地元葬儀社さんの計らいとは・・・。

 当センターでは地域のことに詳しい地元葬儀社さんのご紹介を重要視しております。
 ご葬儀までの短期間に如何にご要望にそえるご葬儀が執り行えるか、急な変更にも臨機応変に対応できるか、そこには地元葬儀社さんならではの強みがあります。

 納棺に間に合わなかった弟様のたっての願いは「最後一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。
 
 お父様がご自宅でご逝去され、当初ご自宅で納棺後、日華斎場での1日葬との段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちとのことで、ご相談者のお仕事の関係から難しい状況となり、急遽担当者の提案した、地元お寺でのご葬儀に切り替わりました。
 
 納棺を済ませた後、ご葬儀会場となるお寺の安置所に移動されましたが、ご相談者の弟様が遠方から駆け付けたのはご葬儀前夜になってしまわれました。
 ところが、通夜を行わない1日葬で、式場費も半額とのことでしたので、通常お泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者が掛け合い、2階の空いている和室をご提供いただけることになりました。

 1階にご安置されている柩を、2階の和室に運ぶ手立ては、階段しかありませんでしたが、ご兄弟3人で力を合わせ、柩のお父様を2階和室にお運びし、お父様を囲んでの最後の晩をお過ごしになられたことを、ご葬儀後感無量の面持ちで、担当者にお話されたとのことでした。

 また、直葬でしたが、担当者の計らいで、日長1日ゆっくりとお別れができた例もございます。
 
 当初ご家族・ご親族を中心とした家族葬をご希望でしたが、横浜市内の市営斎場はいずれも7~8日待ちの状態となり、火葬のみ2日後の朝9時枠に一つ空きがある状況を説明申し上げたところ、日にち優先で本葬はご自宅のある関西で考えたいとのご返事をいただきました。

 ところが、通常のご葬儀を執り行わないとなると、ご親族の方とお母様とのお別れはどの様にとの心配が頭をもたげてきましたが、無事担当者の計らいで自社安置室でのお別れが可能となりました。

 他家のご面会予定が入っていなかったのを確認し、定員5~6名様の安置室に直葬前日、20名様近くのご親族がお見えになり、2階の休憩室でお待ちになりながら、交代でお母様とお別れをされ、日長1日を有効に過ごされたとのこと。

 事前に見積りをお取りになった後、お時間がございましたら、出来るだけ担当者と直にお会いすることもお勧めしております。 

担当者はご喪家と同じ目線で。

 以前ご葬儀の立会いにお伺いした折、ご相談者から開口一番「母はこんなご葬儀がしたかったんです。有難うございました」とのご挨拶を頂きました。

 実はご逝去された当初、病院付きの葬儀社さんにご自宅へ搬送をお願いされたのですが、お父様への配慮が足りない雑な扱いに、心を痛めていらっしゃるお母様のご様子を見かねたご相談者がインターネットで他の葬儀社を当たられ、当センターにご相談いただいたといういきさつがございました。

 センターがご紹介した葬儀社さんにお決めになられた理由として、他社の担当者さんがご葬儀プランの説明を急ぐ中、ひたすらご喪家の立場に立って、お話を聞いてくれたことを挙げて、ご満足されたご様子が伺え、ご紹介した当方もほっとしたことが思い出されます。

 一方、会社の関係でご葬儀日程を最優先されたご相談者からは、「希望日まで日にちが迫っており、式場・火葬場とも塞がっている状態でしたので、他の葬儀社さんからは、ご希望の日はお取りできませんと却下されたが、ご紹介いただいた担当者さんは、どのようにすれば希望の日程で執り行うことができるかを第1に考えて奔走してくれ、無事ご葬儀を終えることができました」とのご報告をいただき、ご依頼の決め手として「常にご喪家の気持ちになって考え、行動してくれた対応ぶり」を挙げていらっしゃいました。

