お電話でのご相談

 お電話でのご相談では、話し始めのころにご相談者が、「ここはちゃんと相談に乗ってくれるところなのだろうか」など不安に思われているなと感じることがときどきあります。
 初めてかける電話で、しかも葬儀についてのご相談ということから、やはり、ちゃんと相談できるところなのかということは一番気になるところなのかと思います。
 また、ご自身でもよくわからないことをどうやって伝えたらいいのかなどの心配もあるのかもしれません。
 
 葬儀のことを調べ始めた段階では、ご自身が何をわからないのかさえ分からないことも多く、ほとんどの方が「何からいえばいいでしょうか」とお尋ねになります。
 何も分からない時は、こちらから案内させていただきますので、お話しいただける範囲でお知らせくださいとお話しさせていただき、お話しの中でご自身が漠然と不安に思われていたことの内容に気がつくと、それをきっかけにその不安が具体的になって、他にも聞きたいことなどが思い浮かんでくることもあるようです。

 電話で話し始めてすぐのころは、ここは大丈夫なところなのだろうかなどの疑念や、不安がこちらに伝わり、ご相談者との距離が遠く感じられることもありますが、お話しをしていくうちに電話口の声も最初と違ってこられることもよくあります。
 センターに対する不安が溶けたのでしょうか、電話を切るころには、明るさが加わった声になっていただき、私自身はセンターを信頼して頂けたことに安心いたします。

お気持ちはわかりますが・・・。

 「町田の○○の名前で一昨年初め、あさがおさんにお願いして、ご紹介頂いた葬儀社さんでご葬儀をさせて頂いた折、とてもよくしていただいたので、今回急にお電話をさせていただきました」。
 お名前には聞き覚えがあります。
 古い友人に久しぶりにお会いしたように気持ちもなごみかけ、続きをお伺いすると、ご主人の妹様が急変されて、先程病院でお亡くなりになられたとのこと。

 「前回のような葬儀社さんをご紹介いただければ・・・。具体的なご葬儀のことは主人の方が詳しいので代わります」。
 奥様に代わりご主人が話始めた時「あ、すみません!今病院から妹の遺体が到着したので、妻と代わります」あたりの空気が一変したかのように、一気に緊迫したあわただしさがこちらにも伝わってきました。

 ご遺体の搬送までを病院付きの葬儀社さんにお願いし、ご自宅にご安置されましたので、慌てずにお見積りを取り、前回同様ご要望に合った葬儀社さんに執り行っていただきたいとのご希望でした。

 お話をお伺いして、早速ご要望に合うと思われるセンターの賛同社さんを複数社、ご紹介させていただきました。
 お見積りは直接お取りになりたいとのことで、ご紹介した賛同社さんには事情を説明し、お待ちしていたところ、ご相談者からのお電話が入りました。

 「すみません。主人の父が先程、こちらに到着して、葬儀は私の知り合いの葬儀社に頼むから。娘の葬儀は私がするからと・・・。ご相談に乗っていただけるところがあると言ったのですが・・・」

 「ご紹介いただいた社にはよろしくお伝えください。嫁の立場ですので、申し訳ございません」

 ご相談者の平身低頭ぶりに思わず「大丈夫です。どうぞお気になさらないでください。それよりもお気をしっかり持って、お嫁さんの立場だからこそ、お義父様を脇からしっかりサポートしてあげてください」と申し上げておきました。
 でも、お気持ちよくわかります・・・。

 以前、ご相談者から妹様のご主人が危篤状態の中「実の兄以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものにしたいと、妹と相談しながらのお願いです」とのお電話をいただいたことがございました。
 その時、ご相談者のお気持ちは分かりますが、義弟のご実家の方々のお気持ちやご意向はどの様に汲んでいらっしゃるのかをお尋ねいたしました。

 実は東北地方にお母様もご兄弟もご健在ですが、妹様のご主人とは永年疎遠になったままで、ご病気の報告にも梨のつぶて状態でしたが、さすがに万が一のことに関しては見逃すわけにはいかないご様子で、しかも勝手に進めているのが奥様のお兄様となれば、血の繋がりの無いあなたがなぜ…という目で見られており、双方の思いは益々気まずくなるばかりとのこと。

