の方がデザインした生花祭壇が展示されているのを拝見しました。
 それはそれは、ため息が出るほどの美しさで、厳粛な中にも圧倒されるような迫力もあり、「さすがだな〜」と思いましたが、これはいったいおいくらなのか…??と、つい下世話なことを考えてしまいました。
 
 私の知り合いの方は、よく、自分の葬儀の時には南国の花でいっぱいにしたいと言っています。何十年も先のことでしょうけれど、きっと華やかなご葬儀になることでしょう。

 生花祭壇は、その方のためだけに造られた祭壇です。生花祭壇を選ぶ際には、好きな花、好きな色などをリクエストしてみるといいかもしれません。

お1人様の孤独死対策は・・・。

 先週の鎌倉駅はウィークデイのお昼前にもかかわらず、相変わらずの観光客でごった返し、暫し足止めをされるほどでした。

 鎌倉・鶴岡八幡宮の参道の段蔓は桜の季節が過ぎ早くもつつじの最盛期を迎えようとしています。
 周りの山々は新緑のグラデーションが最も美しく輝く季節になりました。
 坂道を曲がった所定の位置まで来ると、今年も初めてうぐいすの「ホーホケキョ」の声が出迎えてくれました。

 月1回通う山の中腹にある料理教室では、昨年暮れに足を骨折された先輩と4ヶ月ぶりにお会いできました。
 80歳をとうに超えたお歳なので心配しておりましたが、すでに仕事を再開し、以前と同じように全国各地を飛び回り、趣味の陶芸教室の展覧会用作品作りをお話されているご様子にはただただ脱帽です。

 しかしながら、世の中元気な方ばかりとは限りません。
 教室でのお食事の後、皆さんとのおしゃべりの中で、団塊世代の1人住まいの方のお話にはどきっとさせられました。
 私も存じ上げている方のことでしたが、すでにご両親は他界され、お1人いらっしゃった妹さんにも先立たれ、身寄りは甥御さんがお1人だけ。
 定年で退職されたがお体が弱く、万が一を想定し、親しい友人に毎日メールをされ、5日メールが来なかったら甥御さんに連絡を頼むとの約束をされているとのこと。

 昨年来、新聞紙上を賑わせている「孤独死」もどこか他人事のようにまだまだと思っていましたが、年齢に関係なく突然襲ってくるかもしれない事態に、対策を打たねばと急に不安になってきました。
 紙上の悲惨な状況のルポは都会で一人暮らしをされている方にとってある意味紙一重かもしれません。
 お食事中に亡くなられ、3ヵ月後に別居されていた娘さんに発見された方のルポが載っていました。
 新聞や郵便受けがたまっていても、見てみぬふりで済ませている場合が多いと伺います。

 周りを見渡すと、定年後の方、フリーでお仕事をされている方でお1人住まいの方が何人かいらっしゃいます。
 皆さんはどんな対策をされていらっしゃるのでしょうか。
 取り急ぎ、まずは実家へのシグナルを考えなければ・・・。

 お料理教室の帰り、健脚の先輩にあおられながら、坂道をゆっくり1時間ほどかけて鎌倉駅に到着しました。
 ちなみに先輩はよく気が利く妹さんとお二人暮らしとの由。
 新緑の中、自信に満ちた先輩のお顔を見ているとまだまだ大丈夫と安心感も倍増してきます。

 鎌倉駅は中高年の女性客で、午前中よりもさらにごった返していました。
 皆さんとにかくお元気なご様子でした。

葬儀社の広告に追いかけられる

 検索窓に、たとえば、「あさがおそ」と入力していくと、窓の下に、「あさがお葬儀社紹介センター」など、自動的に関連する言葉を表してくれます。だいたい全部の文字を打ち込む前に、予測されてしまう感じです。たいへん便利です。予測表示機能と呼ばれるものです。
 とくに、ありがたいのは、携帯・スマホでの検索です。文字を入力するのは骨が折れますから。

