慣れ。

 先日、立ち合いに伺えなかった2カ月ほど前のご葬儀の内容について、その時の担当葬儀社からお話しを聞くことがありました。
 2カ月も前の話しなので、その後も数多くのご葬儀を施行されていることでしょうし、記憶も薄れているでしょうから、詳しい話しは聞けないかもしれないと思っていたのですが、担当者は「よく覚えていますよ」と言われ、私からの質問について事細かに回答をしてくださいました。

 仏式のご葬儀などでは、ご会葬者の方は受付を済ませ、お経を聞き、御焼香、(通夜では)お清め、(告別式では)ご出棺、などとご葬儀で行う儀式の流れはほぼ決まっているので、ご会葬で葬儀に参列された方には、どのご葬儀も「同じ」と受け取られる方も多いことでしょう。

 これは、葬儀社側にも言えることです。ほぼ流れが決まっているということは、何度も同じようなご葬儀を施行しているということになり、そこには「慣れ」が生じてきます。
 ご葬儀は、ご喪家にとって大切な人との最後のお別れの儀式であり、特別なもの。流れは同じように感じても、その内容はひとつとして同じものはありません。
 しかし、この「慣れ」がよくない方向に向いている葬儀社は、ご葬儀の打ち合わせからご葬儀が終わるまでを葬儀社主導の『流れ作業』で済ませてしまうこともあるようです。
 逆に、「慣れ」が良い方向に向いている葬儀社は、ご喪家の不安に向き合う余裕があり、ご要望をきちんと聞き入れることができるので、ご喪家にとっては頼もしく感じることができ、それらが結果としてご喪家の満足のいくご葬儀につながるのだと思います。

 2カ月前のご葬儀のことを細かくお話しができるということは、その時にきちんとご喪家と向き合って対応してくれていた証だと思いました。

斎場の規模

 家族葬を希望される方が増えていると同時に、家族葬を対象とした式場を用意している斎場も増えてきました。
 葬儀社さんの自社斎場など、最初からこじんまりした家族葬を対象とした斎場を作っていたり、また、古くからある斎場でも、費用を抑えた小規模の斎場を増設したり、今までの式場を分割して使えるようにしたりなど、少人数のご葬儀を要望される方にとってはとてもよい環境になってきたと思います。

 先日ご葬儀の立会いで伺った斎場は、交通の便が良くて格式も高く、社葬規模のご葬儀でもよく利用される斎場ですが、奥にある第二斎場と呼ばれる建物は家族葬用の斎場にリニューアルされ、小規模のご葬儀でも利用できるようになっていました。家族・親族だけではあるけれど、格式は重んじたいと考える方にはとても適した斎場になると思います。

 また、訪問させていただいた葬儀社さんの会館では、自社の斎場を家族葬限定というかたちで、ご家族のみでゆったり、リラックスできるようにと、マンションの一室を丸ごと再現し、LDKの部分でご葬儀、お部屋の部分を控室などのくつろぐスペースに、冷蔵庫や電子レンジも完備してあり、そのまま生活ができる状態の式場を用意されているところもありました。

 どのような斎場を選ぶのかという選択は、希望のご葬儀を行うための条件として大きな部分を占めると思います。ご自身やご家族が希望しているようなご葬儀ができる斎場を利用できる環境にあるのはありがたいことだと思いました。

 私もいろいろな斎場を訪問させていただいていますが、自分が住んでいる地域にもこんな斎場があったらいいのにな…など、うらやましく思ったりすることもあります。

不満を残さないためには。

 この数日間の問い合わせの中で、「葬儀社なんてどこも同じじゃないの?電話帳みて近いところを選べばいいじゃない」というお話しを2件、立て続けにお聞きしました。

 お話しを伺うと、ご葬儀は既に終えられていて、依頼した葬儀社に対して疑問を持ち、当センターに問い合わせをしてみたとのことで、「こんなことは普通あることなのか?」というようなお問い合わせでした。
少し詳しくお聞きすると、「費用が高いと思うが、これは正当な値段なのか」とか「故人に対しての扱い方がひどかった」など、事前に少しでも知識があれば避けられたかもしれないことでした。

