社葬と一般葬

 センターのサイト内(地域版)にある、社葬のページをもう少し詳しく作りなおそうと、何年か前に一度読んだ社葬に関する本を読みなおしているのですが、そんな中、「初代社長の万一の事に備えて」とのご相談を頂きました。
二代目社長として後を継いでいる息子さんからのご相談ですが、初代の社長はまだお元気なご様子。
 先々に「備えて・・」というよりは、「会社関連の方の接待を含めてそれなりにきちんとするにはどうしたらいいか・・」という初めてであるがゆえの漠然とした不安があったようです。

 社葬にするか、一般葬にするか、これは会社や家族の考え方で方向が決まるわけですが、ご相談者の会社は小規模で「社葬」というよりは一般葬の方が現実的とのことでしたので、規模が大きくなるような一般葬という形で進めていきました。
 小規模で家族も一緒に働く会社の場合、社葬ではなく遺族が主となって進める一般葬を選ぶことも多いようで、このご相談者も今まで何回か得意先などの代表の方の葬儀に参列したご経験があるとのことでしたが、いずれも一般葬でのご葬儀だったそうです。

 ずいぶん前の事ですが、私が勤めていた会社の社長が現役で亡くなり、葬儀は社葬で行った事を思い出しました。
 従業員10名以下という小規模な会社でしたが、家族の要望で「社葬」という形で執り行われ、かなり多くの方が葬儀にご参列いただいた葬儀でしたので、とても慌ただしく大変だった覚えがあります。
 私は経理関係に関与していなかったのでそのあたりはよくわからないのですが、その後も税理士さんと色々やり取りをしていたところを見て、社葬って大変なんだな・・と思ったり。
 
 大きな企業では社葬取扱規定などが予め準備されていて、急な万一の事にもスムーズに対応出来るようにされているところは多いと思いますが、小さな会社などではそこまで考える必要もないと思われている事もあると思います。

 会社関連の方が多くお越しになる葬儀は社葬でなくてもそれなりの対応が求められますので、まだ先の事であっても、何を考えておかなくてはならないのかなど、漠然とした心配があるようでしたら、一度ご相談されるとご安心いただけるかもしれません。

式場の使い勝手。

 斎場の見学をさせていただいていますが、「よく使ってくれている葬儀社さんから『こうなっていると使いやすい』とか『ここが使いづらい』とか言われたんですよ」など、葬儀社さんから使い勝手がよくなることを指摘してもらい、改装したというお話しをいくつかの斎場でお聞きすることがありました。

 葬儀社さんは多くの式場を使っているので、とても参考になる意見のようです。

 先日伺った斎場では、式場の出入り口がひとつしかなかったころ、葬儀社さんから、「出入り口がもうひとつあるとお清め所への流れがよくなる」との意見から、式場の横にもうひとつ出入り口を作ったそうです。
 また、他の斎場では、3階に大きめの式場、2階にその式場用の会食所と、フロアが別れていたところ、会食所にしているフロアに小さめの式場があると、小規模な家族葬に使いやすくなるという意見から、2階を小規模な式場と会食所に変更したところ、今ではその2階部分が一番使用されているとのこと。

 昨年、古くからあった式場を建て替えてリニューアルしたばかりの式場にお邪魔した際に、式場の関係者の方から話しを伺おうとしたところ、先方から「どこか使いにくいようなところは無いですか?」と。
 葬儀社さんから、「大式場と小式場の間隔が狭いのでお互いの音が聞こえてしまう」という意見があったとのこと。
 そこで、改修するのは難しいので、防音のパーテーションを注文したそうです。

 式場側も、葬儀社さんも、葬儀をされる方の側に立って、ご葬儀というお辛い場であるからこそ、少しでも快適に過ごして頂きたいという想いが伝わります。

アドバイスに活かせるように。

 最近、斎場の見学や賛同葬儀社さんの会社に行って話を聞いたりなど、色々な話しを伺う機会が多く、とても勉強になります。
 それぞれの立場から、葬儀をされる方の要望や気持ちを汲み取って、出来る限り熱心に対応しているということがよくわかります。
 
 最近の斎場はバリアフリーに対応している所もずいぶん増えてきました。会葬される方が高齢だったり、お身体が不自由な方でも大切な方をきちんと見送れるような配慮がなされています。
 もちろん、まだエレベーターが無く、式場と会食室が1階と2階に分かれていたりする所もありますが、少人数なら出来るだけすべて1フロアで完結できるようにしたり、車いすの移動にスタッフが介助したりなどソフトの面で出来る限り対応したりなどの工夫もあるようでした。

