疎遠のご親戚を葬儀の席で仲良くする法

 通夜当日、ご家族ご親族だけがお集まりいただいた席はお互い取り付く島もない空気が漂っていました。
 都会生活ではあまり耳にしなくなりましたが、一歩離れるとまだまだ本家だ分家だという言葉が、特にご葬儀になると飛び交うようです。
 依頼者の方はお母様のご葬儀が済めば、以後きっぱりと本家との縁を切って都心に移り住む覚悟でご葬儀に臨んでいました。
 一方のご本家側は事前の連絡もなく、いきなり知らされ菩提寺を無視され、しかも戒名無しのご葬儀にご立腹の様子。
 しかも、10年間お母様の看病をされた依頼者はご本家の戒名を付けてあげるというご好意もきっぱりと辞退されました。できればこのまま俗名のままで結構ですとのこと。読経も葬儀社が手配したご住職にお願いしています。
 お金と口を出そうとするご本家と受け取らないご喪家側。
 10名余りの双方は気のよさそうなおば様お1人を介してのみ言葉が成立する始末。
 このままではお母様を気まずいままお見送りすることになってしまいます。
 かたずをのんで葬儀社のこの道数十年のベテラン担当者に伺うと、なんと精進落しの席では皆さん話が弾んで、にこやかに会食されるまでになったとのことです。
 どんな秘訣があるのかと尋ねてみましたが、ただ双方にしゃべりかけるだけですよとのことでした。
 誰に何時ものを言うべきかのきっかけは永年の勘でわかるので、相手の立場や気持ちを一つひとつ具体的に説明し、気楽に話しかけおしゃべりしていくうちにしらっとした空気もいつの間にか和んでくるとのことです。
 これはノウハウを学んだからすぐできるものではなく、永年の蓄積もあり、相手に頼りにされ、安心感を与えてこそ成り立つことです。
 予算、金額だけではないご葬儀の良し悪しは、こんなベテラン担当者の心遣いが大いに物を言うのではないでしょうか。
 

ご葬儀も高齢化対策が必須

 葬儀・告別式の立会いに伺った日、横殴りの雨の中どうにか会場にたどり着いたのは開式20分前でした。
 「まずは依頼者にご挨拶を」と式場に足を踏み入れると、すでに司会者の方が当日の進行予定をご家族ご親族の皆様に説明している最中でした。
 担当者の「10分繰り上げの開式となりましたので」の言葉に火葬場に行く道路の混雑対策のためかと勝手に解釈していました。
 やがて菩提寺のご住職による葬儀・告別式の読経が終わり、一旦ご住職が退席され、暫くのお時間の後、再びお出ましになり、初七日の法要となりました。実はご住職は退席された後、お着替えをなさり初七日のお勤めをされたのです。これはご住職のたってのご希望でした。ご高齢であり、お着替えの時間を考慮しての10分間だったのです。

 開式まもなく中高年のご近所の方々が続々とお見えになり、瞬く間に式場の席はいっぱいになってしまい、後から来た方は隣の和室の控室に案内されていました。
 ところが皆さん和室が苦手らしく入口で躊躇され、結局ロビーにずっとお立ち頂く羽目になってしまいました。
 近年、ご葬儀を出す方もお見えになる方もご高齢者が増え、依頼者から車椅子の有無を始めとする斎場のバリアフリー対策の問い合わせが目に付くようになりました。
 都会での斎場は特に最寄駅から近く、交通の便が良いところが必須条件になってきています。
 斎場側もお年寄りや足の不自由な方々からの要求のためと称して、和室控室を洋室にリニューアルしているところが目だって増えてきているようです。
 
 
   

深夜、ご臨終後、病院から何時に引き取ってもらえるか尋ねられても慌てる必要無し。

 真夜中、ご臨終後、お身内の方々がパニック状態になっている中、病院側からご遺体の引き取りは何時になるか葬儀社に問い合わせて欲しい旨、問われることがあります。
 病院にはその病院付きの葬儀社の方がいて頼べばすぐに手配をしてくれますが、ご喪家のご要望に添った葬儀を施行してくれるとは限りません。
 時が時だけに、急な申し出にうろたえてしまいがちですが、ここは一つ深呼吸をして心を落ち着けてみましょう。
 病院側から問われると直ちに出なくてはいけないのかと思い込んで焦ってしまう。落ち着いて話を聞けば半日ぐらいは殆どが大丈夫。
 先日深夜、電話でお受けしたのも「病院から昼頃まで預かれるが、何時に引き取ってもらえるか葬儀社の方に聞いてみて欲しいと言われた」とのことでした。
 お話を伺い、最適と思われる地域の賛同社をただちに手配して、依頼者には担当者と直接話し合っていただき、共々朝10時に病院にうかがい、ご自宅に搬送する運びになりました。
 
