横並びの式場で、騒音は意外なところからやってくる

 1ご喪家のみ使用の斎場では気がつかないが、幾つかの式場を持っている斎場では1日に式場数だけ葬儀があり、隣りの騒音に悩まされることがしばしばです。
 特に音がよく響くのは横並びの式場の場合です。
 斎場サイドからは音楽を奏でないでほしい、マイクを使わないでほしいと葬儀社を通じてご喪家にご注意がありますのでそちらは守られているのですが、実際はそれ以外の音の方が気になるようです。

 例えば、以前八王子市営斎場での葬儀に立ち会った時は隣りの式場と同時刻に開式。間もなくお隣からは鉦や太鼓の音に加え3人のお坊さんの読経の声が響き渡り、こちらの読経の声が掻き消されてしまい、式の進行を妨げるほどでした。
 傍で見ていても落着かずいたたまれない気持にさせられました。
 ご自宅での葬儀の形をそのまま式場にもってきたようで、ご住職サイドも斎場での読経方法を考慮すべきではと思わせた事例です。

 式場隣がロビーやエスカレーターなどの出入り口の場合は、他の式場にいらっしゃった会葬者どうしの会話に悩まされる時があります。
 突然のけたたましい笑い声や遠くから大声で呼ぶ声など、久しぶりにお会いするご親戚の方々が斎場という特殊空間に迷い込み、平常心を失ったように大声で喋り捲る光景がよく見受けられます。もう少し周りを見渡していただきたいものです。

 お隣どうし開式をずらして行えば大丈夫かと思えば意外な音で悩まされることがあります。
 原因は葬儀のプロのはずの葬儀社さん自身からです。
 悲しみの中で静かにご焼香をしている最中、先に終った隣の式場からかたずけ作業の音が遠慮会釈なく響く場合が往々にしてあります。
 
 お互いご自分の置かれている立場をちょっと立ち止まって見直しましょう。
 
 雑音に悩まされることなく悲しみの中にも心静かにお見送りしたいものです。 
 
 

よりよい葬儀にするためには地域の斎場に精通した葬儀社選びが大切です

 先日会葬者200名ほどの概算の見積りを依頼された方が会葬者全員テントではなく冷房が効いた室内で、イスに腰掛けられる斎場を希望する旨のお話をされていました。
 一見当たり前のことのように思われますが、式場は葬儀に出席されるご家族ご親族の方を除くとイス席が足りない場合が殆どといっていいくらいです。会葬者が多い場合は特に顕著です。
 一般の会葬者の方は告別式に出席なさるのですから少し遅めにいらっしゃっても大丈夫ですが、大方皆さん定刻前にいらっしゃいます。
 来られた方から順次にスタッフに案内され着席されますが、式場定員以上の方はロビーかテントで告別式のご焼香までお待ちいただくことになります。
 ご焼香が済んだあとも最後のお見送りまでお待ちいただくために再びロビーやテントに待機いただくことになります。
 ロビーでじっと立っていらっしゃる年配の方をよくお見かけします。たとえ短い時間でもじっとしているのはお年寄りにとってかなりきついようです。
 またテント内で暑い中、イスに腰掛けていらっしゃる方も大変ですが、先の二つの要素を満たしてくれるイスのある広いロビーの斎場は以外に少ないものです。
式場も公営、民営それぞれ特徴がありますが公営に例をとりますと、式場や建物が立派な割りにロビーや特にお清め所の飲食スペースが狭いところが多いようです。お清め所として中には幅広の廊下を立食用にしている所もありますので、多数の会葬者を見込んでいる場合は難しいようです。
 外観だけではなかなか判断できない場合も有ります。
 地域の斎場に精通した葬儀社にお尋ねするのが1番です

キリスト教式告別式と仏式告別式の違いは・・・・・

 葬儀・告別式に出席ということになり、大方仏式を想定して準備をされる場合が殆どですが、時として故人が生前教会に通っていた関係で特に信徒でなくてもキリスト教式の葬儀になることがあります。
 この場合はキリスト教でもプロテスタントになりますので、カトリックに比べ比較的略式で、仏式との違いさえ心得ていれば、キリスト教に疎い方でも式場でまごつくことはありません。
 出席される前の心得として、供花を送る場合知り合いの花屋さんでもかまいませんが、葬儀社の方にも連絡を入れてください。
 特にキリスト教式の時、白い洋花のみで飾りたいというご喪家の要望がある場合等、花屋さんの方へ注文して要望に沿った花で統一できますので。
 またキリスト教では供花に名札を立てず芳名板にまとめて名前を記す形になりますので、ご喪家の方は贈り主に了承をとっておいたほうがよいと思われます。
 