 つい先日伺った葬儀ホールは、オーナーさんをはじめ、スタッフの方々の細やかな心くばりが随所でうかがえる、とても気持ちの良い空間になっていました。
 全体的に明るい雰囲気で、各フロアのところどころに使い捨てのおしぼりが配置され、わざわざ手を洗いに行かなくても気持ち良くいていただけるようにされています。
とても小さな気遣いですが、ホールを利用される方側の気持ちになって、ご葬儀という悲しい状況の中で、少しでも快適に過ごして頂きたいという気持ちが伝わってきました。

 ホールの見学を終えて帰る際、出入り口のドアを開けるときに、私が“このドア、引くんだっけ?押すんだっけ?”とガタガタやっていたところ、ホールのスタッフさんが、「あっ!そうか、そうですね!書いておかないと分からないですね!」と・・。
 結局、そのドアは横にスライドするものだったのですが、私がガタガタやっていったのを見て、こういう人もいるという、とても小さなことに気がつかれたようです。
 恐らく、今頃そのドアには開く方向の「矢印」が書かれていることと思います。
 このホールはこれからもどんどん進化していくだろうなと思いました。

 このような経験も、ご相談のアドバイスに活かしていければと思います。

満足・不満足

 先週もいくつかの斎場や賛同葬儀社さんの訪問に行ってきました。
 急なお願いにもかかわらず、お伺いさせて頂いた斎場や葬儀社さんはとても熱心に対応して下さり、葬儀社として、斎場として、葬儀をされる方々のために頑張っている姿を見させて頂きました。
 
 以前、「葬儀屋なんてどこも同じでしょ、電話帳を見て近い所に電話すれば葬式はやってもらえる」というお電話を頂いたことがあり、このことは何度かブログでも違う意味合いで書いたことがありますが、なぜか今でもずっと気持のどこかに引っかかっていて、消化できていないフレーズとして残っています。

 葬儀屋さんはお葬式をやるのが仕事ですから、お葬式はやりますが、「どこも一緒」・・・?
一緒なのか、違うのか・・・

 葬儀を経験された方で、次の葬儀も同じ葬儀社に依頼される方は多いと思います。
 その方々は、「とてもよくして頂いたので」「前にもお願いしたから」「特に不満もなかったから」「他に頼むところが分からなかったから」などの理由から同じ葬儀社に依頼されるのだと思いますので、それは最初に安心な葬儀社に出会えたということで、それはとても良かった事だと思います。

 ただ、残念な事に実際に葬儀で後悔されたという方から、「今度の葬儀では同じ思いをしたくないので」というご相談を頂くことがあるのです。

 葬儀屋さんがどこも同じならば、このような満足、不満足は生まれないのでは・・と。

 葬儀屋さんはどこも同じではありません。また、葬儀をされる方も環境や状況、要望なども同じではありません。
 そして、満足・不満足は人によって感じ方が違うと思います。

 「電話帳を見て近い所に電話すれば葬式はやってもらえる」、確かにそうですが、ただお葬式をやってもらえればいいというわけではなく、きちんと対応してもらいたいと思われれいる方は、葬儀社を選ぶことを考えて頂けるといいなと思っています。

 一生懸命になってくれる葬儀社さんはたくさんあります。

斎場の訪問

 長かったゴールデンウィークも終わり、今日から日常に戻られた方も多いかと思います。
 私もこの間、後半にお休みをいただき、リフレッシュさせていただきました。
 
 休みが明けたので、これから数週間、暑くなるまでの間に出来るだけ斎場に訪問し、センターのサイトに反映させていく予定です。
 センターへご相談されるほとんどの方は、インターネットでセンターの存在を知って下さり、サイトを見ていただいたうえでご相談されています。
 そのため、センターのサイトはご相談者の状況がどのような場合でもご参考にして頂けるようなものにしていかなくてはなりません。

 まだまだ、改善するところはたくさんありますが、まずは足りない情報を追加するということで、斎場案内のページから「準備中」のページをなくすために、斎場取材に行ってきます。

 普段はデスクワークでかなりの運動不足になっているので、身体を動かすいい機会にもなると思いますので・・・。

葬儀社が遠いので・・・

 以前、都心の病院でお身内の方がお亡くなりになり、病院に入っている葬儀社と話しをされたところ、葬儀社の所在地がご自宅から離れていたことで、できれば自宅近くの葬儀社がいいのでとご相談を頂いたことがありました。
 自宅から近い葬儀社のほうが、なにかあってもすぐに対応してくれると思うからということがこのご相談者が近くの葬儀社にしたいということの理由でしたが、実際にはそれだけでなく、近隣の状況に詳しいことによるメリットなどもあります。
 地元に詳しく、近隣の斎場に精通しているからこその臨機応変な対応も期待できるかと思います。
 例えば、ご葬儀後にご家族・ご親族の皆様と食事に行きたい等のご要望にも、近隣の料理屋さんを紹介できるなど、ご葬儀前にはお考えになられていなかった急なご要望にもスムーズに対応していただくことが可能になる場合もあります。