 この予測表示機能、困った問題を引き起こしていることを数日前の新聞記事で知りました。ある日本人男性の場合、グーグルでその男性の実名を検索しようとすると、犯罪を連想させる単語が自動表示される事態になっていたというのです。裁判で争われた結果、東京地裁の判決は、「(男性に関する)違法な投稿記事を容易に閲覧しやすい状況をつくり出した」とし、プライバシー侵害と名誉毀損を認定し、「権利侵害が拡大する恐れがある」として表示差し止めをグーグルに命じました。

 玉石混交のありあまる情報の中、欲しい情報に効率よくたどり着けるように、あの手この手でサポートしてくれるのはありがたいですが、たしかに、自分の情報を自分でコントロールできない不気味さを感じさせます。

 と同時に、たどり着かされてしまうよう感じになってきているのも不気味です。こんなことはないでしょうか?
 見る人の多い、ソーシャルサイトや口コミサイト、価格比較サイト、料理サイト、ブログ、ニュースサイト・・・、どのサイトを見ても同じ広告が載っている。しかも、以前に関心があって見ていた商品やサービスの広告です。広告文も自分に向けたかのようになっています。

 一昔前のネット広告は、サイトの内容と合うような広告がメインだったのですが、今は、見る人の関心に基づいての広告配信も可能になってきています。まさに広告に追いかけられる状況になっています。
(葬儀社さんのサイトをしょっちゅうチェックしていると、どのサイトを見ていても葬儀社さんの広告に追いかけられるなんてこともあります)

 不気味さもさることながら、個人的には、目的だけ達して即PCを閉じたいのに、いつのまにか広告にのせられて、そのサイトに入ってしまい時間が費やされてしまうは本当かなわないと思っています。

ご自宅安置が無理な場合でも。

 病院など、ご自宅以外でお亡くなりになった場合、最初に決めなくてはならないのが「どこにご安置するか」ということです。寝台車がお迎えに行き、ご安置の場所までお連れするのですが、ご自宅以外にという場合はご安置できるところに預けなければなりません。

 様々なご家庭の事情などから、ご自宅ではご安置が難しいという方は多い現状ですが、事前のご相談などで耳にするのは、「長い間入院していてずっと家に帰っていないので、せめて一度は自宅に帰してあげたいけれど、葬儀の日までずっとというのは難しいかもしれない」、また、「自宅に帰してあげたい気持ちはやまやまだけれど、現実的には無理なので」などというご家族のお気持ちです。

 ご葬儀までの待機日数が長引く場合、一度ご自宅にご安置し、後日安置所に移動することは可能です。 
 また、ご自宅でのご安置が無理な場合、例えばご安置所に向かう途中にご自宅の前を通ってもらうなどのこともできるので、このようなことができただけでも、ご家族のお気持ちは幾分か落ちつかれるのではないでしょうか。

最近では、ご安置について力を入れているところも増えてきました。
夜間などの時間制限はあるものの、一部屋貸切で、ゆっくり付き添っていただけるような設備を整えているところなどもあり、直葬(火葬のみ)などの場合には、その部屋で簡単なお別れなどができたりもします。

ご葬儀までの数日間ではありますが、故人様とどのように過ごしたいかによってご安置する場所がかわってくることもありますので、何かご要望がある場合には事前にご相談されることをお勧めします。

電話でのご相談について・・・。

センターのスタッフとして参加し始めた頃、夜半に1本の電話を取りました。
 「友人が自殺して・・・。葬儀社をどうやって手配すれば・・・」電話口からの切羽詰った声に、受けた私の方が絶句してしまった空白時間を今でも時々思い出します。
 活字の上でお目にかかる言葉としてとらえていた「自殺」の文字が突然受話器の向こうから緊迫感を持って聞こえ、ご相談の重大さを肌で感じた第1歩でした。