 また、1人っ子のご相談者からは「ご担当者からご葬儀後に心に残るご葬儀だったとお手紙を頂き、これでよかったのかなと悩んでいた気持が少し軽くなったような気がします。無事父を見送ることができたのも皆様のおかげだと感謝しています」とのご報告も頂きました。

 同じような内容、同じような規模のご葬儀でも担当者の気配りのある対応如何では全く違うものになってしまいます。
 横並びの「普通」のみを押し付けず、ご喪家のご意向を汲み、ご喪家と同じ目線に立ったお見送りができるか。
 特に親しい方を中心とした小規模なご葬儀では、担当者がご遺族のご要望にどれだけ耳を傾けることができるか、葬儀社選びはある意味、担当者の配慮によって決まると言っても過言ではありません。

 その為にも、お時間がございましたら、是非事前に担当者とご面談されることを希望いたします。

 ネットで検索しただけではめぐり会えなかったであろうと思われる担当者にお会いできたとの感謝のお言葉も届いています。

生きる・・・。

 ここ数日、自殺願望の若者をターゲットにしたショッキングな殺人事件の報道で溢れています。
 事の成り行きは、厳正な捜査を待つしかございませんが、人の生死を言葉に出してお話申し上げている者にとって、「辛い」の一言です。
 途中で命を絶つことだけは押し止めていただきたい。

 当方が電話のご相談に関わり始めて2~3ヶ月の頃でした。
 電話口から「自殺」の二文字を伺い、思わず絶句してしまい、ご連絡を頂いた友人の方共々、おろおろするばかりでした。
 それまで第3者的に漠然と捉えていたことと違い、電話口の声は生々しく、まるで身内の惨事の様に聞こえ、しばらくは言葉だけがリフレインしていたさまが昨日のことのように思い出されます。
 
 また、事後のご相談の中でも、小さなお子様を置いての突然の旅立ちに、残されたご主人の混乱ぶりも大きく、ご親族の方がお見えになるまで葬儀社さんとの打ち合わせもストップ状態となり、お掛けする言葉が見つからなかったと担当者からの報告を伺いました。
 
 丁度その年の夏休み、親子で楽しむバレエフェスティバルが開かれ、そこだけが白黒映画のように異彩を放った「瀕死の白鳥」が上演されたのが、印象的でした。
 傷つき死を目前にした一羽の白鳥が最後まで必死に生きようと羽ばたき、ついに力尽きてしまうまでを踊っている小作品ですが、先程まで手拍子で乗りに乗っていた子供たちが静まり返り、目を皿の様にして見入っている姿に胸が熱くなったことが思い出されます。
 子供たちの心に生きる力がどのように映ったのでしょうか。

 この「瀕死の白鳥」は数奇な運命の下、力いっぱい生き切り、来年7回忌を迎える先輩の大好きな作品でもありました。
 その先輩の口癖は「死んで花実が咲くものか、生きているうちだけが花なのよ」でした。

第1関門突破・・・。

 休日の昼過ぎ、電話口で「あ・・・、今日はお休みではないんですね」とおっしゃった後、一瞬の間があり、「五分後に掛け直します」とこちらが、えっと思う間もなく、ガチャリと切られてしまいました。
 5分後、「先程お電話した者ですが・・・」意を決し、緊張した面持ちの声が聞こえてきました。

 末期癌で入院中のご主人のご様子を心配された友人から、当センターの電話番号を教えていただいたそうです。
 そろそろ準備をしておいたほうが良いのではとのアドバイスを頂き、センターのホームページをご覧になった友人からの推薦とのこと。

 ご主人がお元気な頃には、菩提寺もないので、ご親族のみでのお別れをした後、お骨は一部手元に置き、残りは散骨にしたいとあれこれ最近の散骨事情をお話し合いされていたが、いざ現実的な状況になると、足がすくんで、一歩がなかなか前に踏み出せなかったとの由。

