10点満点に12点をつけた心意気とは・・・。

 「10点満点12点です」。
 一瞬えっと思わず読み直してしまいました。
 少し前に頂いたアンケートですが、いまだに心に焼き付いています。
 
 「実際は9点といったところですがスタッフの前向きな仕事ぶりと暖かい心遣いに触れ感激しました。若いスタッフの頑張りを見て、経験を積むことで将来はより素晴らしいサービスを提供できると思います。M社が愛される葬儀社として発展することに、期待と励ましの意を込めてプラス3点としました」。

 気が動転してしまい自分のことで手一杯、他人のことまではかまっていられないという状況下でもこんなに広い心で見ていただけるとは・・・。
 本来なら励ましてあげる立場の者が逆にはげまされ、傍で見ている者までも一緒に勇気を貰ったような気持にさせられました。

 ご喪家と直接関わる葬儀社の担当者はご葬儀の演出家として、ご喪家のご要望を把握し、いかにお気持を察してあげられるかが大きな鍵になるようです。

 「家族葬なのでこちらもあまり気を使わずに済むように配慮していただいて満足です」
 「遺体の迎えから、遺族が自宅に戻るまでの一切を礼節ある行き届いた心遣いをしてくださった担当者に心からお礼を申し伝えたい」
 「細部にわたってよく相談に乗ってくれ、遠隔地の菩提寺との話や近辺僧侶との交渉もうまくしてくれました」
 「対応がビジネス的に見えないところと葬儀内容に柔軟に対応していただけた点」
 「対応の迅速さ、心配りどれも満足でした」
 「報道陣への対応が見事でした。お1人で汗だくになって頑張ってくれました」
 担当者の心意気がご喪家に伝わった満足度です。

安心され、ご満足頂くことが当センターの存在意義でもあります。

 当センターではメールでの事前相談や、お電話での葬儀社紹介等を24時間承っております。
 不安と希望の織り交じった中でのご相談ではまずご安心していただけることが大事です。
 我々スタッフは力不足を痛感しながらもこの2文字を念頭に置き、頂いたご質問・ご要望と正面向き合ってお答えできるよう頑張っております。

 お蔭様でご葬儀後のアンケートでは、ご安心されたこと、ご満足されたことへの思いを素直にお書きいただき、地道に活動しているスタッフの道しるべとなっています。

「NPOで中立の立場でみてくれ、立ち位置が利用者側と思いました」。
「迅速で落ち着いた返答と対応に安心感を持ちました」。
「事前に相談をしていたので、諦める点は諦めるだけの時間があり、気持の整理がついていました」。
「センターのホームページに出会い、私にとって葬儀の百科事典のような存在となり、一連の流れや注意点を学ぶことができました。代わって見積りを取り、見積りと一緒に頂いた説明書にはなぜこの葬儀社を勧めるかの理由が細かく記されていて、その説明書が一番の安心につながりました」。

「独自の基準で葬儀社の紹介をしていること。金額についてはっきりすべきという旨の記述がある点が利用するきっかけです」。
「ご紹介頂いた時はすばやく、その後はゆっくり待って頂き、大変満足しています。質問に親切に答えていただき、とても分りやすかったです。メールのみで相談に乗っていただけたことも有り難く感じました」。
「遺族の気持に配慮した文面だったことが印象的です。連絡は“気持が許せば前もってでも良い”“24時間何時でもどうぞ”とあり、あくまでも慌てないで下さいという文字に安心感をいだきました」。
 以上が最近頂いたアンケートから当センターへの満足度の一部です。

当センターの賛同社をご紹介いたします。

 「葬儀社さんがたくさんある中でどう選んで良いのかわかりません」

 当センターの事前相談サポートご相談フォームでは、インターネットで葬儀社さんを調べたが益々混乱されてしまわれた方々から、上記のようなご相談をお受けすることがございます。

 葬儀社さんの選択方法も色々ございますが、私共はまず依頼者の方からお話をお聞きします。
 ご希望・ご要望をお聞きし、その理由を伺っていくうちに、どのようなご葬儀をされたいのかが整理されてきたところで、そのご葬儀に適したセンターの賛同社をご紹介するようになります。

