終活における葬儀の事前相談

 終活という言葉が浸透して、テレビなどでもよく目にするようになり、自分自身の葬儀について具体的に考える方が増えてきたように思います。

 当センターでも、「まだ先のことだけれど」と、ご自身の将来のご葬儀について、また、ご両親は現在お元気な状態ではあるけれど高齢なので…、などの長期にわたるご相談が増えてきました。

 現在のご要望や状況をおうかがいして、現時点でのご要望に適した葬儀社さんを紹介させていただいておりますが、その際には必ず、折を見て、お見積りやご要望についての見直しをしていただくようにお勧めしています。
 事前に依頼する葬儀社を決めておいて、万が一の際にはそこへ連絡をすればいいということを決めておくのは安心につながります。
 ただ、動きが激しい今の時代では、短いスパンで色々なものが変わっていく可能性が高いことから、葬儀を取り巻く状況も今後大きく変わっていくかもしれません。

 例えば、ここ数年の間に、家族葬を希望する方が急増しました。それに伴い、家族葬に適したサービスを提供する葬儀社や、小規模なご葬儀にも対応できる斎場なども増えてきました。また、家族葬という葬儀のかたちを理解する人が増えたことから、家族葬を希望する方にとっては、10年前よりもずっと利用しやすくなったのではないかと思います。

 当センターでも、よりよいサービスをご提供できるよう、更なる努力をしていますし、賛同葬儀社さんにおいても良いご葬儀ができるよう、また、ご依頼者の方が安心できるように努力をしています。

 今後数年で、また新しいサービスが生まれるかもしれませんし、良い葬儀社さんが増えれば、当センターに賛同してくださる葬儀社さんも増えていくかと思います。
 また、葬儀社さんが提出する事前のお見積書の有効期限はほとんどの社が1年間と設定しています。

 このようなことから、長期にわたるご相談の場合には、1年〜2年くらいのタイミングでの見直しをお勧めいたします。

万が一の時には。

当センターでは、ご相談の際にお聞きしたご要望を、ご紹介する賛同葬儀社に伝えていますが、その際、センターから賛同葬儀社へ伝えるのは、ほとんどの場合、ご要望とお住まいの地域(例えば東京都ならば○○区くらいまで)とご相談者の方の名字くらいまでで、ご相談者様からの許可が無い限り、詳細な住所やフルネームなどの個人情報は伝えていません。 このことから、万一のことが起きて、ご相談者の方が依頼する葬儀社へ直接連絡をした際に、『どこから紹介されたのか』ということを伝えることは、スピーディーに対応してもらうためにとても有効な一言になります。 葬儀社では、事前相談を受け付ける窓口がいくつもある場合が多く、また、既に他社でご葬儀をされていても、連絡が無い場合には、ご葬儀がもう済んでいることを知らずにその時の事前相談の資料はそのままとっておいてあることも多いことと思います。 そのため、事前相談の資料はどんどん溜まってしまうので、どの事前相談だったのかを短時間で探すのが難しくなる場合もあるのではないでしょうか。 事前相談の資料の管理は各葬儀社さんでそれぞれわかりやすいように工夫をされていることでしょうけれど、緊急な状況の中で、名前を告げられただけでは、その中の1件を見つけるのは少し時間を要するのではないでしょうか。 そのような状況で、例えば当センターからの紹介の場合には『事前相談であさがおから紹介された』とお伝えいただければ、その1件を見つけることが容易になり、その時点で事前のご相談内容も確認できるので、対応もスムーズになると思うのです。 葬儀社のスムーズな対応は、大切な人が亡くなって動揺されているご依頼者の方にとって安心につながります。

見積もりをipadで見られるなんて

 カバンからおもむろにipadを取り出して、
「今度から、打ち合わせで見積もりを作るときに、これを使おうと思っています」
 とある葬儀社の人と先日雑談をしていた時のことです。

 祭壇は言うに及ばず、それぞれの商品ごとに様々なバリエーションがあります。一般的に、打ち合わせでは、それらバリエーションの中から一つ一つ選択していって見積もりを作っていくことになります。なので、葬儀社さんの担当者は、打ち合わせでは、膨大な紙の資料を持参していくことになります。