 基本的に、公営斎場や民間の貸式場などはどこの地域の葬儀社でも対応することができますが、遠い斎場の場合、使いなれているかという点については不安があります。
 ネットなどで広域の施行範囲を謳っているところなどもありますが、その会社がどこにあるのかなども調べたほうがいい場合もあるように思います。

 先日、都心の病院でお亡くなりになり、ご自宅がある府中で葬儀を行いたいとご相談を頂きました。ご相談者は、最初、病院に入っている葬儀社さんにご依頼するおつもりだったとのことでしたが、府中はここから遠いので対応は難しいと断られてしまったとのこと。
 センターからはご相談者が希望されている斎場にとても精通し、すぐに対応出来る葬儀社をご紹介させていただき、無事にご葬儀を終えられました。
最初に断られてしまった時には、ご家族はとても心配になられたことと思いますが、無理に対応してもらったところで満足のいくサービスは受けられなかったかもしれません。

 葬儀社とのお付き合いは、ご家族によっては葬儀後にも長く続くこともあります。
 信頼できて近くにある葬儀社を選ばれるのが安心につながるのではないかと思います。

斎場サイドも認める担当者像とは・・・。

ご希望の市営斎場が1週間先まで塞がっている状況に、仕事の都合もあり、そこまで待てないので他を・・・とご喪家サイドからの要請を受け、ご葬儀の担当者は、急遽市営斎場近くにある寺院所有の斎場を押さえ、ご喪家のご了解を得て事なきを得ましたが、再度ご喪家から通夜の晩は一晩御兄弟で故人様に付き添いたいとの新たなご注文を頂くことになりました。

 こちらの寺院斎場では通常檀家以外の方をお泊めすることはできないとのことでしたが、担当者の願いと長年の実績や人望が斎場サイドから評価され、俗名での読経をご承知頂いて、ご相談者の願いを叶えることができました。

 以前、当方もこちらの斎場に立会いでお伺いした際、今回と同じ担当者の方にご葬儀を執り行っていただき、そのバイタリティ溢れる仕事ぶりは斎場サイドの方も認める程で、頼もしく拝見させていただいたことが思い出されます。

 当時、ご家庭のご事情で葬儀費用を心配されていたご相談者には、神奈川県の逗子から埼玉までの搬送代を懇意にしている業者に破格の料金で頼み、皆様から頂いた供花を組み込み式の生花祭壇に利用し、組み込まれたその分の費用をお料理の方にまわすことを提案されていました。

 ご会葬の方々は当初の見込みよりも多くお越しいただきましたが、ご予算内でまかなうことができ、組み込み式の生花祭壇も予想以上の華やかさで、お別れにお見えになられた方々からも大好評ですとおっしゃった、ご相談者のほっとされたお顔が今でも目に浮かびます。

 日常とは異なる格式ばった儀式としてのご葬儀も、お身内のみでのお別れが多くなるにつれ、その良し悪しは担当者の生活者としての目線とその采配ぶりが大いに関係して来るように思われます。

 必要とあらば、一軒一軒のご葬儀に汗水流し、時間を問わず全力でぶつかっていく肝っ玉母さんのような心意気が今後益々必要となるのでは・・・。

無理が効く、地元の強み

   「母の時もよろしくお願いいたします」
 ご葬儀が執り行われた帰りしな、ご葬儀担当者は先程までの緊張されたお顔が一変し、安堵の表情を浮かべている喪主様からご丁寧なご挨拶を頂いたとの由。

 「父はすでに定年後30年以上経っており、かつてのお仲間も少なくなり、母も高齢で車椅子生活ですので、公営の斎場での1日葬を希望しておりますが・・・」。
 ご相談者から最初のご相談をいただいたのは丁度1年程前でした。

 ご要望に見合った地元の賛同社を複数社ご紹介し、各社のお見積りをご検討いただいた中から、ご相談者はご希望の社を絞り込み、万が一に備えていらっしゃいました。

 ご逝去の報を受けた担当者が、第1志望の公営斎場の空き状況を確認したところ、式場は最短で1週間待ちとのこと。

 ご喪家にとって1週間お待ちするのは難しいとのことで、お身内からも幾つか斎場候補があがりましたが、いずれも著名な斎場で家族葬には広すぎ、それに伴って斎場費も高額になり、ご希望の「こぢんまりと質素に」とは少しかけ離れておりました。

