一緒に整理していきましょう。

 最近、「自宅に連れて帰れない場合、葬儀まで何日も待たされることになったら、普通はどうしているのか」というご相談を立て続にお受けしました。
 ご安置できる施設があることを知らず、ずっと心配をされていたようです。ご葬儀の日まで、きちんとご安置できますとご案内し、安心していただきました。

 ご相談では、「常識的なことなのかもしれませんが」とか「こんなことを聞いていいのかわかりませんが」などとおっしゃり、ご心配されていることについて、ご相談者の方が「こんなことを聞いたら恥ずかしいのかもしれない」などと思われているような場面に出くわすことが度々あります。

 ご葬儀のことについては、喪主の立場を何度も経験をする人のほうがめずらしいことです。
 初めて経験される方、また、経験をしたことはあるけれど、何年も前のことでよく覚えていなかったり、状況・環境が変わっていたりするので、わからないことや不安に思うことなどは、あって当然のことで、私たちにとっては、どんなに小さな疑問や要望でも、聞いていただいた方がありがたく思います。

 その時には小さな疑問だと思ってうやむやにしていたことが、いざ、ご葬儀を終えたときに大きなシコリになってしまうということにもなりかねません。
 また、常識的なことといわれていることでも、万人に通用することではない場合もあります。
 
 私たちは、疑問に思っていることやご要望をお聞かせいただき、整理をするためのお手伝いをさせていただいています。
 疑問に思ったことや不安に思っていることは、可能な限りお知らせください。
 
 私たちは、「一度しかないご葬儀に不満を残してほしくない」と思って活動しています。

地域の葬儀社さんを推薦する理由

 当センターの賛同社をご紹介する折の大きな要素として、ご希望されている地域に拠点があり、その地の斎場に精通した葬儀社のみをお引き合わせしております。

 ご逝去は予測できない事態が多く、お見積りをされたご希望の斎場がかなり先まで塞がり、ご喪家との日程が合わず、急遽変更せざるを得ないこともしばしば出てきます。
 ご指名を受けた葬儀社さんはご希望の斎場に見合う斎場をたちどころに捜し出し、さらにその斎場にも精通していることが大事な要素になってきます。

 先日ご葬儀の立会いでお会いした葬儀社の担当者はご相談者の希望されている地域で生まれ育ち、以前に在籍された社でもその区域を長年担当されていた方でした。

 ご紹介した依頼者が出した条件の中で「どの斎場が一番適しているか、また日にちが合わなかった場合にはどこが適当か、どのようにすればご希望に添えるか、地域のことは隅々まで頭の中にインプットされていますので、臨機応変に対応でき、細かなことまで調整できるのも強みです」とお話されていました。

 費用をできるだけ抑えたいご相談者に合わせて、先に検討されていた火葬場併設の斎場と比較しどの位抑えることができるか、またお客様をお迎えするのにふさわしい斎場か否か、あらゆる角度からご要望に近づけ、後日大変喜んでいただけたと伺いました。

 担当者が選んだのはお寺の古い会館でしたが、隅々まで消毒液を使って掃き清められた貸斎場ではお寺の境内という立地条件もあり、こぢんまりした中にも落着いたご葬儀を執り行うことができました。
 価格もリーズナブルで表立ってパンフレットにはうたっておりませんが、お願いしてご遺体を本堂脇のお部屋に通夜当日まで無料でご安置いただけました。
 結果、火葬場へのマイクロバス、霊柩車代等を加算してもかなり費用を抑えることが可能になり、細やかな気配りで、地元の状況をよく把握している強みが発揮されたようです。

 それぞれの葬儀社の方々もご葬儀のプロとして、広範囲の区域を網羅できるように一応の知識を身につけ、訓練されていらっしゃいますが、遠方の場合は細かな情報まではなかなか把握しきれずに、時として小さな穴から水が洩れるような場面も耳にいたします。

 先日も神奈川の葬儀社の方が東京でご葬儀を執り行った際に、東京の斎場では禁止されている看板を地元でのご葬儀と同じようになにげなく出してしまい、あわてて撤去するはめになり、看板を出すことを希望されていたご喪家は困惑され、ちょっとしたトラブルになってしまったことをお聞きしました。

 また、山の手の葬儀社さんが下町のお寺の貸斎場でご葬儀を取り扱った際には、ガードマンを雇って欲しいとの要請が最終見積りを取った後で分り、その分予算オーバーになってしまい、ご喪家にご迷惑をかけてしまったことも聞き及んでいます。

 斎場指定の料理屋さんがあることに気が付かずにいつものように見積りを作成し、通夜当日に判明して急遽斎場指定の料理屋さんにお願いするはめになりましたが、結果見積りよりも高い飲食代になってしまった例など、常に精通している斎場ではありえないミスも時として起こってしまうようです。