 また、病院側からなるべく早く引き取って欲しいと言われましたら、どのくらい待ってもらえるか伺い、逆に斎場が開かないので朝まで置いてもらえないか聞いてみる方法もあります。
大方、病院側も駄目とは言わないでしょう。朝まで大丈夫でしたら火葬場併設の斎場などは7時半に開門しますので数時間待つだけの問題です。
 ある担当者は「病院に朝まで置けることが分かれば、一旦皆さんにはお帰り願い、朝どなたかお1人立会いに来ていただき、葬儀社の搬送の者と病院で落ち合って斎場に向います。我々は先回りをして棺を持って斎場で待っています。納棺しほっとしたところで少しお休みになられましたかとお尋ねすれば落ち着くと思います」と語ってくれました。
 勿論、深夜を問わず直ちにご自宅、ご自宅以外に搬送することも可能です。
 いずれにしても打ち合わせは朝になってワン呼吸置いてから始められるようです。
 
 

 
 
 
 

これからのお葬式と町内会の関係は如何に・・・・?

 かつて冠婚葬祭は村落共同体の中で村中の人々が祝い悲しんだものでした。
 今でも各地でその名残が形式的な形で見られるようです。
 時折大きな引き出物を両手一杯にさげて結婚式の帰りなのか、お葬式の帰りなのか一見迷ってしまいそうな光景に出くわすこともあります。
 それは田舎ばかりではなく、大都会の周辺でも見受けられました。
 地域のお葬式は町内会の方々が中心になって地域で割り当てられた葬儀社さんがするものと思われている節もあります。
 折角ご喪家のご親戚の方からお電話いただいても、町内会のほうにも相談してご返事しますということが多かったのですが、最近は様変わりの兆しも出てきました。
 ネット社会になり、様々な情報が手に入りやすくなってきた最近ではこの町内会とは一線を画す方もでてきたようです。
 先日ご葬儀に立会ったお宅は、お母様が東京の下町に生まれ育った方ですが、喪主である息子さんは東京近郊にお住まいでした。お母様は下町に1人住まいで町内会費も納めていましたが、町内の方よりも同好の趣味の方々との交流が多く、故人の意思により町内会で推薦する葬儀社ではない葬儀社を選ばれました。
 お母様が亡くなられた後は町内との縁がなくなるので、喪主の方は町会にも知らせなかったようです。
 地元の方の出席は親しいご近所の方のみになりました。
 そのため、受付等の手伝いは町内会の方ではなく、喪主の会社の方々でした。
 少し前でしたらしこりが残るような約束ごとの反故も場合によっては今後増えてくるでしょう。但し、町内会で引き受ける受付も、町内の人にとってお小遣いになる方もいらっしゃいますのでそのあたりの配慮は必要かもしれません。
 
 
 

ご家族だけでゆっくりとしかも古くからの友人もできるだけ多くお呼びしたいと考えた1日葬とは・・・。

 世間では「後期高齢者」の呼び名がかまびすしいが、定年時代を迎えた団塊世代は今 、戦後の高度成長をひた走ってきた両親を見送る現実に直面しています。
 今まで走り続けて来たからには、せめて最後はゆっくりとご家族だけで送ってあげたい反面、戦友のようにいっしょに仕事に励んできたお仲間を1人でも多くお呼びして見送ってもらいたいという思いが交差しています。
 できれば両方をうまく取り入れてできないものだろうかという思いをお持ちの方も増えてきています。
 従来の葬儀の枠の中だけでなく、見送り方もそれぞれの家庭の条件にあったやり方で行きたいと願う依頼者に葬儀社の担当者も柔軟な姿勢を見せているようです。
 