 賛同社の葬儀社さんも大掛かりなご葬儀を得意としている社、少人数の家族葬を得意としている社、神道・無宗教葬に慣れている社等それぞれですので、ご要望に適し、臨機応変に対処できるその地域に詳しい社をご紹介させていただいております。

 また、ご紹介した社から概算の見積りをお取りして、ご検討された後、社の担当者と直にお会いされ、様々な資料を見せてもらいながら説明を受け、お尋ねされることをお勧めしております。
 と申しますのは、ご葬儀の良し悪しは費用だけの問題ではなく、担当者とのコミュニケーションのあり方が深く関係してきますので。

 葬儀社を決める不安が解消されましたら、後は出来るだけお時間の許す限り、看取ることに専念してください。
 
 「お蔭様で安心した気持で父を看取ることができました。遺された者として振り返りました時、父の看取りと葬儀が幸せな思い出となっていることに気が付き、父の死に関わって下さった皆様へ感謝の気持でいっぱいになります」とのお便りもいただいております。

敬老の日に考える。

 昨年の敬老の日、青空のもと、勇壮活発な和太鼓の音に合わせて元気に車椅子から身を乗り出して踊っていた友人の姿を、今年は見ることができない。
 半年前、余りに呆気なくあちらに渡ってしまわれた。
 9月20日は敬老の日、しかし身近にお年寄りがいないとうっかり見過ごしてしまいそうです。
 世の中の商戦合戦も老人では購買層が限られるのか、母の日・父の日のに比べるとあまりにもひっそりとしています。

 その上、今年は久しぶりに老人が脚光を浴びたと思えば、敬老とは真反対の事柄ばかりです。

 ご葬儀の相談の中でも、少し影を宿しているようです。
 ご高齢の方のご葬儀で病院から直接火葬場に直行を希望される御家族の方が増えてきつつあるようです。
 ご事情は様々ですが、電話でご相談のお話をしていても、時に家族の絆の薄さを感じる場面に出くわすということも出てきています。

 ご本人の意思でご希望されるのはその方の生き方として尊重できますが、「火葬のみの場合は死後24時間経ればいつでも」とお答えしながら、思わずどぎまぎしてしまいます。
 自分の身に置き換えるとあまり心安らかではありません。

 深夜、同居されていたおじい様が亡くなられご葬儀のご相談をと、お孫さんからお電話をいただいたことがありました。
 お話を伺い葬儀社をご紹介すると、まもなく到着する別居されているお父様とご相談してから最終的に決めますとのことでした。
 ところがお父様の結論としてご葬儀はせずに直接火葬場へ・・・。
 1時間後電話口に出たお孫さんの声は涙ぐんでいました。「本当はおじいちゃんの葬儀をしてあげたかったのに・・・・」。

通夜の朝まで、揺れる心の内は・・・。

「果たしてこれでよかったのだろうか。通夜の前日を迎え、心配は大きくなるばかり。ご葬儀が決まり、葬儀社との打ち合わせも済み、お別れの時間も刻一刻と近づいてきました。今真夜中ですので、お返事は朝で結構です。悩んで眠れません」。

 メールが届いたのは、明け方の4時16分でした。

 式場を火葬場併設の斎場にされたことを気になさり、悔やんでいるご様子。

 生前お父様と親しかったご近所の方々のご会葬が当初の予定をはるかに上回りそうな気配。また、残されたお母様は参列者が多いことをなによりの供養と思っていらっしゃるとのこと。
 しかし、依頼主で喪主になられる方は一方的にご自身の考えだけで斎場選びをされてしまったことを後悔し、心配されています。

 火葬場が近いことをいやがる方もいらっしゃるかもしれないのにと。

 でも、大丈夫です。センター設立当初から行っているアンケートや施行後のお便りからも火葬場併設斎場でのご葬儀に苦情があったことは一度もありません。
 まずはご安心いただけると思います。