 これらの資料をデータ化して、ipad上で見られるようにして、なおかつ、それぞれの商品ごとに好きなものを選択でき、見積もりまで作成させてしまおうという試みです。

 これを見たとき正直、こんな細かいものをよく作ったものだと感心しました。
 紙で資料を整理しておくよりも電子データで一元化しておけば管理も正確で楽になると思います。

 今日、手書きメモ類を整理していて、このことを思い出したのですが、メモ類には応用できそうにない感じです。
 デジタル人間ならば、第二の脳をコンセプトにしたエバーノートにでもメモ類もどんどん放り込んで利用するところでしょう、というより最初から、そもそも手書きメモよりも電子メモのような形態にするのでしょうか。

 結局のところ、メモを書きなぐって、ある程度たまったら見返して、ほとんど捨てる、というサイクルになっているような気がします。

満足のいくご葬儀をするために欠かせない条件は?

 やり直しがきかないご葬儀にとってご予算の問題、担当者の対応等のサービスの質、どちらでご葬儀をされるか、場所の問題等どれもご満足いただく為にはかかせぬ条件です。
 
 その中であえて順番を付けるとしたらどのようになりますでしょうかとご相談者に質問させていただくことがあります。
 ご葬儀を相談したいがどこからどのように手をつけてよいのか糸口さえも掴みにくいとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
 漠然としていたお気持でお話をされているうちに整理され、どんなご葬儀がお望みなのか気付かれるとご要望も具体的になり、そのご要望により即した賛同社がご紹介できるようになります。

 昨年から今年にかけて、当センターのご相談フォームにお問い合わせ頂いたメールのやりとりの中でお尋ねしたご予算、サービス、場所のご希望順の統計をとってみますと、サービスと場所にこだわる方が圧倒的に多く、ご予算を希望された方が少ないのは意外でした。
 世の中少しでも安く出来るだけ切詰めたいという方よりも、お気持を重視され、手厚く葬りたいとご希望される方が、まだまだ多くいらっしゃるようです。

 ご列席の方々から「良いお式でした」とわざわざお声を掛けて下さったと依頼者の安堵の声が聞こえるようなアンケートをいただく時は、葬儀社をご紹介した当方も一緒にほっと肩の荷がおりたように感じられる一瞬です。

 その良いご葬儀を陰で取り仕切るのは葬儀社の担当者の方々です。
 ご葬儀は担当者の力量が大きくものを言うようです。
 立会いに伺ったりして脇から見ていますと担当者の個性が発揮され、その人となりが自然に出ている方のほうが、全体のムードを押し上げているように思われます。

見積りだけでは分らないご葬儀の満足度。

 ご葬儀に立会い、葬儀社の担当者の采配ぶりを拝見していると、思わず「さすが」と感心させられることしばしばです。
約1時間の葬儀・告別式の進行そのものは特別な事がない限り目立った違いはないはずですが、同じ演目の芝居やオーケストラが演出家や指揮者によって違ったものになるように、担当者によってご葬儀の中身や雰囲気がガラッと変わってきてしまいます。

 黒子に徹し、常に一歩下がってサポートする方、また二人三脚でご一緒に考えましょうと言う方、半歩前から色々アドバイスされる方、それぞれの担当者の持ち味を活かしたやり方でご喪家と接しているようです。
 細やかな気配り、和やかな雰囲気づくり、臨機応変な対応ときますとベテランの方に一日の長となりますが、若手の担当者にはフットワークがよく、依頼者の意図をうまく汲み取ってくれ、コミュニケーションも取りやすかったというアンケートも頂いております。
 また、思いもかけなかった突然の出来事に遺族だけでは思慮しきれない部分の助言や導きがあり、大変助かりましたというお言葉も頂いております。

 よりご満足のいくご葬儀を希望されるならば、見積りの高い安いだけでは分らないソフトの面も合わせてご確認いただきたいと思います。
 その為にも、出来ましたら担当者に会って具体的なお話を伺ってみることも大切です。担当者の人となりを知る上でも・・・。