 例えば、ご自宅に搬送され、葬儀当日まで数日間ご家族と過ごし、当日納棺後斎場に移され、1日だけのご葬儀にします。ご家族とゆっくり過ごす時間が保たれ、しかも葬儀・告別式では思い切り仕事仲間や後輩の方々にお出でいただくことができます。但し、金銭的な面で考えると斎場費が1日でも2日でも使用料が変わらないところが多いので割高感はあります。その代わり通夜の読経代やお清め用のお食事代が浮きますので、その分ご自宅での棺やお蒲団の周りにお好きな花を飾ることができるようになります。
 ここ1~2年葬儀内容もいろいろと変化が求められて来ているようです。

家族葬は自宅以外に搬送し、地元から少し離れたところで執り行うのが一番です。

 ここ1~2年、「家族葬」という言葉が都会のご葬儀のキーワードのように使われ、当相談センターへのご要望にもよく見受けられます。
 都会生活でのご近所との付き合いも希薄になり、最後は儀礼的でなく本当に親しい身内だけで見送って欲しいと潜在的に思っていらっしゃったのが、最近の社会情勢からマスコミ報道やインターネットでの情報を通じてより確信し、身近に感じるようになったからでしょうか。
 ところが都会でも、まだまだ往々にして個人の思いより義理が先行している場合が多いようです。
 例えば、故人の遺志により、ご家族、ご親族のみで見送りたいとお断りしてもお見えになる方はいらっしゃいます。お1人いらっしゃれば、人の輪は見る見る膨らんでしまいます。
 対策として、ご近所や仕事関係に知られないようにするのが第1です。そのためにはご遺体は病院からご自宅以外に搬送され、斎場も少し地元から離れた場所にあることが望ましく、幸いにして都会の場合交通網が発達しているので斎場選びに関しては最寄駅近くであれば会葬者にとっての不自由はありません。最近はそんな条件を満たした家族葬専用の斎場も目に留まります。
 
 ご葬儀に立会いで伺うと家族葬ならではの光景に出くわします。
 ある依頼者の方は、家族葬を希望されたために他のご兄弟とも会社関係には一切知らせず、事後報告の形をとりましたが、そのかわり岩手の田舎からのご親族合わせて19名全員で通夜のお泊りをされたそうです(斎場は宿泊者数制限がありませんでした)。
 
 ご高齢のお父様を家族のみで温かく見送りたいので、できるだけ手作りの感じを出したいとおっしゃった依頼者は、お父様の好きな映画音楽を編集して会場に流し、読経の間に、ご兄弟の送る言葉を挟み、お孫さんは大好きなおじい様へとビオラの演奏をされました。 
 
 ご家族5名だけの通夜の場合は喪主が会社経営者なのでそのままやれば500名以上になる可能性が強く、一切断固としてお断りされたそうです。経営者で会社を休むため周りに知らせたが、万が一お見えになっても隣の部屋に案内し、読経が終わり、ご家族が退席してから式場に入っていただくように担当者に申し伝えたと伺っています。
 
 60代のお母様を亡くされた2人のご兄弟は親族のみで執り行いたい、その代わり香典は頂かずに葬儀費用を2人で出し合い、最後の親孝行をしたいとのことでした。ピンクと白の華やかな花祭壇はいただいた供花と一緒に組み込み式に、火葬は特別室、骨壷は大理石のものにしました。
 
 東京・世田谷の自宅で亡くなられた方は元々横浜出身で菩提寺も横浜にあるのでご本人のご希望通り横浜でのご葬儀になりました。この時は市外扱いの火葬場の予約を取るのが大変でした。
 
 親族10名ほどの形式ばらないアットホームな家族葬をご希望された方の場合は故人がマスコミ、インターネット関連の自由業の方でしたので通夜当日に知れ渡り、200名近くの会葬者になってしまいました。この時もベテラン担当者の采配で無事難局を乗り切ることができました。
 家族単位のご葬儀は益々増えていくでしょう。

 