 当センターでは電話とセンターのホームページのご相談フォームを通してメールでのやり取りのご相談を承っております。
 電話をいただくご相談者の多くはセンターのホームページをご覧になられ、メールではなく、事後相談のみならず事前相談も、お電話で直接お尋ねされる方を多くお見受けいたします。

 先月お電話をいただいたご相談者の中に、入院中のお父様のことで、「あと数日が山場。ご準備をされた方が」とお医者様から言われ、インターネットであちこち検索されたが、あまりに多い情報にかえって分からなくなり、まずは信頼できるところでご相談をと、センターにご葬儀についてお尋ねされた方がいらっしゃいました。

 お父様の後を継いでお仕事をされ、お忙しい中でのご相談に、お声のやりとりからかなりお疲れのご様子が伺われました。
 ご紹介した葬儀社さんの担当者とご面談をされ、さらに詳しい内容を伺い、見積りの変更をされた直後、お父様が急変され、息つく暇なくご葬儀準備へと緊張は続きます。

 永年のお父様の業績に対し、それなりのご葬儀をしてさしあげたいとのご要望に、葬儀社の担当者もお答えし、ご相談者も大変ご満足のいくご葬儀となったご様子で、ご葬儀後のお忙しい中、早速のご報告をいただきました。
 
 開口一番お礼をおっしゃったお声が、一瞬別の方かと思うほど穏やかで、お聞きしている当方もご葬儀のご報告にもかかわらずほっと安堵いたしました。

 受話器の向こうから聞こえてくるご相談者のお声をどれだけくみ取り、ご不安なお気持ちをどれだけ解消できるのかスタッフの対応ひとつにかかっているように思われます。
 心して行かなければ・・・。

ご葬儀を終えると。

 陽気はすっかり春になりました。
 首都圏の桜は少しフライング気味に花を咲かせましたが、開花中にやってきた強風や豪雨のせいで早々に散ってしまい、週末の悪天候も手伝って、お花見のチャンスを逃してしまった方も多かったのではないでしょうか。

 この時期は季節の変わり目で、気温の変化も激しいことから、普段健康な人でも体調などを崩しがちなのですが、ご葬儀をされるご喪家の方は、日常とはかけ離れた時間を数日間過ごすことになり、心労なども加わりますので、くれぐれも体調管理に注意していただきたいと思います。

 ご葬儀の後、特に、火葬を終えて精進落しのお食事を召し上がるころ(地域によっては火葬中に精進落しのお食事を召し上がりますが)あたりから、張り詰めていた緊張の糸が緩み始めるようです。
 ご葬儀が終わったと同時に緊張の糸が切れてしまわれたようで、いきなり体調を崩してしまい、家に帰る前にころんで大ケガをされた方がいらっしゃったと聞いたことがあります。

 ご葬儀の立会いでお話しをさせていただいたときに、悲しい気持ちを抑えて気丈に振舞われていたり、ご会葬に来られた方の対応に追われていたりしているご様子を見ていると、ふと心配になってしまうことがあります。

 先日立ち合わせていただいたご葬儀では、ご依頼者の方はご相談の当初からご会葬に来られる方への配慮を第一にお考えになっていました。
ご相談はご子息とのやりとりでしたが、喪主をお努めになったのはお母様でした。長年連れ添ったご主人に先立たれ、とても悲しいお気持ちだったことと思いますが、ご葬儀ではご親戚やご会葬に来られた方に、終始とても明るく接していらっしゃっていたお姿を見て少し心配になり、ご出棺前にあいさつに来て下さったご子息にひとこと伝えさせていただきました。

ご葬儀では準備の期間を含めて数日の間、慌ただしい日が続き、なかなか思うように睡眠をとることもできない状況になることもあるかと思いますが、身体を横にするだけでもずいぶん休まる聞いたことがあります。
特にご葬儀で喪主をお努めになり、対応に追われる立場にある方は、是非少しずつでも時間を見つけて身体を休めていただければと思います。

