享年106歳

 「お骨上げの時に係りの方から、ご高齢の方でこんなにしっかりしたお骨は初めてだ、とまでおっしゃっていただきました。お骨も沢山あり、母は本当に丈夫だったようです」。
 ご葬儀の翌日、早速にご相談者からお電話にてご報告をいただきました。

 前回のブログで7年前に見積りをお取りした方のことに触れましたが、実は新たにお見積りをお取りになられ、葬儀社の担当者と詳しいお話し合いをされた日の夕方、ご紹介した当方にご逝去の報が届きました。

 享年106歳とのこと。

 ご家族が見守る中、静かに炎が燃え尽きるように逝かれたお母様ですが、ご相談者は最後まで御自宅でお世話することを選択され、覚悟はされていらっしゃったとは言え、特にお亡くなりになられた5日ほど前からのお気持の整理が大変だったと伺いました。

 年齢に関係なく、いつか必ず訪れるお別れに、正面から向き合うお気持の揺れはいかばかりか。
 多くはお話されませんでしたが、お声から自分なりに学ばせていただきました。
 他人が大往生と言う言葉は使えませんが、勝手にお身内の気持になって、あれこれと推し量っております。

 天寿を全うされたお母様は最後まで気配りをされ、大雪の大変な時期をずらして、ご葬儀当日は快晴であたたかな日差しのもと旅立たれ、ご参列の皆様も大変お喜びになられたとのこと。

 ご連絡をいただき、ご長寿のお母様に少しでもあやからなくてはと、久しぶりの風邪で寝込んでいた身が、少ししゃんとしてきました。
 ご長寿で思い出しました。
 6年程前、101歳で旅立たれたお祝いとして、紅白のタオルをご喪家からお裾分けいただいたことを・・・。

メールと電話

 先日、ご相談者から、「紹介してもらった葬儀社と面談の約束を取り付けるためにその社のホームページのお問い合わせフォームから連絡をしたのだけれど1日以上経っても返信が来ない」という連絡をいただきました。
 葬儀社さんに事情を聞くと、お問い合わせフォームが不具合をおこしていて、メールが届いていないとのことでした。ホームページの制作会社に修正を依頼していますが、すぐに復旧できる状況ではないとのことで、センターより事情を説明し、ご理解をいただいて事なきを得ましたが、この一件ではなくても、打ち合わせやご葬儀などですぐにメールの対応ができない状況にある葬儀社さんとのメールでのやりとりは少し難しい場合があるかもしれません。

 また、先日伺った葬儀社さんでは、パソコンができる人が辞めてしまい、メールでのやり取りができなくなってしまっているという話しを聞きました。
 メールの送受信のことで少し話しをさせていただき、受信メールを拝見すると、以前、センターから送ったメール(重要なものではありませんでしたが)も未開封のまま残っていました。
 やってみれば「簡単なんだ」と思えるのでしょうが、やってみようと思っても、最初の段階のハードルが高いと感じてしまっているようです。

 仕事やプライベートでメールを利用することは日常的なことで、普通に返信が来るものだと思っている人は多いと思います。ましてや不安を抱えている方にとって相談したメールの返信が来ないということはその不安を一層大きくしてしまうかもしれません。

 メールを送った後に「今メールを送りました」と電話するのもなんだかおかしなもののようですが、重要な内容のメールの場合にはこのひと手間のお知らせはとても大切だと思います。

斎場の管理

 最近、斎場や賛同葬儀社さんの所へおじゃまさせていただき、いろいろとお話しを伺っています。
 先日、自社斎場を保有している葬儀社さんへおじゃました際に聞いたお話しで、
「以前は自社斎場を他の葬儀社さんでも使えるようにと、貸斎場として運営していたのですが、今ではそれをやめて、自社のみで使うことになりました」というところがありました。
 理由を聞くと、よい葬儀社さんにつかっていただくのはよいのですが、逆にクレームが出るようなご葬儀だった場合、ご喪家の方にとっては会館=葬儀社となって、実際には自分達はそのご葬儀の施行に関わっているわけではないのに、自社の評判まで下がってしまうようなことがあるので、とのことでした。
 そこの会館で葬儀を行ったご家族が、後日会館の前を通った時に、「ここの葬儀社・・・・。」と身に覚えのないクレームで戸惑われたそうです。

 たしかに、ご喪家にとって、葬儀を行う斎場を決めたりする頃というのは、慌ただしい葬儀準備をするなか、一番最初に決めなくてはならないところですので、公営の斎場や寺院の斎場ならまだしも、葬儀社が運営している斎場の場合、きちんとした説明が無い限り、会館=葬儀社と思われても仕方のないことなのかもしれません。