葬儀の良し悪しは担当者の力量が試される、残り20分が勝負

 葬儀・告別式の時間は特別大規模なご葬儀以外1時間というのが大半です。その中でも仏式が大多数を占め、式の順番もほぼ同じ内容になります。では皆同じかといえば、これが見事に違うのです。
 葬儀社の担当者は1時間のタイムスケジュールを考え、じっと進行を見守っています。それぞれのご喪家の特徴を打ち合わせの段階で掴み、どこでどのような形でお見せできるか、それは舞台監督のようでもあり、また時には演出家のようでもあります。
 決められた1時間の内、ほぼ40分間は読経になります。残り20分でどのような見送り方ができるか担当者の腕の見せどころになります。
  生本番として時に予想しづらいことに出くわすこともあるようですが、方向性さえしっかり掴んでいればマイナスもプラスに変えることができ、それが担当者の力量となって現れてくるようです。
 
 あるご葬儀では定刻5分前に故人がバイオリンを習っていた先生から、いきなり式の中で演奏をしたい旨連絡がありました。急なことゆえ、ご住職に読経時間の短縮をお願いしてみたが、お経の流れがあるので途中けずるのはできないとのこと。
 3分以内と条件をつけての演奏でしたが、実際に始まると時間を忘れての演奏ぶりに内心やきもきさせられたようでしたが、出棺の際の演奏と相まって舞台効果は上々でした。火葬場までの距離がありましたが、心配した開かずの踏み切りもスムースに行き、なんとか時間内に滑り込むことができたようです。
 
 時間の流れを掴んでいる担当者の采配振りを見ていると、どこをどうやれば時間を短縮できるか心得ていて、決してどこかを省いているようには見せない。むしろじっくり最後のお別れをされて、ご喪家側も満足の様子です。
 その時も出棺時間は迫っていましたが、担当者は「ゆっくりどうぞ」と喪主の奥様にご挨拶を促していました。意を決した奥様は亡くなったご主人の病状報告を詳しく話されました。出席された友人の方々は皆、肩の荷が下りたようにほっとされ、大きくうなずいていらっしゃったのが印象的でした。

葬儀予算はどこまで抑えられるか

 電話やメールでのご相談の中で予算を伺うと「病院での支払いで使い果たしてしまったのでできるだけ費用を抑えたい」という切実な声がよく聞かれます。
 葬儀費用といっても葬儀社に支払う以上に斎場費、飲食代(通夜のお清め代と精進落し代)、返礼品代、火葬場費、霊柩車代、移動用のマイクロバス代、お布施代等の費用が別途掛かってしまいます。
 その中でどれをどのようにやりくりして削られるかで予算も大分変わってきます。
 勿論、葬儀社独自のやり方で応じてくれるところ、難しいところはありますが、ご要望に添った方法を少し考えてみましょう。
 
 例えば、葬儀・告別式1日だけにすることも可能です。
 但し、式場費は公営斎場の一部を除いて、2日間単位になっているところが多く、割引は少ないようです。それでも通夜の飲食代、読経代が浮きますので大分費用は抑えられます。
 葬儀社によっては祭壇ではなく、棺の両端や遺影の周りにお花を置くシンプルな飾り方も相談に乗ってくれるようです。供花が多く出た場合は名札を芳名板にして、頂いたお花で祭壇造りもできます。
 「知り合いの花屋さんに花祭壇をお願いしてよろしいですか」という依頼者の方もいらっしゃいましたが、さすが、これは却下されました。出来上がった祭壇を会葬者に批評される可能性もあります。葬儀社としては責任が持てないからとのことです。
 究極の節約ぶりとしては、炉前だけの短い読経をお願いする方法もあります。この場合、葬儀・告別式の読経はなく火葬炉前だけになります。読経代はおおよそ5万円前後と通常の5分の1から6分の1程度で済みます。葬儀・告別式はご焼香だけになります。
 火葬場併設の斎場ですと霊柩車代、マイクロバス代は必要ありませんし、都区内を除いてほとんどが公営ですので費用の面でも抑えられます。
 
 先日電話を頂いた方は「他人の手を煩わせたくないので、自分で自分の棺を造っておき、万が一の時友人に直接火葬場に運んでもらいたいが・・・」との徹底ぶりでした。
 しかし、棺を造るのは構わないが、火葬場の方で個人的に申し込まれても受け付けないようです。霊柩車で運ばれたご遺体のみになります。
 それは搬送でも同じようで、インターネットを見て搬送会社に直接頼む方がいらっしゃいますが、搬送会社は葬儀社を通してお願いしていますとのことです。
 葬儀は一つの形式です。個人が勝手にできないこともでてきます。その形式の中で予算を抑えバラエティに富んだお見送りを考えたいものです。