見積りはしっかり見ましょう・・・。

 最近見積りについての電話でのお問い合わせが目立っています。
 当センターがNPO法人ということで、信用していただいた上でのご相談が相次いでいます。
 できるだけ無駄を省きたいが取り寄せた見積りは正当なお値段なのか。
 病院付きの葬儀社に頼んだら搬送だけで法外な値段を要求されたが、相場は幾ら位なのか。
 はたまた同族会社の経営者だったお祖父様が急死され、社葬を頼んだ葬儀社が不当な請求をしてきたのでご相談したいとお孫さんからの問い合わせがありました。
 社葬の場合は先ず会社の取締役会での承認を得て執り行われますが、あわただしい中で担当の社員の方も葬儀社の説明をよく理解されないままことが運ばれてしまい、請求書を見てびっくりのご様子。
 契約される前の打ち合わせの段階でどのような説明がなされたのか、最終的な見積りはどんなだったのか。
 お願いしていないテントが張られたとおっしゃいますが、数百人の会葬者がおいでになる場合には必要なものでは・・・?
 祭壇も半額に負けると言われ、お花も供花が組み込みになっているのでただ同然になるのではとおっしゃいますが・・・?
 どうも一つひとつ十分な説明がなされないままご葬儀をされてしまったようです。
 最終的な見積書と請求書の中身を見比べ、じっくり検討され、葬儀社と話し合う必要があるようです。
 近頃、見積りを取ることまでは一般的に浸透してきましたが、さらに中身を検討され、また紙の上だけでは分らないことがありますので担当者に会って話を聞き、祭壇等は写真を見て判断されることも必要です。

葬儀の見積もり

 「見積もりを取ったにも関わらず、葬儀終了後、見積もりの何倍もの請求書が来たという苦情が多く寄せられている」とのマスコミ報道をよく耳にしますが、通常まともな葬儀社においてそのようなことはありません。

 もしあるとすれば、見積もりとは別の特別注文の祭壇や不必要なオプションを値段も見ずに注文をされたり、はたまた予定の何十倍の会葬者がお見えになってしまったというような、特殊な状況下以外考えられません。

 と申しますのは、概算の見積もりから大幅な変更がありましても、ご葬儀の前には最終的な見積もりのやりとりがあり、必ず確認がありますので。
 後でビックリという不測の事態はさけられますし、むしろ確認もできない場合はご相談を控えるほうが懸命だと思います。
 
 それでも、見積もりの書き方は各社様々ですので、まず当センターではどの様なご葬儀をしたいのか依頼者からご希望・ご要望等を伺い、それに適した地域の賛同社をご紹介し、その賛同社から見積もりを取り、ご説明をしております。

 見積もりの中で注意すべき点は葬儀一式幾らと低料金をキャッチフレーズの様にうたっている場合が見受けられますが、葬儀一式とはご葬儀に掛かる費用の一部で、葬儀社さんに支払う分のみになります。
 その他に斎場費、火葬代、搬送代、マイクロバス代、霊柩車代、料理代、返礼品代、お布施等は一部を除いて別途掛かります。(葬儀社さんによっては一部搬送代や霊柩車代等を一式に含む場合有り)

 また、祭壇等やサービスなども同じものや同じ土俵で競争している訳ではありませんので、価格競争だけで優劣は決められません。

 そのためにも、まずは概算の見積もりを取ってご検討され、できれば担当者と直にお会いして、数字だけでは分りにくいところの説明を受けたり、祭壇などの写真を見てから判断されることをお勧めいたします。

 当センターでは常に見積もりと請求の整合性をチェックしております。

 ●葬儀の見積もり
  ↑↑↑ 当センターのホームページではご葬儀の見積もりに関しての注意点、見積もりの取り方、葬儀費用の算出方等詳しく説明しています。

葬儀予算はどこまで抑えられるか

 電話やメールでのご相談の中で予算を伺うと「病院での支払いで使い果たしてしまったのでできるだけ費用を抑えたい」という切実な声がよく聞かれます。
 葬儀費用といっても葬儀社に支払う以上に斎場費、飲食代(通夜のお清め代と精進落し代)、返礼品代、火葬場費、霊柩車代、移動用のマイクロバス代、お布施代等の費用が別途掛かってしまいます。
 その中でどれをどのようにやりくりして削られるかで予算も大分変わってきます。
 勿論、葬儀社独自のやり方で応じてくれるところ、難しいところはありますが、ご要望に添った方法を少し考えてみましょう。
 
