ご葬儀の満足度は担当者の腕にかかっているようです。

 当センターではご葬儀の後、一段落された頃を見計らってご依頼者にアンケートをお願いしております。

 我々の反省材料として、また今後のセンターの進め方としての貴重なご意見を沢山頂き、大変感謝しております。
 中でもご葬儀の進行役の担当者に対するご意見はご葬儀の良し悪しを決定付ける程の重要な役割を持っています。

 ご葬儀では葬儀担当者の力量が問われ、質も大きく左右されますし、また担当者とのコミュニケーションも大事な要素になりますので、当センターの事前相談ではお時間が許せば、見積りを検討された後、担当者と会われることをお勧めしております。

 お蔭様で、依頼者の担当者についての満足度は高く、ご紹介した甲斐があったとセンターとしても喜ばしい限りです。
 最近のアンケートから満足点をとりあげて見ますと、

 「葬儀の予算、形式、場所等こちらの要望を丁寧に一つひとつ確認いただき、また適切なアドバイスを頂いた。お蔭様で希望どおりの予算に収めることができ、会葬頂いた方からも良い式だったとお言葉を頂きました」

 「細かい点、不明な点、誠実に答えてくれました。また、地方のお寺にも連絡して細かい点まで調べてくれました」

 「家族親族の立場に沿った対応と知識、スタッフ、チームのプロフェッショナル性が満足でした」

 「段取りや予算の話しでこちらの気持を汲んだ対応をして頂いた。質問も多数したが、全て的確に答えていただいた。結果当初の見積りよりも安く済ませることができました」

 「担当の方は非常に気配りのある行き届いた対応を最後までしてくださり、感謝致します」

 「長患い、高齢の母だったこともあり、前々から気持の整理は出来ていて、その気持をよく汲み取っていただき、時には明るい笑顔で対応して頂き、心静かになることができました」と、担当者の誠実ぶりが伝わってくるようなお言葉を数多く頂いております。
 有難うございました。

無縁社会をもたらす原因の一つ

 土日の混みあう高速道と違って、平日はすいているのでスイスイと快適だなと思っていました。先週の火曜日に田舎の村主催の新年互礼会に出るために、関越道を走行していました。しかし、その快適さも長くは続かず、突然終わりを告げました。

 はじめてスピード違反で覆面パトカーに捕まってしまいました!! 
 (近くでパトランプが点灯するのは心臓によくないです)

「スピード違反をしていいことは何もないですよ。罰金やら講習会に行かされるわで大変な目に合いましたよ」と(二)さんから聞いていたので、多少は気をつけていたつもりだったのですが・・・。

 ひごろ警察の人とは接触がないので勝手なイメージで、「何キロ出していると思ってるんだ」と高圧的にやられると身構えていましたが(みのもんたの警察24時の見すぎか?)、いたって穏やかな語り口です。こんな対応の仕方をするのかと妙に感心してしまいました。互礼会に出ていた地元の警察の方も人のいいおじさんという感じです。

 いまの日本社会は悲しいかな、コミュニティーの機能がますます弱まってきている状況の中、警察や検察に道徳的価値や善悪の判断すらも委ねそうな勢いで危ないとステレオタイプに思っていたので、生身の警官に触れて多少ホッとしました。

 きしくも、この日の読売新聞には、マイケル・サンデル教授の「無縁社会の話をしよう」といインタビュー記事が載っていました。同教授の、昨夏のNHKの「ハーバード白熱教室」を見たとき、講義の内容はさておき(というよりよくわからない。よほど集中してみないと理解できない)、こんなにうまく学生を議論に巻き込める人がいるのかとびっくりしました。

 記事の中で、サンデル教授は、無縁社会をもたらす原因の一つであるコミュニティの弱体化を前にして、日本にあった新しいコミュニティの形を見出していくためにも、国民的な議論を起こすことを呼びかけています。
 議論の機会をつくり国民を議論に巻き込める立場にあるはずのマスコミですが、そんな活力がなさそうに見えるのが気になります。