  
 
  
 
 
 

宮型霊柩車は利用できなくなるのか

 先日の朝日新聞の記事に「宇都宮市は来年3月から稼動する新しい公的な火葬場について宮型霊柩車の乗り入れ禁止を決め、葬儀業者に伝えた」とありました。
 昨年6月にオープンした千葉県印西斎場から先月送られてきた利用要領の中でも、留意事項の第1にご来場にあたっての宮型霊柩車の乗り入れ禁止を謳っていました。
 他にも埼玉県さいたま市大宮聖苑、越谷市斎場、上尾伊奈斎場つつじ苑等でも乗り入れ禁止になっています。
 都内と神奈川県下では今のところ規定は見当たりません。
 特に新規の火葬場の場合は地元住民の方々との話し合いの中で条件とされることが多いようです。
 このことは早速TBSラジオのトーク番組アクセスでも取り上げられていました。
 聴取者の意見として、50年間火葬場近くにお住まいの年配の方は「40代、50代の頃は霊柩車を見てもなんとも思わなかったが、75歳を過ぎて宮型の霊柩車を見ると足が止まってしまいます。いやというより自分の余生が迫ってくるように感じるからです。ですから、普通の自動車のような洋型霊柩車の方がこころにやさしくあたるような気がします。」と話されていました。
 都会ではいつの間にか圧倒的に高級乗用車型の洋型霊柩車の利用が増え、街中でも宮型の霊柩車にお目にかかる機会が少なくなってきています。
 それは宗教心の問題で若い人の宗教心が薄れているからだと言う方もいらっしゃいます。
 少なくなったとは言え年配の方を中心に根強い人気の宮型霊柩車の存在も、個性の強さゆえに引退を余儀なくされていくのだろうか。

ご葬儀をドタキャンしてしまった菩提寺住職。

 以前、働き盛りのお父様が急死され、慌てたご子息の喪主の方が菩提寺にFAXで連絡したため、ご住職の逆鱗に触れたことを葬儀社の担当者から聞いたことがありました。昔から2人の使者が菩提寺に出向き報告をするのがならわしで常識だと息巻いていらっしゃったようです。
 菩提寺をたてて、何事もまずは菩提寺に報告をして、指示をを仰ぐ。
 遠方の菩提寺の場合でも同じです。
 遠方からでも駆けつけるご住職もいらっしゃいます。来られない時は、同じ宗派の地元のお寺を紹介されたり、同じ宗派のセンターを通じて紹介される等の場合がありますので勝手にご喪家側で処理しないように。
 このように菩提寺に気を使ってもハプニングはあります。

 実は通夜にはお見えになって読経されていらした菩提寺のご住職が、葬儀にお見えにならず、ドタキャンされてしまったという前代未聞の出来事がありました。
 時として開始時間に遅れるご住職もいらっしゃるのでスタッフ一同やきもきしながら待っていましたが、一向にいらっしゃる様子がなく、連絡しても通じない状態です。
 ついに火葬時間が迫っているので、会葬者の皆様にはご焼香をお願いし、読経なしの
葬儀・告別式になってしまいました。
 前日の通夜の読経は済んでいますが仏様は成仏出来ず、中途半端な状態でお別れのご焼香になってしまい、仏式とも無宗教葬ともつかないご葬儀に会葬者も戸惑いを隠せなかったようです。
 ようやく連絡が入ったのは火葬が済み、再び斎場に戻ってきた時でした。
 言い訳に終始され、のらりくらりとされ追求しても「申し訳ない。お布施は要りません」の一点張り。
 「お布施の問題ではない」と葬儀を終えた翌日、喪主は葬儀社の担当者に同行願って、菩提寺に向かったのは言うまでもありません。

 今回の場合は昔からの菩提寺ではなく、1年ほど前にお墓を買い新たに檀家信徒になったばかりで、ご住職との付き合いもほとんどなかったようです。
 これからはお墓を買って檀家信徒になるときにはご住職の人柄チェックもお忘れなく。