 ご連絡頂いた当初は、まだお話を進めたくないと戸惑いのご様子も見せていらっしゃいましたが、雑談を交えたお話をさせていただくうちに、せきを切ったように今までためていたことをお話になり、お気持も少し和らぎ、ホッとされたご様子がこちらまで伝わってくるようでした。
 「明日までに必ずご紹介頂いた社にご連絡します」と。
 先ずは第1関門突破ですね。

 お身内の方にとりましては病院通いの一方で、ご葬儀の相談をはじめなければいけないという現実が待っております。
 ご葬儀の準備をいつの頃から始めるか、多くの方が戸惑いと心の格闘を繰り返しながら、そのタイミングを見計らっているのも現状です。

 以前ご葬儀後にいただいたお手紙の中に、「当初病院に日参しながら、ご相談の日々に罪悪感を覚え、自分を冷たい人間だと感じ、裏切った思いすら致しましたが、一歩踏み出し、センターとのやり取りの過程で、あらかじめ知っておくことが、ひいてはキチンと送ってあげることに繋がるのだと思えるようになりました」とのご報告もございます。

菩提寺との関係は良好ですか・・・。

 電話口のほっとされた声に、思わずこちらも大きく頷いていました。
 「あれから意を決して菩提寺にこちらの事情をお話しましたところ、そういう理由でしたらと、戒名のことも含めて、納骨の際改めてご相談に乗って頂けることになりました。ご心配をお掛けいたしました」

 センターのご相談フォームに事前相談メールをいただいた方からでした。
 当初お母様の病状が重く、万が一の際は火葬のみをご希望ですが、都内に菩提寺があり、そちらのご住職にお問い合わせをしているが、目下連絡が取れないとのことで、どうしたものかと切羽詰まった状況でのご相談でした。

 ご相談者は1人っ子で、お嬢様お2人もまだ相談に乗ってくれる歳ではなく、お1人でお母様の面倒を見ていらっしゃるとのこと。
 また、ご事情でお母様には年金もなく、ご相談者ご自身もシングルマザーでローンを抱え、金銭的にかなり厳しい状況とのお話でしたので、先ずはご住職には現状をありのままお話されることを申し上げ、費用面でのご説明をし、地元で臨機応変に対応が可能なベテランの担当者をご紹介させていただきました。

 数日後、無宗教葬で無事お母様をお見送りされた夜、早速にご相談に乗っていただいた担当者にもよろしくお伝えくださいとのご報告をいただきました。
 諸般の事情でお式はできませんでしたが、他県からお別れにお見えになられたお母様の御兄弟には、担当者の提案で、葬儀社のお別れ室にてゆっくりご対面いただき、ご焼香と柩へのお花入れを済ませ、火葬場にてお待ちいただく間に、お食事のおもてなしをされて、ご納得いただいたご様子との由。
 
 仏式でのご葬儀の場合、通夜、葬儀・告別式と2日間の読経にはそれぞれに宗教的意味合いがありますので、当初、夫々のご事情により1日葬や直葬を希望されても、菩提寺からの許可が下りない場合が大半でしたが、ご住職のお考えもあり、菩提寺側の受け止め方も最近は柔軟な対応がされてきているようです。

 一方で、当方がお受けした案件の中には、菩提寺のご住職とのトラブルから、とりあえずお母様のご葬儀を無宗教葬でされた後、お母様のご実家近くのお寺に改葬された方。
 また、後継ぎがいない為、菩提寺でのお墓の管理ができないとのことで、合葬先を探していらっしゃる方等、従来の檀家と菩提寺との関係が揺らぎつつあるようにも思われます。