 その上、私共が取り扱ったご葬儀の9割はご自宅以外で、その中でもご要望の高いのが火葬場併設の斎場ですので、お見えになられる方々にとってもそんなに違和感は感じないのではないでしょうか。

 ご葬儀自体もその他のお寺や会館での儀式と全く同じで、一般的なご葬儀になりますし、出棺後のマイクロバスでの移動がありませんので、火葬場まで行かれる方々にとっては好都合です。
 その上、ご葬儀をされる式場と火葬場は道路を隔てた隣に位置し、他でご葬儀を執り行いマイクロバスで火葬場にいらっしゃった方々とご葬儀の時にご一緒になることはありませんので、お気持も少し和らぐのではと思います。
 むしろ、お選びいただいたメリットの方がおありになるとお考えなられた方がよろしいのでは・・・。

 とうとう通夜の朝を迎えました。
 早速に返信メールを頂きました。
「心の荷が少し解けました。もう大丈夫です。今後は前を向いて参る所存です。色々有難うございました」。

 こちらこそ、有難うございました。
 どうぞ、お気を強くもたれ、お母様をお守りしてあげてください。
 よろしくお願いいたします。

自分流お別れの仕方とは・・・。

 3ヶ月前に事前相談のお電話を頂いた方がお亡くなりになりました。
 最初にお電話をいただいたのは検査入院中の病院からでした。
 近日中に再手術の予定だが、回復の見込みは難しい状況なので、万が一に備え葬儀社との生前予約をとご希望されていました。

 御家族、ご親族、ごく親しい友人計50人ほどにお集まりいただき、無宗教葬の献花でお別れをされたいとのこと。
 ご要望の斎場数箇所を想定した見積りをご検討いただき、葬儀社の担当者が病院に出向きご説明し、ご検討され再び担当者がご説明に伺いにと慎重にご自身の最後をお決めになられていらっしゃるご様子。
 
 しかし、冷静に指示をされている有様を担当者から伺っていると、今にも「実はこの見積り必要なくなったんだよ」と電話口から元気な声が聞こえて来そうな雰囲気さえも感じられました。

 残された奥様の生前予約も綿密にご指示をされたとのこと。
 その方が最後までこだわったのは真紅の薔薇の花でのお別れと、大好きな山の風景の会葬礼状でした。
 享年61歳、ご自分流を貫いた最期でした。

家族葬にこそ弔辞を取り入れよう・・・。

 御家族・ご親族・ごく親しい友人のみのご葬儀が多くなる中、儀式としての読経が40~50分続くのはご列席の方々にとって時には苦行に感じることもあります。
 特に会葬者が少ない場合はお1人お一人が目立つので緊張の度合いも大きくなり、儀式としてつつがなく終わっただけの印象が強く、ともするとお別れの気持も削がれ気味になってしまいます。

 内輪のご葬儀だからこそ、最後のお別れをしっかりと心に留めておきたい方も多いのでは。

 先日、そんな思いにピッタリのご葬儀に出会いました。

 御家族・ご親族中心の家族葬に永年の友人もご参列され、引導を渡す読経の後、ご住職から少しお時間をいただき弔辞を読まれました。

 弔辞ではお身内の皆さんが知らないお仕事での活躍ぶりが披露され、ご列席の方々は大いに納得し、満足げなご様子でお別れが出来たようです。
 
 告別式の後、奥様が友人に「全部言っていただきましてありがとうございました。長生きしているとご縁が遠くなるのは寂しいです」とお礼をされている姿にはどこか毅然とした決意のようなものが感じられました。

 弔辞が読まれ、最後のお言葉を掛けてあげられた安堵感で皆様のお気持も和み、再び始められた後半の読経がより鮮明なものになっていきました。

ご葬儀のキーワードは”安心”

 ご両親や長年連れ添ったパートナーの突然のご不幸に対して、お気持をお察し適切な慰めの言葉を掛けるのは難しい。
 目の前の現実と揺れ動いているご自分のお気持との整理ができない不安定な状況の中でも時間だけは容赦なくすぎて行きます。
 死を完全に受け止められないまま、ご葬儀の準備に入らざるを得ません。

