昨今では宮型霊柩車乗り入れ禁止の火葬場が増えています。
いろいろな理由がある中で、一目瞭然ご葬儀の車と分ってしまうことに拒否反応を示す方が多いようです。
「そう言えば都会では最近見かけないなー」としばし、考え込んでしまいました。
そんな折、ある搬送会社の社長さんにお目にかかり、ユニークなお話を伺いました。
今の仕事の前は改造車を創っていらしたとのことです。
依頼者のご要望に合わせて霊柩車を改造するのが得意とのこと。
中でもユニークなのは赤い霊柩車。だれがそんな車に乗るのかって・・・。
天寿を全うされた方のご遺族から、お祝いの気持ちを込めたもので送りたいとの話から、ヒントにされたようです。
逆に、小さなお子さんを亡くされたお母様が柩に寄り添って行かれたのを見て、少しでも心残りがないように、白いかわいらしい霊柩車を創られたとのことです。
霊柩車の中はお花で埋め尽くされたり、またあるときはディズニーの縫いぐるみ人形
が占領したりと、お子様の最後の夢をくんであげようとその一生懸命さが伝わってくるようです。
柩が霊柩車に収まり、皆様全員が注目の中、ドアが静かに下ろされました。
そこには鮮やかな文字で奥様へのお礼の言葉が記されていました。
生前、奥様に面と向って感謝の言葉一つ言ってあげられなかったご主人からの最初で最後のメッセージです。
お話を伺った後、早速社長さんは霊柩車の運転手さんに早変わりです。
運転をしながら、ご遺族の悩み、ご希望を聞き、それが次のアイディアになるとのことです。
なにごとも「できる」と「断らない」がモットーだそうです。