 しばらくメールでのやりとりをしておりましたが、「肝心の妹が動揺しておりますので、これ以上のご相談は無理な状態になってしまいました」と丁重なお詫びのメールをいただいたことが、今でも思い出されます。

 良かれと思ってされたことが、思わぬ波紋を広げるのも、ご葬儀に多く見られるようです。
 ご希望・ご要望にはどなた様のご意向かを確認することも重要です。

エンディングノートの出番です。

「もう、勘弁してよ!今年88歳になるお袋が、月1〜2回の割合で、猛然と家の中の整理をすると言い出して、せっかく仕舞ってあったものまで取り出し、ビニール袋に詰め込み、家中足の踏み場もない状態で、困った。この間も家に帰ったら、ビニール袋の間に挟まって逆立ち状態でいたんですよ!」
 電話の向こうの知人の困惑状態が手に取るようです。

 「でも、お母様は一生懸命整理整頓されているおつもりなんだから・・・」あまり良い答弁ではなかったなと思いながらも、似たようなご家庭が、増えているのでは・・・と、思わず親ごさんと同居されている独身の友人、知人を思い浮かべてしまいました。

 お電話はまだお元気なこのお母様の万が一を考え、いざという時には良心的な葬儀社さんをご紹介してもらえるかとのお問い合わせです。

 「勿論、任せておいてください。事後、病院からご自宅に戻っても時間は十分ありますので、見積りのチェックをされてから、葬儀社さんをお決めになっても大丈夫です」

 ちなみに17年前に亡くなられたお父様のご葬儀代を伺うと、都心でセンターが取り扱っている同じ地区での平均の2倍以上の金額に、こちらもビックリです。
 急にお亡くなりなられたこともあり、町内会の方からお近くの葬儀社さんを紹介していただき、見積書もいただいていないので、言われるままにお支払いし、その金額が平均だと思っていらっしゃったとの由。

 矢張り、当時はこの世界がかなりどんぶり勘定だったことが改めて思い知らされました。

 お話はお母様のことから、ご自身のことに移り、アメリカ在住のお兄様は当てにならないから、後見人制度の利用も考えていらっしゃるとのことでしたが、それはもう少し先のこととして、まずはエンディングノートを書くことをお勧めしてみました。

 5〜6年程前から、エンディングノートの存在がクローズアップされてきましたが、存在は知っていても実際に書かれていらっしゃる方は意外に少ないようで、当方の周りも又然りです。

 1ヶ月程前に対応したご相談者の場合も、ご葬儀はどのようにされたいのかをお母様にお聞きになりたかったが、すでに病状が悪化し、お尋ねできない状態とのことで、1人っ子のご相談者はお母様のお気持ちを推測するしか手立てがなく、それでも担当者とご相談しながら決めて行かれたが、はたしてこれでよかったのか、ご不安が残ったとのことです。

 ご自分の最期はどのようにされたいか、思いやご希望をお伝えしておくだけでも、残された方は安心してお見送りができます。

 思い立ったが吉日ではありませんが、まずは書きたいところからでも始めてみましょう。

学ばせて頂いています。

 事前相談でご相談された方の葬儀が施行になり、葬儀前の慌ただしい時期や葬儀後のまだ落ち着かれていらっしゃらないような頃に、「良い葬儀社さんを紹介していただいてありがとうございました」などのご連絡を頂くことがあります。
 ご遺族の方は葬儀のことでいっぱいの頃かと思うのですが、わざわざこのようなご連絡をいただけることは大変ありがたく、またこちらとしても葬儀を無事に進めていらっしゃることがわかり、ほっとさせていただくご連絡でもあります。