 当日受付に出す香典の表書きは「御花料」になります。
 祭壇は白い花がほとんどで、十字架も白い花で創られます。
 会葬者が先に着席し牧師さんの先導で遺影・遺族が入場します。
 通夜に当たる前夜式と翌日の告別式の式次第の違いはあまり無いようです。
 前夜式の式次第はオルガン演奏に続き、賛美歌斉唱、牧師さんによる聖書の朗読、牧師さんの説教と遺族への慰めの詞、祈祷、賛美歌斉唱、友人代表の故人を偲ぶことば、賛美歌斉唱、喪主の挨拶、献花と続きます。仏式のご焼香にあたるのが献花になります。
 白いカーネーション等による献花が終ってお清めにあたる追悼の集いの食事会になりますが、お清めとの違いはアルコール類が一切だめなことです。
 
 告別式の式次第はオルガン演奏に続き、賛美歌斉唱、ご喪家のかたによる故人の略歴紹介、牧師さんによる聖書朗読、牧師さんの説教と遺族への慰めの詞、祈祷、友人代表の故人を偲ぶことば、賛美歌斉唱、喪主の挨拶、献花と続き、お別れの儀に移ります。
 お別れの儀は仏式と同じように、柩のなかに祭壇の花を入れ、最後のお別れとなります。
 火葬のあとの精進落しに相当する食事会は親族による慰労会になります。
 プロテスタントの場合は教会のみならず、何処の式場でも受け入れられます。

市営斎場の常設祭壇使用で葬儀費用が半減できる

 葬儀費用を大きく左右するのは祭壇費用です。
 その祭壇が公営斎場で無料(斎場費に含まれる)、若しくは数千円から1万円前後で借りられる地域があります。
 関東地方でも千葉、埼玉方面の方は特にこの恩恵に与れます。
 都内、神奈川地域の方は残念ながらありません。生花祭壇を除いた仏式、神式、正宗、キリスト教とそれぞれに対応します。、
 千葉県の方の場合は千葉市斎場が無料、馬込斎場(船橋市、習志野市、八千代市、鎌ヶ谷市各市内の方)が1回標準型3700円、大型4300円。ウィングホール柏(柏市、流山市、我孫子市内の方)が15000円、野田市関宿斎場が10500円。
 埼玉県の方の場合は、さいたま市浦和斎場が1時間390円、さいたま市思い出の里会館が第一葬祭場用1時間2100円、第2葬祭場用1時間1250円、さいたま市ひかり会館が1時間2800円、市内貸出1回(2日)2650円、朝霞市斎場が1回15000円、越谷市斎場は斎場費に含まれる等ざっと見ただけでも使用料はまちまちですが、通常の10分の一から20分の一という安さで借りられます。
 ほとんどが斎場に常設されていて、この祭壇のみ使用というところと、持ち込みのできる場合等は常設の祭壇前に飾ったり、なかには常設の祭壇を後にずらすことができる斎場もあります。
 また常設の祭壇上は生花を飾ることができないというハンディもあります。
 生花で飾りたい場合は柩の周りと棺の前だけになります。この場合は葬儀社により異なりますが、プラス10万円ほど加算されるようです。
 費用の面だけを考慮すると、斎場費を加算しても民営の斎場とはかなりの差ができますので、
 特に家族葬等で費用を極力抑えたい方には朗報だと思います。
 
 

斎場のバリアフリーは会葬者をもてなす第1歩

 先月、葬儀の立会いにお伺いした千葉の寺院系の斎場でのこと、ご住職の奥様に斎場の使用状況をあれこれお聞きしていると、バリアフリーに関しては「15年前に建てたなりでしたので、今回トイレを改良しようと始めたら予想以上の出費になり、とりあえず1ヶ所だけになってしまったんですよ。便器を代えるぐらいと思っていたら大仕事になってしまって」と苦笑していらっしゃいました。
 利用者側として斎場使用料だけみると決して安くはない金額ですが、小さな斎場のやりくりは大変なようです。
 それでも昨今、斎場の大小を問わずバリアフリーの問題は、会葬者の高齢化を迎えて避けて通れないようになってきました。
 立会いで葬儀に伺うと必ずと言っていいほど車椅子の方や人の手が必要な方が見受けられます。
 自宅で葬儀をしていた頃は取り立てて問題にならなかったり、周りに迷惑が掛かるのではと遠慮されていた方が最後のお別れをしたいと進んで出席されるようになってきたことが1因ですが、義理の出席ではなく、家族葬のように親しい方のみの葬儀が増えてきたことも背景にあるように思われます。
 健常者には何でもない斎場入口の段差から始まり、和室にあがる段差、階段、トイレの狭さ、気になる箇所はいたるところに有り、中には1階が式場、2階がお清め所の場合、エレベーターがなく、階段だけなので何人かで車椅子ごと持ち上げるというところもまだあります。
 その点、公営の斎場は比較的新しい斎場が多く、バリアフリーに関しては万全を期していることをうたい文句している斎場も出てきているようです。
 松戸市斎場や八王子市斎場のように、戸外の階段は全てスロープになっているところもあります。
 これからの斎場選びは外観だけでなく、バリアフリーに斎場側がどれだけ関心を持っているか、言い換えればどれだけ弱者に目が向いているかが重要な鍵になります。斎場の質を問われる
時代です。
 昨今はご喪家側も来ていただくお客様を考慮し、おもてなしの心を強く出してきている方が増えています。
 バリアフリーはその入口ではないでしょうか。 