 ご葬儀を目前にして、
 「はたして少しでも故人のお気持にそえる様な葬儀準備が出来たのだろうか。これから大切なお客様をお迎えするにあたり、自分ではよかれと思って事を進めているが果たしてこれでよいのだろうか。
 お見えになられる方々に受け入れてもらえるのだろうか。
 火葬場併設に対する拒否はないだろうか。
 考え始めると益々あせりを感じ、不安がつのってきます」と正直なお気持を問いかけてくる方もいらっしゃいます。

 当センターではご不安を少しでも取り除いてあげられるように、問題の箇所があれば納得いただけるまで1つ1つにお答えしていきます。
まずは安心してご要望にそったご葬儀を執り行っていただけることが先決です。

 また、あと数日という不安状況の中で、事前相談のアドバイスが心のよりどころとなったとおっしゃる方からは、安心した気持でお父様を最後まで看取ることができ、暖かい雰囲気の中で送り出すことが出来たとのご報告をいただきました。
「振り返ってみると看取りと葬儀が『幸せな思い出』となっていることに気が付き、父の死に関わって下さった皆様へ感謝の気持がいっぱいになります」と結んでいました。

担当者の心遣いに拍手をおくりたい

 最近は、街を歩いていて「アンケートに協力してもらえませんか?」といういことは、めっきり少なくなってきたように思いますが、それでも何か物を買ったりしますと、後日、「アンケートをお願いします」はしょっちゅうです。

 アンケートは自分の身において考えてみると面倒なものでもあり、その気持ちにならないとなかなか書きにくいものです。

 ご葬儀が無事終わり、気持ちの整理が出始めた頃、当センターもご依頼者の方々にご葬儀のアンケートをお願いしています。

 皆様お忙しい中にも関わらず、丁寧なご意見、お褒めの言葉、ご希望等率直にお書きいただき、スタッフ一同恐縮しながらも、その心境は通知表を貰う前の小学生のようです。
 アンケートからは思いがけないことも見えてきますし、これからの方向付けにもなり、色々学ばせて頂いております。
 
 中でも直接多く関わった葬儀社の担当者についてのお礼のお言葉にはご紹介してよかったとほっと胸を撫で下ろします。

「母の葬儀を依頼したのですが、遺体に対しても、遺族に対してもスタッフの方々の温かい誠意が伝わってくる葬儀社でした。わからないことだらけの我々に、いつでも携帯で対応してくださったのは助かりました。人の痛みや悲しみをわかってくれるスタッフだったのでとてもよかったです。父の葬儀もお願いしようと思っています。」

 アンケートで知る、担当者の心遣いに思わず拍手をおくりたくなります。

正確な死因究明が求められていますが・・・。

 東京23区には、専従の法医学者らによる監察医制度があります。明らかな病死や老衰をのぞく異常死を対象に死因究明のために法医解剖を行っています。

 監察医制度は、東京23区のほか、横浜、名古屋、大阪、神戸の4市で、その他の地域は大学がこれを担っています。監察医制度がある地域の解剖率は高く、その他の地域の解剖率は低くなっています。

 とすると、どこで亡くなるかによって、死因の判断が変わる可能性も大いにありえます。この死因究明の問題が大きくクローズアップされたのが、2007年に愛知県で起きた力士暴行死事件でした。遺族が動き出さなければ、病死として葬り去られてしまっているところでした。

 とすると、単純に、大学にもっと協力の要請をすればいいのではないかと思えるのですが、大学に重荷になっている現状が、一昨日の読売新聞の記事を読むとわかります。

「スタッフは減少傾向だが、件数は年々増加。解剖医一人が100件以上を担当した大学も10校もあり、秋田大では一人で284件を解剖していた。犯罪の見逃しを防ぎ、正確な死因究明が求められる中、教育・研究が使命の大学に依存する制度は限界に近い」と指摘しています。

「現状のままでは解剖業務を行える医師は将来いなくなる」(横浜市立大)にならないことを願うばかりです。

 2009年の日本の異常死解剖率は10%で先進国の中では最低ということです(フィンランドやスウェーデンの100%、英米豪の50~60%)。