 先日も、お身内の方がご危篤で大変心配な状況の中、ご相談のお電話をいただき、数回のやり取りをしたうえで葬儀社を紹介させて頂いたのですが、残念ながらその数時間後にご逝去され、その社へご依頼されたということがありました。
 葬儀社からもその報告は受けていましたが、ご安置後の打ち合わせを終え、少し落ち着かれた頃でしょうか、ご相談者からセンターへ連絡があり、「葬儀のことは右も左もわからなくて心配していましたが、色々教えて頂き、どうもありがとうございました。紹介して頂いた葬儀社さんにお願いして無事に進んでいます」という報告をいただきました。
 葬儀を控えたお忙しい時に、わざわざ連絡をして下さったご相談者のお心遣いに感謝すると同時に、ふと、自分は忙しい時でもお世話になった方へきちんと感謝を伝えているだろうかと考えてしまいました。きっと忘れてしまっていることもあると思います。これからは意識的に、感謝の気持ちは伝えないといけないなと思いました。

 ご相談では、アドバイスをさせていただく立場ではありますが、多くのご相談者を通じて、私もたくさん学ばせて頂いています。

思い通りにならないことも・・

 クリスマスイブです。小さなお子様たちは、明日の朝の楽しみのために早く寝てくれたのではないでしょうか。

 楽しいはずのクリスマスでも、心から楽しめない方たちもたくさんいらっしゃいます。

 お身内に心配な方がいらっしゃったり、ご葬儀を行なっていたり・・。

 つい先日の夜中、まだお若いお身内の方がお亡くなりになり、葬儀社を紹介してほしいという事後のご相談をいただきました。ご要望は、できるだけ早く葬儀を行ないたい、また、ご会葬の方に来ていただきやすい場所にしたいというものでした。
 故人様がお若いので、お別れをしたいご会葬の方々もきっとお若い方が多くいらっしゃることと思います。クリスマスにかからないようにという、ご喪家の配慮からのご要望でした。
 この時期は毎年、斎場や火葬場が混み合い、利用者の多い式場ではなかなか希望通りの日程でご葬儀を行なうことが難しいことも多々あります。
 ご相談者の方は、葬儀に来ていただく方たちが大変にならないよう、最善の日程や場所をとお考えになられていましたが、ご希望の日はあいにく希望する式場はすでに予約が入っていて使用できず、少し離れた式場を利用するか、日程を少しずらしていただくかの二択の状況となりました。
 強いご要望と現実がかみあわず、とても難しい状況でしたが、クリスマスよりも故人様を見送ることを最優先にお考えいただくように話をさせていただき、ぎりぎりクリスマスにかからない日程でご希望の式場を使用してのご葬儀となりました。

 何年か前、自分の仕事の繁忙期に義母様を亡くされた友人が「死は場所も時間も思い通りにはできないから、こればっかりは亡くなった人に合わせないとね・・」と言っていたことを思い出しました。

見積りの後、ぜひ担当者とのご面談を。

先日、メールでのご葬儀のご相談をお受けしているご相談者から、「葬儀社さんの選定の決め手は担当者の人柄です。老若男女は問いません」とのご回答を頂きました。

 一方、ご葬儀後のアンケートでは、お支払いについての事前相談で、ご自宅へ伺った葬儀社の担当者から、お支払方法は言うに及ばず、ご葬儀やご葬儀の後先に関する対処法まで、一つひとつの心配事に、同じ目線でのって頂き、思わずその場で万が一の時はお願いしますと即決された、ご相談者のエピソードも頂いております。

 また、少し前になりますが、担当者との二人三脚ぶりの報告に、ご紹介した者としてほっと安堵したこともございました。
 「担当者は自宅まで毎日足を運んでくださり、コミュニケーションがよく取れて何でも相談できました。仏式に則りつつも、同時に和やかに故人を偲ぶ場にしたいという意を正確に酌んでくださいまして、イメージ通りの葬儀を執り行うことが出来ました」と、それは、担当者のおかげで、ご相談者の一番の狙いだったお父様の短編映画を、ご会葬の方々にお見せできたことへのご報告でした。

 しかし、中には費用面もご予算内で納まり、ご親戚からもお褒めの言葉を頂いたが、ご相談者から厳しめに言わせて頂くと、手馴れて対応が早いことには満足でしたが、慣れすぎるあまり、儀礼的になってしまい、折角気遣って頂いたことも、半減してしまった感がありました、とのご忠告をいただいたこともございました。