安いだけがサービスではなく、この値段でここまでやってくれるのかが大事

 「安さ」を最大の武器に各業種で価格破壊が起こっている中、ただそれだけでいいのかという疑問の声も上がり始めています。
 競争の果て何処かにしわ寄せがきて、お互いの首を絞める結果になるケースも昨今マスコミを賑わせています。
 葬儀の世界もインターネットの普及に伴い、おくばせながら競争社会に入り、安さだけに目を奪われてしまいそうなケースもよく見受けられます。
 当センターの賛同社は一般的な値段から行くとかなり安いように思われますが、大方の葬儀担当者は「安いですよ」というだけの売り方をしていないと言う。
 一方で「葬儀社は究極のサービス業」とも言われているだけに、目に見えないものを価格だけで並べていってドンドン値段を下げていけば、サービスの低下に繋がってしまいます。
 ある担当者いわく「こんな値段でここまでやってくれるのかということが大切で、安かろう悪かろうではなく、適切な料金とご喪家が如何に満足し、納得してしてもらえるかにかかっています」
 価格とサービスのバランスがうまく取れ、目が行き届くのは組織化された大手よりもむしろ中小の葬儀社に軍配が上がるのでと想像されます。
 色々な事情で予算がこれしかないとなれば、その範囲でできることを提案し、何とかしてあげたい、相談されると断れないと担当者は異口同音に言う。
 たとえば予算が祭壇コースの中の最小コースにも満たない場合でも、あきらめずに相談してほしい。祭壇ではなく、生花を柩の周りに置き、遺影の周りを生花で飾ることもできますとの由。

葬儀の良し悪しは打合せで決まってしまう

 ご葬儀は慶びごとと異なって心の準備も無いまま突然迎えたり、平常心でない精神状態で臨むため、始めは金額や式場や祭壇など目に見えるものばかりに関心がいってしまいがちですが、終ってみると担当者の采配ぶりが如何に重要かがお分かりになるようです。
 
 そのためには1人の担当者が責任を持って最初から最後まで丁寧に面倒を見ることが大切な要素になります。 
 ご喪家と担当者との相性もありますが、ベテランともなればそこはプロ。
 最初の打合せでご喪家は何を望んでいるのかをいち早くキャッチすると同時に、ご喪家の方にこの人に任せて大丈夫だという安心感をもたせることが最初の鍵になるようです。

 そのあたりのコツを担当者に伺うと、「初めてお会いした方に如何に早くなつきなつかせるかが大切です。相手の方がこっちに入っていいよと受け入れてくれれば、相手も聞き易いし、その時間を如何に詰めるかに掛かってきます。色んな話をしますが例えば日程から始まって葬儀代金の話は最後になります。よく葬儀代金の話を始めに持っていって、この間ですでに話しがギクシャクしてしまうようです。写真を預かったり色紙を書いてもらったり、色んな話をしているとおおよそ分かってくるんです。写真を預かる頃には生前の人となりが分かり、その間に相手側もうちとけて、葬儀の色んなことが分かってくるようです。ですからお金のことは最後です」とのことでした。 

「お葬式無しで火葬だけでも大丈夫ですか・・・・」様変わりするお葬式事情

 このところお葬式の事情もかなり様変わりを見せているようです。
 つい最近まで一般の人達にとって葬儀に関する情報はマスコミによる通り一片的なことしか得る手段がなかったのですが、インターネットで個人的に情報をキャッチできるようになり、自分の生活に合ったやり方を模索し始めたように思われます。