親しい方のみでの無宗教葬を・・・。

 「あちこち遊びにご一緒できる同級生は、とうとう二人になってしまったわ」。
 先日、久しぶりにお料理教室でご一緒した、80代後半の先輩が嘆いておられました。
 人生100歳時代に突入したとも言われている昨今ですが、同年配でお元気な方を探すのは結構難しいようです。
 その先輩も、将来万が一の際は無宗教葬にて、出来るだけシンプルに、親しい友人とご親族だけでのお見送りをご希望との由。
 周りの皆さんもお気持ちは同様で、菩提寺を持つ方、持たない方、思わず一様に頷いて、ひとしきりご葬儀の話題で持ち切りとなりました。

 話題に上った無宗教葬も10年程前、マスコミにセンセーショナルな話題として取り上げられたころに比べると、大分落着きを取り戻し、最近は各人に見合ったご葬儀が執り行われてきているようです。

 他の宗教と違い、少人数での無宗教葬の場合、お式での時間の配分が難しく、時間が余って戸惑われる方もいらっしゃるのではと心配される向きもございますが、故人様と親しく最期のお別れをご希望される方にとっては、むしろゆったりと思い出に浸る時間が取れるようにも思われます。

 当方が立ち合いでお伺いした無宗教葬でも、告別式での献花以外は何もしないでほしいとのご喪家からのご要望をいただき、お集まりになられたご会葬者はお一人お一人が故人様と向き合い、ご出棺のお時間まで夫々が最期のお別れをされ、ご自身のお気持に踏ん切りをつけていらっしゃるご様子がうかがえました。

 また、「無宗教葬の音楽葬で」という故人様のたっての願いで、喪主の奥様はかつてのジャズ仲間にお集まりいただきましたが、ジャズが静かに流れる中、献花をされて故人様と向き合ったお仲間の一人が感極まり、飛び入りで持参のトランペットを吹き、お見送りをされた無宗教葬もございました。

 はたまた、ご喪家側のご事情で故人様のお好きなお料理の手配から、ご葬儀進行を故人のお嬢様の手にゆだね、担当者は脇でアドバイザーとして見守って行く形を取られた無宗教葬等々。
 いずれも故人様のお気持が尊重され、生き方として積極的に無宗教葬を選択されていらっしゃるご様子が伺えたご葬儀でした。

 ご葬儀の話題は無宗教葬での御葬儀をご希望され、ご自身の意思を貫いて、シンプルに生きるお元気な先輩の生き方に触れ、後輩達はいつの間にか背筋を正して聞き入っていました。

信頼関係がご葬儀の良し悪しの鍵となる。

 「父が急に亡くなり、突然のお葬式だったのですが、悲嘆にくれてオロオロするよりは、しっかりとつつがなく見送ってあげたいという気持ちが強い家族ですので、てきぱきと合理的に、しかも温かく家族の気持ちを汲んでご葬儀を進めてくださった担当者に出会えて本当によかったです。悔いのない通夜、葬儀を無事終えることができました」。
 
 「当初より規模が小さな葬儀になりましたが、依頼者の立場に立って適切なアドバイスをしていただけ、故人を知る方からも故人様らしい葬儀だったとおっしゃっていただけました。細かな疑問や質問にも丁寧に迅速に答えて下さり、遺族の思いにマッチしたご葬儀をご紹介頂き、感謝いたします」

 直葬で出来るだけ費用を抑えたい方からは「的確な助言、提案を頂き、オプションが用意されているものでも、自分達で準備ができれば費用も抑えられる等、葬儀社にとっては不利益であろう提案もしてくださり、有難かったです」

 以上は、ご葬儀後に頂いたアンケートからの一文です。

 このように、ご葬儀では実際に取り仕切る担当者とのコミュニケーションの在り方が、ご依頼者の満足度に深く関係してきますので、センターでは基本的に、ご喪家の想いをきちんと受け止めるためにも、一人の担当者に、最初から最後まで一貫して面倒を見ていただくようにしております。

 また、見積りをお取りして、ご家族でご検討していただいた後、概算の見積りだけでは分からないことや、担当者とのお気持ちも合う、合わないが出てくる場合もございますので、お時間の許す限り、事前にお会いされてご希望やお気持ちをお伝えすることもお勧めしております。