 さらに遠方にお住まいのご相談者の弟様からは、最後の夜は一晩お父様とご一緒されたいとのたっての願いが言い渡されました。

 通常、1日葬ではなかなか受け入れ難い申し入れですが、担当者は地元の斎場を幾つかご紹介していく中で、1日葬の場合には通常の半額になる斎場もあることをお話し、知り合いのご住職のいるそちらの斎場でしたら、通夜を執り行わなくても、ご相談によってはお父様と最後の晩をお過ごし出来る旨申し上げたとのこと。

 1階にご安置されている柩を2階の和室にお運びし、翌朝再び1階の斎場に戻す手立ては階段しかなく、こちらの作業はご喪家サイドにお任せされており、かなりの重労働になりましたが、当日は御兄弟3人で力を合わせてお父様をお運びされ、一夜をご一緒できたことに感慨無量の面持ちだったご様子を後程伺いました。

 ご住職も、和室は空いていたからと1日葬の斎場費のみで、こちらの使用料はお受けにならなかった模様です。
 地元に詳しい担当者の計らいで、ご満足のいくご葬儀を無事滞りなく執り行うことができました。

葬儀式場を選ぶには・・・

 葬儀社と斎場の関係がよくわからないという方は意外と多いかもしれません。
 消費者の方からの目線で見た場合、よく目にする葬儀場はどこが運営しているのかなど、あまり気にすることはなく、お身内の方が心配な状況になっても「あそこに式場があった」などの少ない情報で葬儀社を決めてしまわれることも少なくないように思います。

 葬儀場は、葬儀社が保有する自社斎場や、区や市など行政が運営している公営斎場、また、寺院や地域が運営しているような貸斎場など、管理している所が違うことによって、葬儀社を選ぶという選択肢があるにも関わらず、それに気づかないこともあるのかもしれません。

 先日、事後のご相談でどの葬儀社でも対応ができる○○会館(民間の貸式場)を紹介してほしいとおっしゃる方がいらっしゃいました。
 そのご相談者は斎場が葬儀を全て行ってくれると思っていらっしゃったとのことで、式場は葬儀社が予約を行ないますので、そこの式場に慣れている葬儀社をご紹介させていただく旨の説明をしたところ、ご理解されたということがありました。
 
 また、他にも「○○斎場ですか」と、斎場と間違えてお電話をいただき、お話しを伺うと、その方も斎場に依頼すれば葬儀が行えるものだと思われていたということもあります。

 たしかに、葬儀社が自社で運営している自社会館はその葬儀社さんのみが葬儀を行える会館であることが多く(まれに、どなたでも使える貸式場にしているところもありますが)、インターネットやCM、広告などでも目立つため、消費者の方が葬儀式場=葬儀社と思われてしまうのも無理は無いかと思います。

 使用したい葬儀場が葬儀社の自社会館であれば、その葬儀社に依頼することになりますが、公営の斎場や民間の貸式場の場合は、「葬儀を行う場所を貸している」だけですので、ご葬儀のお世話をする葬儀社はご利用される方が自由に選ぶことができます。
 自社会館を持たない葬儀社は、自社会館を保有する葬儀社よりも多いです。
 つまり、「貸式場を利用したい」と思われている方には、葬儀社の選択肢が多くあるということになります。

暑くなる前に動きます・・。

 最近、暖かくなってきたので賛同葬儀社さんの会社に訪問させていただいています。

 先日はさいたま市へ。
 事前にご都合を伺ってから予定を組むのですが、急なキャンセルがあっても仕事柄やむを得ません。
 先日、5件の葬儀社さんにお邪魔するはずでしたが、実際にお邪魔出来たのは3件でした。
 時間に余裕ができたので、少しくらい迷ってしまっても大丈夫と、気持にも余裕ができ、日ごろの運動不足解消できたかも、と思うくらいけっこう歩きました。

 葬儀社さんと話しをする際、やはり、どの様な社が選ばれているのかということが気になるようです。
 センターから意見をすることはありませんが、お話しをさせて頂いた葬儀社さんは、気になることや直した方がいいことがあれば言って下さいと、少しでもご依頼される方が満足のいく葬儀になるように努力するという気持ちが伝わり、私の方もとても勉強になります。

 私は、暑くなると動きが止まってしまうので、夏が来る前に、またあちらこちらにお邪魔して、勉強させていただこうと思っています。