 費用が正当だったのかどうかは、打ち合わせや見積などの段階で、担当者がきちんと説明をしなかったのか、説明をされても、ご遺族の方がうまく理解できない状況の中で話しが進められてしまったのかなど、いろいろな状況が考えられることです。
 故人様に対しての扱いについては、後で「こんなことをされた」と訴えたとしても、それは当事者でないとわからないことであり、証拠などが無い限り、後になって解決するのは難しいことです。

 「葬儀社なんてどこも同じ」とおっしゃっていたくらいなので、事前に相談するつもりはなかったというご様子でした。事前に相談できるということをご存じなかったのかもしれません。どちらにしても、依頼した葬儀社に対して大きな不満が残るご葬儀だったということは残念でなりません。

 なんでも実際に経験してみることはそれなりに意味のあることなのかもしれませんが、葬儀については人生の中であまり何度も経験するということではなく、また、その故人様をお送りするのは一度きりのことです。

 ご葬儀を終えて落ち着いた頃、納得できない気持ちが出てきても、やり直しができないのがご葬儀です。
 事前に相談してみること、また相談するという気にはならなくても、事前に少しだけでも調べておくことによって避けられるトラブルは沢山あるということをもっと多くの方に気づいてもらえればと強く感じたと同時に、私たちも、もっと広く発信していかなくてはいけないと思いました。

家族葬で気をつけたいこと

 ここ数年、都市部では家族葬というご葬儀のかたちがかなり浸透し、私が対応させていただいたご相談でも、約8割の方が家族葬を望まれています。
 私がお聞きしたご相談では、家族葬を望む理由として、ご対象の方が高齢で、今ではお付き合いをしているひとがいない、ご友人たちもご高齢で会葬に来ていただくことが難しいのでというものが最も多く、次いで、ご会葬の方に気遣うことなく、家族・親族だけでゆっくりと見送りたいから、本人の希望、費用を抑えたいからなどということがあげられています。

 家族葬でのご葬儀は、近しい方、親しい方のみで執り行うため、温かみのあるご葬儀を希望されている方にはとても適したかたちだという反面、気をつけなくてはいけないこともあります。

 故人様が親しくお付き合いをしていた方以外にも、その場所に長くお住まいになっていた場合、また、ご家族が引き続きそこにお住まいになるような場合には、ご近隣の方への報告に迷われることがあると思います。
 最近では、家族葬という意味合いも浸透してきていることから、「近親者のみで執り行います(執り行いました)」などの報告で理解していただけることも多くなりましたが、ご葬儀後のまだ落ち着かれない時期に、弔問の対応に追われてしまうということにもなりかねません。
 ご近隣の方とのお付き合いについての気遣いが必要です。

 また、ご本人の希望でという場合には、「家族に大変な思いをしてほしくない」というご家族を思いやるお気持ちなども含まれているものだと思うのですが、そのことをご親族などにも納得をしていただく必要があります。

 費用面については、家族葬だから安くできると思われがちですが、場合によっては一般葬と同じくらいの費用がかかることもないことではありません。
 利用する式場や、おもてなし、また、選ぶ祭壇などによっても費用に差が出てきますが、利用する葬儀社によっても、同じ条件で費用が大きく違ってくることもありますので、可能であれば複数の葬儀社から見積をもらって比較してみることをお勧めします。
 
 故人様を想う気持ちに専念し、暖かいご葬儀を執り行っていただくためにも、家族葬をお考えの方は、周囲のことを少し見回してみてください。

ご利用者からいただいたアンケート

 ネットショップで買い物をしていると、たまに「レビューを書くと×××円→○○○円」と、商品の感想を書くことを条件にその商品が安く買えるという特典付きの商品に出逢うことがあります。
 もちろん、「レビューを書く」の方を選択してお買い得の方を購入するのですが、商品が届き、レビューは「後で書こう」と思いながら、そのまま書かずに放置してしまっていたことが何度かありました。