兄弟揃っての事前相談

 当センターでは普段メールと電話で事前相談をお受けしておりますが、先日はご依頼者の方兄弟5人で直接センター事務局にお見えになり、スタッフが対応させていただきました。
 ご相談の最初から皆さんで納得のいくご葬儀をとのお気持ちが伝わり、賛同社から見積りをお取りした後、直接賛同社との面談も5人揃ってお伺いされ、その場で皆さん合意のもとお決めになられたようです。
 それぞれお忙しい時間をやりくりし、最後の親孝行とばかりにご兄弟一丸となって事に当たる姿はある意味うらやましくもあります。

 ご相談をお受けしていますと、ご依頼者は様々です。時に肉親や義理のご両親のご相談以外のお話で、思わぬ波紋を広げてしまうこともあります。

 妹さんのご主人が危篤状態に陥り、ご主人とご兄弟のように仲の良かったお兄様から妹さんの窮地を見兼ねてのご相談がありました。
 妹さんの承諾を得てのご相談でしたが、お話が進むにつれご主人のご兄弟側からクレームが起きて、結果お話は断念せざるを得なくなりました。
 普段疎遠の方々も血の繋がりがこの時とばかりもたげてくるようです。
 良かれとした事が妹さんに気まずい思いをさせ、お兄様としては辛い立場に立たされてしまいました。

 後悔のないご葬儀のためにも最初のご相談が肝心なことを5人のご兄弟に教えられました。

今年もよろしくお願いいたします

 あけましておめでとうございます。
無事に新しい年を迎えることができました。皆様に感謝いたします。
今年も多くの年賀状を頂きましたが、年賀状に少し変化が見受けられます。
ここ近年、ハガキではなく、Eメールで新年の挨拶を頂くことが多くなってきていましたが、今年はなんと動画付きでご挨拶をいただきました。
googleなどの検索サイトで「年賀状 動画」で調べると、簡単に動画付きで年賀メールが送れるサイトが出てきます。
来年は私も利用してみようと思います。

若い方にもエンディングノートはお勧めです。

 以前、30歳前半の方から「生前予約をしたいので葬儀社の紹介を」とご連絡をいただいたことがありました。

 最近は周りの手を煩わせないように、ご自分の元気な内に自身のご葬儀を予約される方が増えてきています。
 葬儀社から見積りを取り、説明を受け納得がいく方法でお決めになり、これで一安心ですと晴れ晴れとしたお気持のお便りを頂くことは度々ありますが、お歳を伺い、正直戸惑いました。

 葬儀社の担当者はそれでも「ご相談には乗るが、僕の方が先になってしまうよ」と言いながらも引き受けてくださり、依頼者からは「生前予約は諦めましたが、色々話し合い安心しました」とのご報告をいただきました。

 最近、同年代の方の事前準備のご相談を受けました。

 数十年先の生前予約はたてにくいがご自身のエンディングノートは如何でしょうか。 エンディングノートとは万が一の時のためにご希望や伝えるべきことを書き留めておくノートのことです。
 遺言書のような法的な拘束力はありませんが、残された方が慌てなくて済むように、ご自身の気持を書きとめておくことをお勧めします。
 最近は豊富な種類のエンディングノートが市販されていますが、流れに沿って書くことで、思わぬ効用もでてくるようです。
 自身を客観的に見られ、これからの生き方を考えるきっかけにも一役買っているとのこと。
 実は私も手元に1冊持っており、今年こそはと思っています。

 エンディングノートの前書きには「お気持が変わったら、前に書き込んだものを赤ペンの線で消して、あらたに書き加えてください。変更したところの横には書き加えた日付を忘れずに」と書かれていました。

喪主のご挨拶をどうしていますか…

 「最後の喪主のご挨拶は皆さんおやりになっていらっしゃいますか」除夜の鐘の音が聞こえる少し前、昨年最後に頂いた電話でのご質問です。
 「必要ならば用意しなくてはいけませんので・・・」電話口の声は緊張と戸惑いを見せていらっしゃるご様子です。
 疲れがピークに達した喪主にとってはこのスピーチも難題の1つです。