 以前、寺院の保有する斎場をおじゃまさせていただいたとき、
「基本的にはどの葬儀社さんでも使用していただけますが、使用できない葬儀社があります。」とお話しされた斎場がありました。
その斎場は、とても管理が行き届いていて、築15年以上経っているとは思えないほどきれいに保たれていました。
 使用できない葬儀社さんとは、たとえば、ご遺体を安置して、線香・ローソクをつけたまま挨拶もせずに帰ってしまうような・・とか、斎場の備品を雑に扱うところ、とか・・。
具体的な社名はお聞きしていませんが、内容を聞いただけでも、当たり前のことができないところということです。
 他の斎場などでは、注意する程度で済ませてしまうかもしれませんが、こちらの斎場では、そのような葬儀社は使用を禁止していると、徹底されていました。

 斎場を管理するところが、斎場をなぜきれいに保つかというのは、やはり葬儀で使われるご喪家やご会葬の方に2日間快適に過ごしてもらいたいという思いから来るものだと思います。このような当たり前のことができないところは、よい葬儀はできないのでは・・ということなのでしょう。

 貸し式場を運営している側にもご苦労があるようです。

営業電話ではないのですが…。

 センターのホームページ内にある斎場案内のページは、実際にセンターのスタッフがその斎場にお伺いし、斎場の方にお聞きした情報をご案内しています。
 また、スタッフが直接斎場へ行って見学をさせていただくことは、ご相談者のご要望に、より適した葬儀社や斎場をご提案できるようになるために必要なことでもあります。

 ご葬儀の立会いで伺った際、ご葬儀後に斎場関係者の方からお話しを聞けることも多く、その場合には特に問題はないのですが、斎場へお伺いすることだけが目的の場合には事前に見学のアポイントを取るのに苦労することがあります。

 まずは電話をかけて訪問させていただきたい旨の用件を伝えるのですが、伝え方を間違えてしまうと、よくある電話営業に間違われてしまい、最後まで用件を伝えきれないまま電話を切られてしまうことがあります。
 例えば、「ホームページ」というワードを発しただけで、先方にホームページ制作会社の営業と勘違いされてしまうようで、「うちはいりませんから」の一言で切られてしまったりすることもあるのです。

 たしかにセンターでも、ご相談者がかけてくる電話番号にかかってくる営業電話は早く切らせてほしいと思うこともしばしばで、しかも以前断ったにも関わらず、何度もかかってくる営業電話にはうんざりすることもあります。
 かけてくる方もお仕事なので、仕方ないことなのだとわかっていても、折り返しの電話待ちなどの時には、断り方も「丁重に」とはいかない状況の時もあります。
 
 斎場で電話を受けられる方も、きっとこのような営業電話にうんざりされているのだろうということが分かるので、営業電話に間違われない伝え方をしなくてはならないということをしみじみ感じています。

 特に、遠方の斎場へ伺う際には、できるだけ効率よくまわりたいという、当方の「欲」もあるので、訪問NGにならないためにも事前の調整と、営業と間違われないような伝え方をよく考えなくては…と実感しています。

遺品整理ではなく・・・

 先日、友人から「おじいちゃんの部屋を整理したいので、知っている遺品整理の業者さんを教えてほしいんだけど」と聞かれました。
 「私が数年前に利用したことがある遺品整理屋さんなら知っているけど…」と答えかけて・・・あれ?おじいちゃん、入院されているとは聞いていたけど、まだ亡くなってませんよね?

 よくよく話しを聞くと、医師から、おじいちゃんはもう家には帰れないだろうと告げられたこと、また、痴呆症のため、すでにどこに何があるかもわからない状況になっているなどのことから、一人住まいだった部屋を整理したいと思っているということでした。
 おじいちゃんがお住まいの部屋は、都営の高齢者住宅で、入居待ちをしている人がたくさんいるため、もう戻れないのなら早く出てあげた方がいいと思って・・・と話していました。

 遺品整理の業者さんの場合、遺品になりそうなものがあると、ご家族に判断してもらうため、引き取るまえに確認させてくれたりします。(我が家の場合は、自分たちでは見つけられなかった袋に入った写真や年代物のカメラ、瓶に入った小銭など、大きな紙袋1袋分がありました。)
 そのために、不用品引き取りの業者さんではなく、遺品整理専門の業者さんにお願いしたいと思ったのだそうです。

 遺品整理というと、お亡くなりになってからの作業だと思いがちですし、また、まだ「遺品」ではないので、縁起でもないと、気持ち的にも躊躇してしまうかと思いますが、友人の想いもわかるような気がしました。
 決してお勧めすることはないと思いますが、このようなやり方もあっていいかもしれませんし、実際、生前に整理することもあるのかもしれないと思いました。