 ご紹介する立場といたしましては、先ずご希望の地域の葬儀社さんから見積りを取り、皆様でそれを検討されて、出来るだけ担当者と面談されることを希望いたします。
担当者とのコミュニケーションがはかれ、より深く臨機応変な対応が期待できますので・・・。

本物を見る目

 先日、1年半がかりで自宅のソファを買い替えたという、私より少しだけ年上の友人と話しをしました。
 なんでも、自分が納得のいくソファを探し続けて一年半目にしてやっと出会えたそうです。それは、ブランド物でもなく、高級品でもなく、ただただ自分が納得し、自分の好みにぴったりあったというものでした。大きさ、硬さ、高さ等、全てにおいて妥協することなく探し続けて、やっと良いものに巡り合えたと言っていました。
 探し始めたころは、ただなんとなく「違うな〜」くらいの感じだったのが、沢山のソファを見ていくうちに「これは違う!」とすぐ判断できるようになったとか。
 そんな彼女は、基本的に本物志向です。手帳のカバーひとつをとっても、ノーブランドのものですが、質がいいものを15年以上使い続けて、”いい味”をかもしだしています。
 「こだわるところはとことんこだわる」そして、「良いもの、本物を沢山見ることによって、良くないもの、ニセモノがすぐわかるようになる」が彼女の持論です。

 確かにそうだ!と共感しました。
 それは、物だけでなく、人間関係だったり、環境だったり、仕事だったり…。

 それは、ご葬儀においても同じだと思いました。
 ご葬儀の「こだわり」の部分は、それぞれの環境の中で色々と違ってくると思います。ご自身やご遺族にとって、こだわりたい部分は様々です。
 ご葬儀は、時間的な問題や地域的な問題などがあり、全ての「こだわり」に対応できるわけではありませんが、できる限り、その「こだわり」に近づけていければと思っています。

 そのために、良いものを沢山見て、目と感覚を養おうと思います。

担当者との面談をしていただきたい。

 ご葬儀はやり直しが出来ない分、ご喪家から良いご葬儀だったとお声を掛けていただくことが、担当者の使命でもあります。
 そのためにはご喪家の方々がどんなご葬儀をされたいのか、お気持が見えてくるようなアドバイスをしていくことが、私共の任務にもなっています。
 
 慣れないご葬儀に直面され、漠とした思いの中で一つの手がかりとして場所、規模、予算、内容、日程の五つの重要項目が挙げられ、それぞれにご希望を当てはめていきます。
 この中から、優先順位を決めていくと、ご喪家としてご自身は何を重要課題としていくかが、次第に整理されてきます。
 そのご要望に合った賛同社を私共はご紹介しておりますが、出来ましたらもう一つのハードルを越えていただくことを願っております。
 
 見積りをお取りした後、ご検討され、直接賛同社の担当者と面談をしていただくことです。
 見積りでは分りにくい具体的な内容をお知りになるだけではなく、担当者とのコミュニケーションを計り、これからのご葬儀を一緒に乗り切ることができるか否かをチェックされることも重要な要素になってきます。

 実は、ご葬儀では担当者との相性が事のほか重要性を帯びてくることがしばしばあります。
 様々なプレッシャーと不安を抱えているご喪家のお気持をどれだけ汲んで差し上げられるか、担当者としての技量が問われる時でもあります。
 ところが、担当者として気を利かせたつもりが、時として空回りする場面も出てきます。
 担当者の振る舞いとしてどんなに完璧を目指しても、ご喪家の意に沿っていなければ全て御破算になってしまいます。

 先日頂いたアンケートの中に、担当者のプロ意識は分るが、もう少し放っておいてほしかったという意見がありました。
 お別れの儀では悲しみに浸りたかったが、イスを勧められたりして、かえって気が散ってしまわれたとのこと。
 意思の疎通が足りなかったようです。
 ベテランも常に相手の気持になることを忘れずに・・・。

満足のいくご葬儀をするために欠かせない条件は?

 やり直しがきかないご葬儀にとってご予算の問題、担当者の対応等のサービスの質、どちらでご葬儀をされるか、場所の問題等どれもご満足いただく為にはかかせぬ条件です。
 
 その中であえて順番を付けるとしたらどのようになりますでしょうかとご相談者に質問させていただくことがあります。
 ご葬儀を相談したいがどこからどのように手をつけてよいのか糸口さえも掴みにくいとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
 漠然としていたお気持でお話をされているうちに整理され、どんなご葬儀がお望みなのか気付かれるとご要望も具体的になり、そのご要望により即した賛同社がご紹介できるようになります。