 一方、最後のお別れにお見えになられた方々にとってもこの喪主のご挨拶が葬儀の良し悪しまで決めかねないほど、重要なファクターをもたらすようです。

 ご葬儀に立ち会った経験からですと、最後を締めくくり、印象付けるご挨拶は難しい言葉を並べるのではなく、故人への思いの強さが素直に表わされているか否かにかかっているように感じられます。

 印象的なご挨拶のひとつに、車椅子で出席された喪主の奥様が、ご主人の病気の経過報告を訥々と語っていらしたご様子が目に浮かびます。
 これだけは話さなければという気迫が伝わり、時間が超過しても担当者は急がせることを一切しなかったようです。
 まさに当日のハイライトで、それはこのことを言うためにこのご葬儀があったと思わせる程でした。
 出席者一同大きくうなずかれ、満足されたような足どりで帰路につかれたご様子が思い出されます。

 申し遅れましたが、本年もどうぞよろしくお願い致します。

介護と最後の問題は…

 今年も喪中の葉書をあちこちからいただきました。
 とりわけ長年お母様の介護をされていた友人からの葉書を受け取った時には思わず“長い間、ご苦労様でした”とつぶやいてしまいました。

 15年前、フリーのデザイナーとして活躍していた友人はお母様の介護に専念するために全ての仕事をストップし、以来介護一筋の生活を送ってきました。
 毎年いただく年賀状はモンゴルの大平原であり、南の島のどこまでも青い空のもとであり、いつも満面の笑みを湛えた写真付きの近況報告でした。
 つかの間の息抜きに大変さが読み取れ、胸が詰まる思いですが、我々部外者はなかなか適切な言葉1つ掛けてあげられず、歯がゆい思いもしておりました。
 長い介護生活の中で身に付けた術というのでしょうか。友人は全てを受け入れた中で最大限の努力をされていたのでは・・・。

 我々が受けるご葬儀の中にはお父様の命が危ないとご相談中に、介護をされていたお母様の方が急逝され、先に見送られるはめになったり、またその逆の場合もございました。

 また、長い介護生活の末になくなられたお母様を認知症のお父様がお見送りすることになった折、葬儀社の若い社員からのねぎらいの言葉に違和感を持たれた方もいらっしゃいました。
 社員の方もよかれと思って言ったことがご相談者の心に引っ掛かってしまわれたようです。
 若い方には老いた時の心境を推し量れと言ってもなかなか難しいのではと気遣ってくださいましたが・・・。

 介護と最期の問題はこれから社会の大きなテーマになっていくのでは・・・。
 今年はその第一歩を思わせる1年だったようです。
 今までどちらかと言えばタブー視され、話をそらせてきたことが、正面を見据えて語らえる時代に突入した年でもあったと思われます。
 来年も引き続きこの問題から目をそらさずにいくつもりです。

 私の担当は今年最後になりました。
 ではよいお年を。

ご葬儀後にすべきこと

 「何から手をつけて良いのか分らず、ご葬儀後の事務手続きには大変困っております・・・」
 今年の傾向の1つとして、このようなご相談を度々お受けいたしました。

 最期を看取り、ご葬儀が終るまでは葬儀社の担当者を始め、ご親族、友人知人と周りの方々があれこれと面倒を見、気に掛けてくださいますが、ご葬儀後はそのお宅の個々の問題に関わりますので、ご相談されない限りなかなか口を挟んでくれません。

 心の癒えぬまま、身近にご相談できる方もなく、闇夜に放り出されたような状態の中、手探りで事後手続きをされ、時に立ち往生されることもあるようです。
 インターネットで検索しても通り一遍の回答しか出てこなく、またご自身の実情と照らし合わせてもあまり役立たない場合が多く、もどかしさだけが残ってしまうとのことです。
 今までは年配の経験者に伺えば事足りたこともあり、関心を持ち事前に調べておくという習慣が無かったことも災いしています。
 
 当センターのホームページ欄での来年の課題のひとつとして、お1人で事後の諸問題を解決されたい方に具体例から少しでもお役に立てるような配慮をしてアドバイスできればと思っております。

 葬儀社の方々もお葬式が終われば終了ではなく、その後の事務手続きに必要とあれば専門家の方を紹介し、また墓所墓石の相談に乗り、49日、新盆、一周忌、3回忌とご命日にはお花をお持ちし、お手紙をお出ししてフォローされているところもでてきています。
 ハウツーではない回答ができるよう、お互い頑張りましょう。