 例えば、葬儀・告別式1日だけにすることも可能です。
 但し、式場費は公営斎場の一部を除いて、2日間単位になっているところが多く、割引は少ないようです。それでも通夜の飲食代、読経代が浮きますので大分費用は抑えられます。
 葬儀社によっては祭壇ではなく、棺の両端や遺影の周りにお花を置くシンプルな飾り方も相談に乗ってくれるようです。供花が多く出た場合は名札を芳名板にして、頂いたお花で祭壇造りもできます。
 「知り合いの花屋さんに花祭壇をお願いしてよろしいですか」という依頼者の方もいらっしゃいましたが、さすが、これは却下されました。出来上がった祭壇を会葬者に批評される可能性もあります。葬儀社としては責任が持てないからとのことです。
 究極の節約ぶりとしては、炉前だけの短い読経をお願いする方法もあります。この場合、葬儀・告別式の読経はなく火葬炉前だけになります。読経代はおおよそ5万円前後と通常の5分の1から6分の1程度で済みます。葬儀・告別式はご焼香だけになります。
 火葬場併設の斎場ですと霊柩車代、マイクロバス代は必要ありませんし、都区内を除いてほとんどが公営ですので費用の面でも抑えられます。
 
 先日電話を頂いた方は「他人の手を煩わせたくないので、自分で自分の棺を造っておき、万が一の時友人に直接火葬場に運んでもらいたいが・・・」との徹底ぶりでした。
 しかし、棺を造るのは構わないが、火葬場の方で個人的に申し込まれても受け付けないようです。霊柩車で運ばれたご遺体のみになります。
 それは搬送でも同じようで、インターネットを見て搬送会社に直接頼む方がいらっしゃいますが、搬送会社は葬儀社を通してお願いしていますとのことです。
 葬儀は一つの形式です。個人が勝手にできないこともでてきます。その形式の中で予算を抑えバラエティに富んだお見送りを考えたいものです。

  
 
  
 
 
 

見積もりの書き方は、葬儀社の特徴を表す一つの指標

 見積もりを複数社から取るとわかるのですが、葬儀社によって見積書の書き方はバラバラです。仮に施行する内容がまったく同じだとしても、葬儀社によって項目の書き方に違いがあります。(現実的には、今後も統一されるということはありません)

 なので、一見すると非常にわかりづらく感じられるのですが、大枠をおさえて、次のように整理して考えるとわかりやすいです。

 葬儀費用は、仏式の場合、大別すると、1・葬儀一式(葬儀に関わる基本のもの)、2・飲食、3・お布施、4・香典返し、になります。

1、葬儀一式(葬儀に関わる基本のものです)
・葬儀関係  祭壇、棺、飾りつけ、遺影、ドライアイス、焼香用具、白木位牌、受付設備、看板、枕・後飾り、骨壷、喪主花、遺体保管料、会葬礼状、役所手続き代行など
・火葬場関係  火葬料、待合室費
・車両関係 寝台車、霊柩車、マイクロバス、ハイヤー
斎場関係 式場使用料
・返礼品関係 会葬御礼品、(後日、香典返しをしないで、式当日、香典返しをする場合もあります。その場合、4の「香典返し」は必要ありません)
・そのほか 心づけなど

2、飲食
通夜ぶるまいと、精進落し、飲物などです。

3、お布施
読経や戒名に対するものです。

4、香典返し

 ちなみに、当センターでは、見積もりの書き方の違いを、各社の特徴を表す一つの指標であるととらえています。要するに、各社の意識のあり方を現わしているものだと思うのです。

 

「葬儀費用はどれくらいかかりますか?」

 葬儀費用の中で、会葬者数によって強く影響をうけるところがどこかを理解しておくとわかりやすいです。

 たとえば、飲食・返礼品はそのものずばり会葬者数によって数量が変わってきます。

 そして、会場と祭壇も影響を受けます。たとえば、500人の会葬者で自宅でというのは、無理があります。それ相応の会場が用意されなければなりませんし、祭壇もそれにふさわしいものがよいと言えます。逆に、家族葬や密葬では、斎場の広さも大きな祭壇も不必要です。

 ということは、葬儀費用は人数をある程度想定しないと費用を割り出せないということになります。

 葬儀社の人が「葬儀費用はどれくらいかかりますか?」という質問に簡単に答えられない、答えてくれないのはこうしたことがあるからです。

 逆に、内容もよく聞かいないうちから、「すべて含めて○○万円でできます!」という葬儀社のほうが怪しいと考えたほうがいいでしょう。