 昨年から今年にかけて、当センターのご相談フォームにお問い合わせ頂いたメールのやりとりの中でお尋ねしたご予算、サービス、場所のご希望順の統計をとってみますと、サービスと場所にこだわる方が圧倒的に多く、ご予算を希望された方が少ないのは意外でした。
 世の中少しでも安く出来るだけ切詰めたいという方よりも、お気持を重視され、手厚く葬りたいとご希望される方が、まだまだ多くいらっしゃるようです。

 ご列席の方々から「良いお式でした」とわざわざお声を掛けて下さったと依頼者の安堵の声が聞こえるようなアンケートをいただく時は、葬儀社をご紹介した当方も一緒にほっと肩の荷がおりたように感じられる一瞬です。

 その良いご葬儀を陰で取り仕切るのは葬儀社の担当者の方々です。
 ご葬儀は担当者の力量が大きくものを言うようです。
 立会いに伺ったりして脇から見ていますと担当者の個性が発揮され、その人となりが自然に出ている方のほうが、全体のムードを押し上げているように思われます。

万が一の時、ご親族にはどなたまでお声を掛けますか。

 都会を中心にお身内だけの家族葬が増えている中、万が一の時どなたにまでお声をかけるべきかということで悩まれる方も多いのではないでしょうか。
 
 時には、故人の遺志によりご家族だけでお見送りをしたいので、ご親戚もお呼びしないという方もいらっしゃいます。
 それぞれのご家庭の普段のお付き合いの度合いにもよりますでしょうが、どなたもお呼びにならないということは、都会生活者とは言え、面倒なことが起きないとは限りません。
 故人の遺志とばかりに、故人と血の繋がりのあるご兄弟までも排してしまうのは如何なものでしょうか。後々のご親戚の付き合いにもひびが入りかねません。
 せめて特に、生前ご縁のあった方々のお見送りしたかった、というお気持ちを酌んであげる配慮も、必要なのではないでしょうか。
 
 また、ご親戚をお呼びする場合でも、ご当人様がお元気な内にどなたまでお声を掛けるかご相談され、生前にリストを作っておかれるのも一案かと思います。
 ご希望された方々に見送られるのにはどなたも異存はないはずですから。
 
 
 

葬儀の見積もり

 「見積もりを取ったにも関わらず、葬儀終了後、見積もりの何倍もの請求書が来たという苦情が多く寄せられている」とのマスコミ報道をよく耳にしますが、通常まともな葬儀社においてそのようなことはありません。

 もしあるとすれば、見積もりとは別の特別注文の祭壇や不必要なオプションを値段も見ずに注文をされたり、はたまた予定の何十倍の会葬者がお見えになってしまったというような、特殊な状況下以外考えられません。

 と申しますのは、概算の見積もりから大幅な変更がありましても、ご葬儀の前には最終的な見積もりのやりとりがあり、必ず確認がありますので。
 後でビックリという不測の事態はさけられますし、むしろ確認もできない場合はご相談を控えるほうが懸命だと思います。
 
 それでも、見積もりの書き方は各社様々ですので、まず当センターではどの様なご葬儀をしたいのか依頼者からご希望・ご要望等を伺い、それに適した地域の賛同社をご紹介し、その賛同社から見積もりを取り、ご説明をしております。

 見積もりの中で注意すべき点は葬儀一式幾らと低料金をキャッチフレーズの様にうたっている場合が見受けられますが、葬儀一式とはご葬儀に掛かる費用の一部で、葬儀社さんに支払う分のみになります。
 その他に斎場費、火葬代、搬送代、マイクロバス代、霊柩車代、料理代、返礼品代、お布施等は一部を除いて別途掛かります。(葬儀社さんによっては一部搬送代や霊柩車代等を一式に含む場合有り)

 また、祭壇等やサービスなども同じものや同じ土俵で競争している訳ではありませんので、価格競争だけで優劣は決められません。

 そのためにも、まずは概算の見積もりを取ってご検討され、できれば担当者と直にお会いして、数字だけでは分りにくいところの説明を受けたり、祭壇などの写真を見てから判断されることをお勧めいたします。

 当センターでは常に見積もりと請求の整合性をチェックしております。

 ●葬儀の見積もり
  ↑↑↑ 当センターのホームページではご葬儀の見積もりに関しての注意点、見積もりの取り方、葬儀費用の算出方等詳しく説明しています。

葬儀予算はどこまで抑えられるか

 電話やメールでのご相談の中で予算を伺うと「病院での支払いで使い果たしてしまったのでできるだけ費用を抑えたい」という切実な声がよく聞かれます。
 葬儀費用といっても葬儀社に支払う以上に斎場費、飲食代(通夜のお清め代と精進落し代)、返礼品代、火葬場費、霊柩車代、移動用のマイクロバス代、お布施代等の費用が別途掛かってしまいます。
 その中でどれをどのようにやりくりして削られるかで予算も大分変わってきます。
 勿論、葬儀社独自のやり方で応じてくれるところ、難しいところはありますが、ご要望に添った方法を少し考えてみましょう。
 