アンケートでわれわれの役割を再認識

 当センターをご利用された方には、落ち着かれた頃合いを見計らってアンケートを郵送し、ご協力いただいております。設問の一つに「お知り合いの方などにあさがお葬儀社紹介センターを勧めたいと思いますか」というのがあり、お勧めの理由も記入していただくこともできるようになっています。数か月前のものに、「利用者アンケートをしている事」という記入がありました。

 当センターをご利用される方は、相談前にアンケートのところをよく見ているのではないかと思っています。

 ただ、アンケートを新しい形式にしてから1年半ほどになりますが、いま、すべて読み返しているのには訳があります。アンケートのページは相談前の人は良く見たいと思うページだと思うのですが、ページのつくりがそれに応えてないよう気がします。今のページの作りですと、掲載許可を得たものを新しいもの順に並べる最新一覧形式だけです。

 それをもっと多方面からの切り口で見られるようにすれば、せっかく書いて頂いたアンケートももっと活きてくるのではないか、と。そして、見る人にもっと参考にしてもらえるものができるのではないか、と。ということで、どういう切り口があり得るかと読み返した次第です。

 大量に読み返していますと、当センターが支持される共通の特徴が浮かび上がり、それを再認識できるのもまたありがたいです。

 アンケートページをどうするかは、近日中に、サイトに反映させる予定ですので、お楽しみに。

葬儀社さんの特徴と略歴

 初めての葬儀社さんとの面談では、いろいろな話を聞きますが、2つの大きな柱が、特徴と略歴です。

 特徴で言えば、「御社の特徴を簡潔に言うとどのような感じになりますか?」

 簡単そうな質問ですが、明快に答えてくれるところは案外少ないです。あまりにピントがずれている答えだったり、沈黙が長いと耐えられないので、言い方を変えて質問をしてみます。

 「多くの葬儀社さんがある中で、御社に仕事を依頼すると喪家にとってどんなメリットがあるのでしょうか?」とか、
 「ほかの葬儀社さんよりも、御社を選んだほうがいい理由は何だと思いますか?」

 これでもダメだと、
 「これまで実際に御社に依頼した人は、どのようなところに魅力を感じたのでしょうか?」
 「これまで実際に御社に依頼した人は、どのようなところに満足度が高かったですか?」

 葬儀という同じようなことをやっているので・・・という声も葬儀社さんから聞こえてきそうです。
 この特徴は明快に伝えてもらったほうがありがたいです。ただ、明快と言っても言葉上の事なので、実際はどうなのか? 
 長く付き合ってやり取りや行動、結果を見ていけば大方わかりますが、最初のほうでの判断材料とすれば略歴が一番わかりやすいと思っています。
 会社の略歴、代表者の略歴、担当者の略歴・・・というような感じです。

 この略歴部分は、特徴のような曖昧なものではないので、興味深い話が聞けたりします。
 たとえば、これまで、どういう会社や葬儀社に勤めていたか? 

 どの社という事ももちろん大事ですが、現在その社をどう表現しているのかは、その人の現在の立ち位置を表していてわかりやすいです。ついでに、外側から見ていたのではわからない話が聞けるのもありがたいです。(まだ会ったばかりの人に、以前勤めていた社を悪く言う人はあまりいませんが、中には以前のことを言わない黙秘権を行使されます、そうすると打つ手は何もありません)

まるで自宅のような…。

 先日、ご葬儀の立会いに伺った際に、あわせて斎場の取材もさせていただきました。

 昨年末に一度訪れた斎場でしたが、その時は社葬で全館貸し切りだったため、普段とはまったく違う使い方だったので、今回改めて取材をさせていただいたのですが、昨年末におじゃました時に工事中だった家族葬用の式場も完成し、その日はその式場が空いていたので、係の方に詳しく案内していただきました。

 家族葬用のその斎場は、一軒家をまるごと斎場仕様に改築し、一階に式場・お清め所、2階は控室になっていました。
 宿泊にも対応していてバス・シャワーなどの設備が整っており、2階の控室はとても広く、2間あるのでご親族など人数が多くても対応できるようです。

 家の中は、とても広くてきれいに整っているので、案内をしてくれた係の方は、「広いでしょ、きれいだし、おしゃれな家だし、もう、ここに住みたいくらいだわ」と扉を開けるごとにおっしゃっていました。
 私も「なかなかこんなに広くてきれいな家には住めないですよね」と。

 たしかに、家の中にあるのは必要最低限なものだけ。祭壇を飾っていなければ斎場とは思えない雰囲気です。もちろん、常に整理されていて、清掃もきちんとされているわけですから、こんな家に住めたら…と憧れます。