消費者行政の未然にトラブルを防ぐ仕組みづくり

 大手銀行が中小企業に販売した「為替デリバティブ」と呼ばれる金融商品が、急激な円高によって多額の損失を発生させ、倒産や経営危機に陥るケースが続出して、金融庁も実態調査を始めた、というニュースを何日か前にみました。

 私の勝手な想像では次のような営業トークでしょうか。
「これからは間違いなく円安になりますよ! 円安が進んでいって、そのレートで輸入すれば商売が成り立たなくなるんじゃないですか? 円安がすすんでも大丈夫なように手を打って(リスクヘッジして)おきましょう」

 大銀行でも、恐怖心をあおりたてるような怪しい販売手法を使うご時世です。誰のどんな言葉を信じればいいものか? まともな商法と怪しい商法の境界線も思いのほかぼやけています。人には恐怖心や欲がつきものなので有効に防ぐ手立てはありそうもありません。

 そういえば、だいぶ前に読んだ、「詐欺とペテンの大百科」という本には、騙しの手口のほとんどが昔からあまり変わっておらず、古典的手口を組みあわせたり応用したものなので、防ぐ手立てはその手口を知ることだと書かれていたように記憶しています。
 たしかにこの通りでしょうが、ただこれ、一般の生活者に求められても困ります。こんなことばかり気にして生活していくわけにはいきませんから。

 という次第で、消費行政がその役割の一端を担うということになってきているのだと思います。国の消費者庁や国民生活センター、地方の消費生活センターや消費者行政センターといった具合にです。

 葬儀の世界では、現状、葬儀社には許可や認可は不要なので、これまでの行政の関わり方といえば、区民葬や市民葬、葬祭ディレクター制度ぐらいのもので、トラブル防止レベルには程遠いものがありました。
 ただ流れが少しづつ変わってきています。

 国民生活センターが2006年6月に公表した「増加する葬儀サービスのトラブル」には9つの典型的な葬儀トラブルの事例が取り上げられ、消費者被害の未然・拡大防止に資するために情報提供がなされるようになっています。

 また地方自治体の中にも、トラブル後の相談窓口的な消費生活センターの位置づけに、未然にトラブルを防ぐ仕組みづくりを取り入れるところも出てきています。

 今月初めに当センターと、「葬儀における消費者トラブル防止に関する協定書」の締結をした川崎市がそうです。他の自治体にも広がってほしい取り組みです。

仕事を続けるのは「孤独死」を避けるため…

 「孤独死」最近の紙上やテレビでよく目に留まる言葉の一つです。

 先日、テレビをつけると50代の女優さん達のおしゃべりの中でこの言葉が聞かれ、思わず見入ってしまいました。

 ずっとお仕事を続けているのは「孤独死」を避ける意味もあるとのこと。
 3日も連絡がなければ所属事務所の方で気付いてくれるからと、明るくサラリとおっしゃっていました。
 本音はともかくも、半分は的を射ているのでは・・・。

 都会生活での1人暮らしでは、ほとんどご近所とのお付き合いもなく、ましてフリーでお仕事をされている方は、ご本人からの連絡がなければずっと見過ごされてしまいます。

 以前、フリーでパワーのある写真を撮り続けていた女性写真家が、死後3ヶ月経ってご自宅マンションで上京されたお兄様により発見されたことを、人づてに伺いました。
 友人、知人も海外取材でお留守とばかり思っていらしたようです。

 孤独死は周りの方々の世話が必要とされる老人よりも、むしろ1人で行動できる中高年の問題として、益々クローズアップされてくると思います。

 しかし一方で、ご自身が選択された生き方であり、長患いをせず、苦しむことも少ないので必ずしも孤独ではなく、生き方の選択肢の一つである。この言葉は不適当だという声も聞かれます。

 何はともあれ、今までタブー視されていた問題が白日のもとで取り上げられ、さまざまな議論がなされることは、各人のこれからの生き方を問う上での一歩になるのではと期待しているのですが・・・。