 例えば、葬儀・告別式1日だけにすることも可能です。
 但し、式場費は公営斎場の一部を除いて、2日間単位になっているところが多く、割引は少ないようです。それでも通夜の飲食代、読経代が浮きますので大分費用は抑えられます。
 葬儀社によっては祭壇ではなく、棺の両端や遺影の周りにお花を置くシンプルな飾り方も相談に乗ってくれるようです。供花が多く出た場合は名札を芳名板にして、頂いたお花で祭壇造りもできます。
 「知り合いの花屋さんに花祭壇をお願いしてよろしいですか」という依頼者の方もいらっしゃいましたが、さすが、これは却下されました。出来上がった祭壇を会葬者に批評される可能性もあります。葬儀社としては責任が持てないからとのことです。
 究極の節約ぶりとしては、炉前だけの短い読経をお願いする方法もあります。この場合、葬儀・告別式の読経はなく火葬炉前だけになります。読経代はおおよそ5万円前後と通常の5分の1から6分の1程度で済みます。葬儀・告別式はご焼香だけになります。
 火葬場併設の斎場ですと霊柩車代、マイクロバス代は必要ありませんし、都区内を除いてほとんどが公営ですので費用の面でも抑えられます。
 
 先日電話を頂いた方は「他人の手を煩わせたくないので、自分で自分の棺を造っておき、万が一の時友人に直接火葬場に運んでもらいたいが・・・」との徹底ぶりでした。
 しかし、棺を造るのは構わないが、火葬場の方で個人的に申し込まれても受け付けないようです。霊柩車で運ばれたご遺体のみになります。
 それは搬送でも同じようで、インターネットを見て搬送会社に直接頼む方がいらっしゃいますが、搬送会社は葬儀社を通してお願いしていますとのことです。
 葬儀は一つの形式です。個人が勝手にできないこともでてきます。その形式の中で予算を抑えバラエティに富んだお見送りを考えたいものです。

  
 
  
 
 
 

「葬儀費用はどれくらいかかりますか?」

 葬儀費用の中で、会葬者数によって強く影響をうけるところがどこかを理解しておくとわかりやすいです。

 たとえば、飲食・返礼品はそのものずばり会葬者数によって数量が変わってきます。

 そして、会場と祭壇も影響を受けます。たとえば、500人の会葬者で自宅でというのは、無理があります。それ相応の会場が用意されなければなりませんし、祭壇もそれにふさわしいものがよいと言えます。逆に、家族葬や密葬では、斎場の広さも大きな祭壇も不必要です。

 ということは、葬儀費用は人数をある程度想定しないと費用を割り出せないということになります。

 葬儀社の人が「葬儀費用はどれくらいかかりますか?」という質問に簡単に答えられない、答えてくれないのはこうしたことがあるからです。

 逆に、内容もよく聞かいないうちから、「すべて含めて○○万円でできます!」という葬儀社のほうが怪しいと考えたほうがいいでしょう。

「自分の葬儀を決めておきたい」

 「自分の場合だったらこのようにしたい」とご自分の葬儀をイメージされ、相談される方がこの1~2年目立ってきたようです。
 いざという時慌てないため、残された奥様やお子さん達が混乱しないようにと葬儀のやり方や葬儀社を決めておきたいという訳です。
 以前から思いつつも延び延びになっていたのがインターネットの普及で葬儀に関することが解りやすくなり、決心がついた方が多いようです。
 ご自分の最後をイメージし、決めるのも今が健康だからできることでもあります。
 
 第1条件にこじんまりした葬儀を望む方の場合、家族と近しい親族と親友という本当に別れを惜しんでいただける方のみにきていただきたい。
 これまでに多くの葬儀に参列されたが亡くなられた方とはほとんど面識もなく、ご家族への義理で伺ったことからの反省の意もあるようです。
 参列して頂かなかったお知り合いの方にはしかるべき時点で、ご家族から亡くなった旨をはがきで知らせてもらうようにするとのことです。
 予算、場所、サービスの順序も集まっていただくのは大切な方ばかりですので、まずは何をおいてもサービス第1。
 葬儀社の決め手も、いざという時当の本人はおりませんので、「約束を守り、誠実にやっていただけるところが第1です」とのことです。

 概算の見積りは当センターが依頼者のご要望を各葬儀社に連絡し、依頼者が直接葬儀社からお取りになり、その内容をもとに見積り内容の比較・サービスの評判等をアドバイスさせていただきました。
 「これでいざという時、子供たちには葬儀社に電話するだけで良いようにしておけます」とのことでした。