 以前、賛同葬儀社さんの自社斎場で、マンションの一室を丸ごと再現し、まるで自宅にいるような雰囲気のなかで見送ることができる式場を拝見させていただいた時にも、モデルルームのような部屋で、「ここに住みたいくらいですね」と言ったのを思い出しました。

 もし私がその式場を利用したとしたら…
自宅とのギャップがあまりにも激しいので、葬儀が終わっても自宅に帰りたくなくなるかもしれない…。と、かすかには感じたのですが、他のご喪家に気をとられることなく、リラックスした雰囲気で見送ることができるので、そのご家族らしい温かい雰囲気のご葬儀ができるのでしょう。

これからもこのような斎場は増えていくのかもしれません。

写真を探すのが大変でした。

ご葬儀の立会いにうかがった際、式場に入ると、最初に目に入るのはいつも、祭壇の中央に飾られている遺影写真です。
ご遺族の方にお話しをうかがうと、「主人は写真を撮るのが趣味でしたが、撮るばかりで、自分が写っている写真はほとんどなくて、遺影にする写真を探すのが大変でした」や、「最近では写真を撮っていなかったので、ずいぶん前の写真ですが、やっと見つけてこれにしました」など、遺影写真にどれを選ぶかというのは、ご遺族にとってなかなか大変なことなのかもしれません。

先日、テレビを見ていて生前遺影写真を専門に撮影してくれる写真館があるということを知りました。
元気なときに、自分の一番いい姿を撮影してもらい、万一の時が来た際にはその写真を遺影写真にするというもの。
縁起でもないなどと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私個人としては「お願いしてみたい」と思いました。

私自身、写真を撮られることが苦手で、ここ十数年は撮るばかり。自分の写真でまともなものは、娘の七五三の時に写真館で撮ってもらったものくらいです。10年程前の写真なので、今ならまだ使っても大丈夫かなと思いますが、将来的にはさすがに・・・。
このような仕事をしているせいか、時折、自分の葬儀の時にはどの写真を使われるのだろうか…と心配になることがあります。心配になるくらい、写真がないということなのですが。

ちょうどいい機会なので、両親も引き連れて、一度その写真館におじゃましてみようかと本気で考えています。

バラの季節のご葬儀

5月はバラ の季節です。
 先週伺った横浜イングリッシュガーデンでは青空のもと甘い香りと見事に咲き誇ったバラの饗宴が見事でした。

 バラには高貴な方や有名人のお名前がつけられ、華やかな雰囲気をさらに盛り上げていました。
 中でもハリウッド女優・イングリッド・バーグマンの名が付いた真紅のバラにはしばし見とれていましたが、その色合いにふと数年前のご葬儀のことが思い出されました。

 奥様から最後に柩の中のご主人にささげた一本のお花はビロードのような真紅のバラでした。

 無宗教葬のご葬儀は彫刻家だったご主人のかつてのお仲間50人ほどが集い、柩を前にして、グラス片手に飲みながら食べながら、若かりしパリ時代の思い出話に花を咲かせ、時には柩を囲み故人様とじっくりお話しをされ、そこにはお仲間同士が共有する、ゆったりとした時間が流れていました。
 
 最後のお別れにはお一人お一人が白いバラを柩に手向け、白いバラで埋め尽くされた中に真紅のバラをそっと置かれたのが奥様でした。
 その鮮やかさは今でも目に焼きついています。

 このような自由な雰囲気の中でのご葬儀は故人様の職業柄もありますが、最近お受けしたご葬儀の中にも久しぶりにお見受けいたしました。

 やはりフリーの立場でお仕事をされていた方のご葬儀でしたが、後日お別れ会をされるとのことで、ご家族ご親族を中心に無宗教葬での1日葬をご希望されていらっしゃいましたが、古くからのお仲間が多数故人様との直接のお別れをご希望されましたので、通夜ではなく、お食事会の形でお越しいただいたのが、お仲間の皆様には大変好評だったようです。

 葬儀社の担当者の方は18時からの開式だけを段取りし、ご会葬の方々が順次故人様と面会をされ、献花をされた後は、式場に設けられたウエルカムドリンクコーナーにてドリンクサービスでお食事の準備が整うまでの40分ほどをゆっくりしていただき、お食事会ではご会葬の皆様が21時までの時間を有効に過ごされたとのこと。

 一日葬とはいえ、前日からの担当者の影の力は大きかったようです。
 形式的な儀式のご葬儀が多い中、お仲間をお見送りするという視点に立ったご葬儀となり、お見えいただいた方々からも大いに注目されたご葬儀だったと伺いました。