 センターでは、ご利用いただいた方に後日、アンケートの用紙を送らせていただいていています。残念ながら、特典などのご用意はないのですが、それにも関らず多くの方からご回答のご協力をいただき、ご葬儀後のまだ落ち着かれないような時期に書いていただいていたと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります。
 また、センターのホームページでは、これからご葬儀を考える方に参考にしていただくために、掲載を許可していただいたアンケートを掲載させていただいていますが、この掲載についても多くの方にご協力をいただき、とてもありがたく思っています。

 利用した人にしかわからない、率直なご意見は、センターにとっても貴重な財産になります。

 私はこの仕事に就くまでアンケートに協力してもらうという立場になったことがありませんでしたが、ご協力いただいたアンケートがこんなにも励みになるんだということを実感しています。

 
 過去に書き忘れた「お買いものレビュー」は、古いメールをひっくり返して、まだ書けるものについては全部書きました。

一緒に整理していきましょう。

 最近、「自宅に連れて帰れない場合、葬儀まで何日も待たされることになったら、普通はどうしているのか」というご相談を立て続にお受けしました。
 ご安置できる施設があることを知らず、ずっと心配をされていたようです。ご葬儀の日まで、きちんとご安置できますとご案内し、安心していただきました。

 ご相談では、「常識的なことなのかもしれませんが」とか「こんなことを聞いていいのかわかりませんが」などとおっしゃり、ご心配されていることについて、ご相談者の方が「こんなことを聞いたら恥ずかしいのかもしれない」などと思われているような場面に出くわすことが度々あります。

 ご葬儀のことについては、喪主の立場を何度も経験をする人のほうがめずらしいことです。
 初めて経験される方、また、経験をしたことはあるけれど、何年も前のことでよく覚えていなかったり、状況・環境が変わっていたりするので、わからないことや不安に思うことなどは、あって当然のことで、私たちにとっては、どんなに小さな疑問や要望でも、聞いていただいた方がありがたく思います。

 その時には小さな疑問だと思ってうやむやにしていたことが、いざ、ご葬儀を終えたときに大きなシコリになってしまうということにもなりかねません。
 また、常識的なことといわれていることでも、万人に通用することではない場合もあります。
 
 私たちは、疑問に思っていることやご要望をお聞かせいただき、整理をするためのお手伝いをさせていただいています。
 疑問に思ったことや不安に思っていることは、可能な限りお知らせください。
 
 私たちは、「一度しかないご葬儀に不満を残してほしくない」と思って活動しています。

斎場の取材

 先日、お通夜の立会いに伺いました。その際に、一緒に斎場の取材もと思っていたのですが、その日は全ての式場が使われていて、取材どころではなかったので、近い斎場だったことから、日をあらためることにしました。

 数日後、改めてお邪魔させていただいたのですが、斎場の関係者の方は突然の訪問にも関わらず、快く対応してくださり、お話もゆっくり聞かせていただくことができました。
 斎場内や控室の写真撮影も、「ご自由にどうぞ」と許可をいただきました。
勝手にお邪魔して写真を撮っているにもかかわらず、ご葬儀後で控室のお掃除をしていた方にも「これどかした方がいいわね」などのご協力をいただき、無事に斎場取材を終えることができました。

今までにも斎場の取材にお伺いすることが何度もありましたが、関係者の方はとても協力的で、斎場の隅から隅まで案内をしてくれる所もあり、ありがたいかぎりです。

これからも、まだまだ、行かなくてはいけない斎場が沢山あります。
斎場を選ぶ際にセンターのホームページを見ていただく方にとって、わかりやすく、より詳しくご案内できればと思っています。

誰が払う?