慣れ。

 先日、立ち合いに伺えなかった2カ月ほど前のご葬儀の内容について、その時の担当葬儀社からお話しを聞くことがありました。
 2カ月も前の話しなので、その後も数多くのご葬儀を施行されていることでしょうし、記憶も薄れているでしょうから、詳しい話しは聞けないかもしれないと思っていたのですが、担当者は「よく覚えていますよ」と言われ、私からの質問について事細かに回答をしてくださいました。

 仏式のご葬儀などでは、ご会葬者の方は受付を済ませ、お経を聞き、御焼香、(通夜では)お清め、(告別式では)ご出棺、などとご葬儀で行う儀式の流れはほぼ決まっているので、ご会葬で葬儀に参列された方には、どのご葬儀も「同じ」と受け取られる方も多いことでしょう。

 これは、葬儀社側にも言えることです。ほぼ流れが決まっているということは、何度も同じようなご葬儀を施行しているということになり、そこには「慣れ」が生じてきます。
 ご葬儀は、ご喪家にとって大切な人との最後のお別れの儀式であり、特別なもの。流れは同じように感じても、その内容はひとつとして同じものはありません。
 しかし、この「慣れ」がよくない方向に向いている葬儀社は、ご葬儀の打ち合わせからご葬儀が終わるまでを葬儀社主導の『流れ作業』で済ませてしまうこともあるようです。
 逆に、「慣れ」が良い方向に向いている葬儀社は、ご喪家の不安に向き合う余裕があり、ご要望をきちんと聞き入れることができるので、ご喪家にとっては頼もしく感じることができ、それらが結果としてご喪家の満足のいくご葬儀につながるのだと思います。

 2カ月前のご葬儀のことを細かくお話しができるということは、その時にきちんとご喪家と向き合って対応してくれていた証だと思いました。

人の心を明るくする春のお花は・・・。

 朝日新聞・天声人語を見ると4月2日は詩人で彫刻家の高村光太郎の命日でレンギョウのお花の名を貰った「連翹忌」と記されていました。
 生前レンギョウの花を好み、光太郎のご葬儀では柩の上に一枝のレンギョウの花が置かれたことに由来するとも言われています。

 東京の桜はここ数日間の雨であっという間に葉桜になってしまいましたが、この季節、桜に負けじと鮮やかさを誇るお花にこのレンギョウがあります。

 二昔ほど前、ご縁があって全国各地の尼寺にお伺いした時期がありました。
 奈良の尼寺にお伺いした折、春の柔らかな日差しを浴びて、あたり一面に咲き誇っていたレンギョウの花を見ていると、不思議な夢心地で幸せな気分に浸っているように感じられました。

 先月ご葬儀で立会いにお伺いした無宗教葬でのお別れ会では、故人様が臨死体験をされた際に見られたお花畑をイメージした祭壇が設けられ、色とりどりの春のお花が柩を囲んで植えられていました。

 お花畑を見ていると、なぜかその昔奈良で見たレンギョウの花が思い出されました。

 お花に囲まれた故人様のお気持ちはいかほどだったでしょうか。

 お花畑の小道を行くと柩の故人様とご対面ができる粋な計らいの祭壇は、葬儀社の担当者のこだわりの一品でもありました。

 ご喪家からのご注文はお花畑のイメージだけでしたが、担当者はお話をお伺いしていく内に以前お住みになっていたご自宅前の公園の桜が見事で、会社の方をお呼びしてはお花見をされていたご様子を伺い、お花畑の周りに桜の木に見立てた枝を配して、春爛漫のお花畑の演出を試みたとのこと。
 最後のお花入れの儀ではその満開の桜の枝とワンパックの日本酒を柩にご家族の手で納められました。
 あちらでゆっくりお花見ができましたでしょうか。