 そのひとつに、葬儀無しで火葬のみの依頼が増えてきています。
 2年ほど前に葬儀社の担当者に伺った頃は「金銭的な問題以外の方には御霊を成仏させる意味からもゼヒお式の方もとアドバイスをしています」とのことが一般的でした。
 しかし、都会生活で隣近所との付き合い、親戚縁者との付き合いが薄れていく中、それぞれのご家庭の事情もあり、ご家族だけで見送りたいという方は「こんなやり方もあるのだ」とインターネットからの情報を得ていらっしゃるようです。
 先日の依頼者の方の場合はすでに在宅介護のお母様がお亡くなりになり、ご自宅に安置されいる状況での電話でした。以前お父さまのご葬儀の時親戚とのトラブルがあり、今回は妹さんとふたりだけで見送りたいのでお坊さんの手配も要りませんとのことでした。
 お母様を自宅で見守り、当日納棺されてそのまま火葬場にという流れになりました。
 
 正直「火葬のみ」は最後の手段かと思っていましたが、色々な状況を見ていくうちに、その思いも最近では「積極的にこれも葬儀のひとつのやり方ではないか」と変わって来ています。

「臨機応変ぶり」はベテラン担当者の腕次第です

 やり直しがきかないご葬儀はどんなアクシデントも包み込み、無事終らせなければいけない。
 これは鉄則です。
 通常、式は通夜1時間、葬儀・告別式1時間ほどの中で進行します。
 宗派により多少の時間差はあれども、式の流れは殆ど似ていますので、葬儀の担当者はご喪家のご要望や様子を見ながら、腕の振るいどころを考慮し、何処に力を入れるか細心の注意を払い進行を見守っています。

 一方のご喪家側は心の準備ができないまま式に臨むことが多く、思いついたことを突然ご要望になり、時として担当者を慌てさせるようです。
 最近増えてきた家族葬などは近親者のみなので、ご喪家の個性もはっきり打ち出され、ご要望もエスカレート傾向にあるようです。

 先日も故人が習っていたバイオリンの先生が、式直前にバイオリン演奏で故人を見送りたいとの申し出がありました。
 急なことではあるが、何とかご要望をかなえさせるには何処に演奏時間を持っていくのがベストなのか、開式時間が迫っているなか担当者は咄嗟に色々な案を提案しました。
 演奏時間は融通が付くということなので、式前に演奏を始め、会葬者の心を落着かせて読経に入る案もありましたが、ご住職と相談する時間もないので読経途中はできず、結局、繰上げ初七日法要を済ませ弔電を読み終えた後に落着きました。
 優雅な演奏に耳を傾けながらも、決められた時間枠のなかで後に影響は出ないか心配しましたが、さすがベテラン担当者、最後のお花入れの儀も手を抜くことなく、しかも時間内でぴたりと修められたようです。
 出棺に合わせて再び演奏され、バイオリンをこよなく愛した故人にふさわしいお見送りとなりました。
 
 

ご葬儀は搬送先を決めるところから始まる

 「今、母が病院で息を引き取ったばかりなのですが・・・・。八王子の葬儀社さんを紹介してください」緊張しきった声が受話器から聞えてきました。
 すぐさま、現在の状況を聞き、搬送する先をまずお伺いして、賛同社の葬儀社に連絡をとり病院までのおおよその時間を先方にお伝えすると、電話口にほっとしたような空気が流れました。
 病院での処置に時間が掛かることもありますので、依頼者には直接葬儀社の方にご連絡をお願いしています。
 搬送先はご自宅かご自宅以外の場合になります。昨今、都会を中心に住宅事情やプライバシーの問題等がでてきて、自宅以外にお願いすることが圧倒的に多くなってきました。
 ご自宅への搬送で一戸建ての家は問題ありませんが、マンション、アパートの場合は階数とエレベーター内部の鍵の有無を管理人さんに確認を取っておく必要があります。
 搬送は時間を選びませんので深夜の場合エレベーターの鍵の確保が重要です。エレベーターでご遺体を運ぶ場合、ストレッチャーを低くして奥に突っ込むような形になります。エレベーターがない場合、ご遺体を上の階まで運ぶことになり、階段が狭いと難しい場合があります。
 葬儀社の担当者は異口同音に「長い間ご自宅から離れていらっしゃったから、出来れば一度お連れしてください」とのことですが、なかなか難しいようです。
 ご自宅以外の場合は葬儀社所有の安置所や一時預かりの安置所、民営斎場の安置所、公営斎場の安置所などがあり、納棺との問題も絡んできます。特に公営の安置所はご遺体を柩に納めた状態でないと受け付けないところが多いので、一旦別な安置所で納棺するようになります。病院に
よっては病院で納棺してくれるところもあります。民営斎場の場合は納棺は自由です。
 目黒区の大圓寺斎場のように、出棺直前まで、ご遺体をお蒲団の上に安置することが出来る斎場もあります。
 ご遺族の気が動転しているなか、葬儀の準備は着々と始まっています。