 先日、父と何気ない会話をしていた流れで、途中からお葬式の話しになりました。

父「お父さんの葬式は焼くだけでいいよ、なーんにもしなくていい。」
私「いやいや、そうはいかないでしょ。親戚とかご近所さんとかさ。それに、祭壇に飾る写真はこれにしてくれって、写真用意してたから、葬儀をやってもらう気満々なんだと思ってたけど。」
父「○○さんも火葬だけにしてもらうって言ってたし。それでいいよ。」と。

 どうやらご近所の友人たちとの会話の中でも最近は時々自分のお葬式についての話題がでているようです。

父「火葬だけだったら2.3万で済むだろう?」
私「は?????」

 それはどこから仕入れた情報なのか聞いてみると、ご近所さんが、冗談なのか本気で言ったのかはわかりませんが、火葬だけだったらそんなもんでしょと言っていたそうで、それを真に受けていたようです。

 そういえば、今まで何度か葬儀について話しをしたことはありましたが、費用については話しをしたことがなかったかも。

 簡単に説明をすると、「まあ、いくらかかるかはよくわからないけど、おまえが払うんだから好きなようにしていいよ。ま、よろしくな。」と肩をたたかれました。

 そうですか…では、私も頑張りますから、お父さんもあと10年は頑張ってくださいよ!と手を合わせてお願いしました。

 元気なうちに、もう少し、きちんと話しをする必要があるな…と心から思います。

お気軽にどうぞ。

 葬儀の内容を決める、葬儀社を決めるということは、ほとんどの方にとって、あまり経験をすることではないことだと思います。
 複雑なご葬儀ごとも、ホームページを検索すれば、ある程度の情報は得ることができますし、地元の噂や知人からの情報も頼りになるものだと思います。
 しかし、ご葬儀ごとについては、その地域の習慣や細かい決まりごと、許されること、守らなくてはいけないこと、自分で決めなくてはいけないことなど、とても多くの情報の中からご自身の環境や状況に当てはめて考えなくてはなりません。

 先日、当センターのホームページをよく読んでいただいているという方からのご相談がありました。「ここにはこのように書いてあるが、自分はこうではないので、この場合はどうしたらいいのか」、「これはこのようにしなくてはいけないのか」など、ご自身の状況に当てはめたときに、疑問に思われたところのお問い合わせでした。
 「こんなことを聞いていいのかわからないんですが」とか、「常識的なことなのかもしれないんですが」と、少し気にされながら、ご自身が気になるところ、わかりにくいところをご質問されました。

 聞いていいのかわからないようなこと、常識的なのかもしれないけどよくわからないことこそ、恐らく多くの方が「気になっている」ことなのかもしれません。
 
 センターにご相談いただく際に、「こんなことを聞いたら恥ずかしい」などを気にする必要は一切ありません。
 また、まったく情報のない状況でのご質問でも大丈夫です。

 小さな疑問やご自身の状況の場合はどうなのかなど、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

日の出

 一カ月くらい前からでしょうか、毎日ではありませんが、天気のいい日はなるべく外に出て朝日を見るようにしています。
 我が家の近所から見る日の出は、住宅と住宅の間から太陽が昇ってくる感じなので、いまひとつ感動には欠けるのですが、気持ちがいいのには変わりはありません。
 子供のお弁当作りでせっかく無理やり早起きをしているのだから、なにか気持ちのいいことを…と思って、朝のゴミ出しの時間を日の出の頃に合わせているのですが、朝のバタバタでうっかり時間が過ぎてしまい、気づいたときにはすっかり日は昇ってしまっていたりすると残念な気持ちになります。
 本当なら、そこで少し近所を散歩してみるのもいいのかもしれませんが、寒いのでなかなか…と思いつつ、今朝は近所の公園まで足をのばしてみました。
 だれもいないと思っていたら、意外と人がいらっしゃる。公園の鉄棒にぶら下がっていたり、犬の散歩をしていたり。
 もう少しまともな格好で出れば良かったと後悔しました。

 今は日の出も6時半ごろなので、ちょうど一段落したあたりの時間なのですが、これからどんどん早くなっていくわけで。
 どこまで時間の調整できるかわかりませんが、朝のお弁当作りもまだまだ続くので、もう少し続けてみたいと思っています。