 担当者も何をお望みなのか、出来る限りお伺いし、ご喪家の想いをくたくたになるまでやり通すことで信頼を得、そこで初めてご相談者の安心感をつかむことが出来るのではとおっしゃっております。

 一方、ベテランの担当者からは如何に早く打ち解けて頂けるか、短期間に信頼を得て、この人は大丈夫という安心感を持っていただけるかに掛かっていると伺いました。
 短期間にお相手から、もうこちらに入って良いですよと言われるように、ご相談しやすい状況を作って差し上げ、葬儀社の葬儀ではないですから、決してご喪家の前には出ず、一緒に歩きましょうと常に二人三脚でいくように気を配っているとのこと。

 このように、ご葬儀に向かう担当者の仕様は様々ありますが、いずれの場合もご喪家との信頼関係だけははゆるぎないものです。

ご葬儀後のご相談もお願いします。

 久しぶりに青空と真夏の暑さが戻ってきましたが、風はすでに秋色です。
 暦の上では、早くも来週末には、暑さ寒さも彼岸までの秋分の日が控えています。

 秋分と言えば、ご紹介した担当者とのご相談の中で、最近特に、ご葬儀以後のことも含めてのご相談をされる方が、増えてきているようです。

 核家族化が呼ばれて久しい中、周りにご相談される方が中々見当たらないとのことで、ご葬儀のプロの方に、ついでと言っては語弊がありますが、ご葬儀を済ませた後のことも、この際伺っておかなければ、とのお気持を強く持たれる方もいらっしゃいます。

 先日もご相談者のお父様のご葬儀を執り行った担当者から、ご葬儀後のご報告を頂きました。

 ご相談者のお母様から、ご葬儀後毎日のようにお電話で、お位牌のこと、49日のこと、新盆のこと等多岐にわたるご相談を頂いて、頼りにされ、こちらも大いに勉強になりました、と担当者の労を厭わぬ対応ぶりを伺い、ご相談者もさぞかしほっとされたことではと安堵致しました。
 
 昨今ではご自宅以外でのご葬儀が通例化され、7日目に執り行われる初七日法要も告別式に繰り上げ初七日として繰り込まれ、49日を機にお返しをする香典返しも、即日返しでご葬儀当日済ませることが多くなり、本来の意味合いからは少しずれを生じても、いつの間にか忙しい現実生活に組み込まれてしまっているのが現状です。
 
 ご葬儀後にお待ちしている菩提寺での49日の法要では、当日ご遺族ご親族を中心とした方々にお集まりいただき、法要、お位牌の開眼供養、お墓での納骨法要、開眼供養の後、ご自宅にお戻りになり、法要とお仏壇の開眼法要という段取りになります。
 
 一般的に49日の法要でのお布施代はまちまちの様ですが、あるベテランの担当者に伺うとご葬儀の際のお布施代の一割を目安に、プラスアルファされるとよいとの事。関東地方の場合は1割を下らないようにと言われているとの由。
 開眼法要で白木のお位牌から魂を抜き、塗りのお位牌に魂を入れたうえでの読経代となります。
 但し、地方に帰って埋葬の場合は、この限りではありませんので、ご注意ください。
 地域によっては昔からの風習が残っているところもありますので、地元のご親戚の方に伺うのが1番とは言うまでもありません。

 私事で恐縮ですが、当方も来月は父の17回忌が待っております。

近頃のご葬儀事情

今、5年程前のご相談メールとそのご相談者から頂いた手紙のコピーを取り出し、眺めています。

先日、夜遅く「今しがた、父親が病院で息を引き取ったが、○万円以下の直葬を執り行ってくれるところを探している」とのお電話をいただきました。
「今、○万円で執り行ってくれる葬儀社を1社保留にしており、更に安い所をさがしている」とのこと。
あまりの低価格に、ご要望にそえるのは難しいと思うが、地元のセンターの賛同社に問い合わせて、折り返しご連絡を差し上げる旨申し上げたところ、「それ以下の金額だったら、ご連絡下さい。それ以上だったらご連絡に及ばない」との由。