 柩はお花畑からの旅立ちになりましたが、春爛漫のお花畑にたたずんだご会葬の皆様もこころなしか明るくお見送りされた模様です。
 春のお花は明るく内に秘めた力も強く、人の心を和ませ幸せな気分にしてくれるようですね。

斎場の規模

 家族葬を希望される方が増えていると同時に、家族葬を対象とした式場を用意している斎場も増えてきました。
 葬儀社さんの自社斎場など、最初からこじんまりした家族葬を対象とした斎場を作っていたり、また、古くからある斎場でも、費用を抑えた小規模の斎場を増設したり、今までの式場を分割して使えるようにしたりなど、少人数のご葬儀を要望される方にとってはとてもよい環境になってきたと思います。

 先日ご葬儀の立会いで伺った斎場は、交通の便が良くて格式も高く、社葬規模のご葬儀でもよく利用される斎場ですが、奥にある第二斎場と呼ばれる建物は家族葬用の斎場にリニューアルされ、小規模のご葬儀でも利用できるようになっていました。家族・親族だけではあるけれど、格式は重んじたいと考える方にはとても適した斎場になると思います。

 また、訪問させていただいた葬儀社さんの会館では、自社の斎場を家族葬限定というかたちで、ご家族のみでゆったり、リラックスできるようにと、マンションの一室を丸ごと再現し、LDKの部分でご葬儀、お部屋の部分を控室などのくつろぐスペースに、冷蔵庫や電子レンジも完備してあり、そのまま生活ができる状態の式場を用意されているところもありました。

 どのような斎場を選ぶのかという選択は、希望のご葬儀を行うための条件として大きな部分を占めると思います。ご自身やご家族が希望しているようなご葬儀ができる斎場を利用できる環境にあるのはありがたいことだと思いました。

 私もいろいろな斎場を訪問させていただいていますが、自分が住んでいる地域にもこんな斎場があったらいいのにな…など、うらやましく思ったりすることもあります。

不満を残さないためには。

 この数日間の問い合わせの中で、「葬儀社なんてどこも同じじゃないの?電話帳みて近いところを選べばいいじゃない」というお話しを2件、立て続けにお聞きしました。

 お話しを伺うと、ご葬儀は既に終えられていて、依頼した葬儀社に対して疑問を持ち、当センターに問い合わせをしてみたとのことで、「こんなことは普通あることなのか?」というようなお問い合わせでした。
少し詳しくお聞きすると、「費用が高いと思うが、これは正当な値段なのか」とか「故人に対しての扱い方がひどかった」など、事前に少しでも知識があれば避けられたかもしれないことでした。

 費用が正当だったのかどうかは、打ち合わせや見積などの段階で、担当者がきちんと説明をしなかったのか、説明をされても、ご遺族の方がうまく理解できない状況の中で話しが進められてしまったのかなど、いろいろな状況が考えられることです。
 故人様に対しての扱いについては、後で「こんなことをされた」と訴えたとしても、それは当事者でないとわからないことであり、証拠などが無い限り、後になって解決するのは難しいことです。

 「葬儀社なんてどこも同じ」とおっしゃっていたくらいなので、事前に相談するつもりはなかったというご様子でした。事前に相談できるということをご存じなかったのかもしれません。どちらにしても、依頼した葬儀社に対して大きな不満が残るご葬儀だったということは残念でなりません。

 なんでも実際に経験してみることはそれなりに意味のあることなのかもしれませんが、葬儀については人生の中であまり何度も経験するということではなく、また、その故人様をお送りするのは一度きりのことです。

 ご葬儀を終えて落ち着いた頃、納得できない気持ちが出てきても、やり直しができないのがご葬儀です。
 事前に相談してみること、また相談するという気にはならなくても、事前に少しだけでも調べておくことによって避けられるトラブルは沢山あるということをもっと多くの方に気づいてもらえればと強く感じたと同時に、私たちも、もっと広く発信していかなくてはいけないと思いました。