夫々のご事情もあり、夫々のお気持でお見送りされるとは言え、一抹の寂しさは拭い切れませんでした。

5年前のご相談メールには、病院にて闘病中のお父様のご容態は今すぐどうという程ではないが、お父様の為にもできるだけ慌てないで対処したい、との思いでご連絡された旨記されておりました。

看病疲れのお母様の為にも、最期は家族だけで静かに見送ってほしいというのが、お父様の願いでした。
万が一に備えてご相談される一方で、病院に日参されているご自身の行動に罪悪感を覚えたこともあったが、センターとのやり取りで、あらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることに繋がるのだと思うようになってきたご様子です。

センターのホームページに記載されていた「家族だけでお見送りすることも大事だが、永年の付き合いの中で最後のお別れをされたい人の気持ちを汲んであげることも大切」のくだりが頭の片隅にこびりついて離れず、親戚からの「お見舞いも拒否され、最期のお別れもできないなんて辛すぎる」との申し出に、「どうぞお願いします。来てくださいと言えたことで、一生の悔いを残さずに済みました」と感謝のご報告をいただきました。

3ヶ月後のご葬儀では、遠方からご親戚の方々が掛け参じ、久しぶりにお会いされた通夜の晩は、皆で大広間に雑魚寝され、「さながら合宿所のような様相を呈し、翌朝はバケツリレーで、大広間に次々とお布団の山が築かれたのは圧巻でした。1晩が思い出深く、心に刻み込まれた気がします」と、お気持が綴られておりました。

この数年で、ご葬儀の捉え方も大分様変わりしてきたようです。

「エンディングノートを・・・」と思い立ったら、即実行です。

「母が旅行先で急死して、現在当地の霊安室に安置されている状態で、こちらに搬送して貰う手筈にはなっているので、近くの葬儀社さんのご紹介を・・・」
突然なこと故、搬送先もご自宅か、ご自宅以外にされるかまだお決めになっていない状態とのこと。
予想もしていないことに、ご家族の方々も呆然とされていらっしゃるご様子が電話口から伝わって来ます。
お話をお伺いし、ご要望に適した少人数でのご葬儀を得意とする、地元の賛同社をご紹介し、ご相談者から直接賛同社へご連絡をいただきました。

最近はお歳を召した方もお元気で、旅行ブームに乗って遠方まで足を延ばす方も増えて参りましたが、一方で旅先でのご不幸をお聞きすることも度々ございます。

先月も鹿児島にお住いのニュージ―ランドご出身の方が上京されて横浜で倒れられ、そのまま帰らぬ人となってしまわれ、ご親戚がいらっしゃる横浜で無宗教葬のご葬儀を執り行った例もございます。

また、山陰をお母様とご旅行中の息子さんの場合は、突然お母様の具合が悪くなり、旅先での介護もむなしく旅立たれてしまわれ、急遽ご遺体を空輸で運ばれて、ご実家近くの斎場でご葬儀を執り行う羽目になりました。
しばらくは無我夢中で何も手が付けられない状態でしたが、お母様の1周忌を前にやっと落ち着くことが出来ましたと丁重なご報告をいただいたことが思い出されます。

お元気と思われていた方の突然の不幸に、周りの方は只々右往左往するばかりです。
転ばぬ先の杖ではありませんが、お元気にお出掛けされる前に、万が一を考慮して、自身の思いを伝えるエンディングノートをしたためておくことで、大分状況も変わってくるのではと思われます。

近年、エンディングノートの効用を口にすることも一般化されてきましたが、周りを見てもその内その内と、中々実行が伴わないのが現状です。
残された方の為にも、思い立ったが即実行です!