 ことほど左様に、ご葬儀は価格面もさることながら、それ以上に担当者とのコミュニケーションのあり方が、ご満足の度合いに大きく関わってきています。
 お見積りの段階でご満足頂いても、担当者にも様々なタイプの方がいらっしゃいますので、人によって「合う、合わない」が出てくるかもしれません。

 見積りをお取りして、ご検討頂き、次の段階で、ぜひ担当者にお会になり、ご不安に思っていらっしゃることやご要望などを具体的にご相談いただいて、この担当者にお見送りのお支度を託してみたいと思われる方をご指名をいただければ幸いです。

生活保護を受給されている方の葬儀

 先日、生活保護を受けている方から葬儀社を紹介して欲しいというご相談を受けました。
 詳しいお話しを伺うと、ご対象者は同居されているお父様で、自宅治療を行なっているとのこと、医師からは今晩から明日が山と伝えられ、ご自身で数社の葬儀社に問い合わせをしたが断られてしまったとのことでした。
 深夜の時間帯で福祉事務所の担当者にも相談することが出来ず、万一のことが起こった際にはどこに連絡をしてどのような手続きをしたらよいのか、など、お電話口の声はとても不安そうなご様子でした。
 センターからは、万一の際にはすぐに動ける葬儀社さんを紹介させていただき、直接事前相談のやりとりを行なっていただきましたが、その葬儀社さんに次に電話が入ったのは、ご相談から3時間後のご逝去の連絡でした。

 病院でご逝去された場合には、事前に葬儀社の情報は持っていなくても、紹介などにより、少なくとも依頼できる葬儀社の見当はつけることが出来ると思いますが、ご自宅で看取られる場合は情報も少なく、しかも、お身内のご逝去という一大事という状況で、自分ではどうにもできないという不安はとても大きなものだと思います。

 ご相談者からの問い合わせを受けた葬儀社さんがどのような理由で断ったのかは定かではありませんが、たとえ対応できない状況だったとしても(対応できない状況とは考え辛いところですが)、葬祭扶助で行なう葬儀についての手続きなどのアドバイスだけでもしてもらえたら、少しは安心できたのかもしれません。

 葬儀社の紹介は電話で行ないましたが、ご紹介の際にこちらからの「今、メモをして頂くことはできますか?」との問いに、「はい!大丈夫です!」と、声が少し明るくなったように感じました。

ご相談者と血の繋がりは・・・。

先日「身内の者が危篤状態なのですが、家族葬での相場はお幾ら位でしょうか」との最初のお電話をいただいてから3時間後、ご相談者からご逝去の報が入りました。

 その間、ご相談者からは、お見積りに関するご質問やご依頼があり、緊迫した状況が刻々と伝わってきました。

 初めてのご葬儀とのことで、「病院付きの葬儀社さんからドライアイスをすぐに入れないとダメだと急かせられているのですが・・・」とのお問い合わせには、そんなに急ぐ必要がないこと、葬儀社さんはすでに決めていらっしゃることを先方に申し上げ、担当者がお迎えに上がるのを、お待ちいただくよう、お伝えいたしました。

 搬送、ご安置をされた後、葬儀社の担当者は大筋の打ち合わせだけをして、翌日ご自宅にお伺いし、本格的な見積りの作成に入りましたが、ご相談者がご葬儀のご相談で立ち会ったのは、安置後の打ち合わせまでとお聞きしています。

 ご相談者は故人様の娘婿に当たられる方で、その後の打ち合わせは全て、奥様と喪主のお義母様に、バトンタッチをされたとのことでした。
 ご逝去直後のお義母様と奥様のお気持ちを考慮され、ご葬儀に関する情報を一手に引き受け、一つひとつのご葬儀の内容はお二人に全てお任せされたご様子とのこと。
 
 役割分担をきちっとされた模様で、奥様のご親族の方々にも、きっと好印象を持って迎えられたのでは。

 と申しますのは、担当者からの報告を伺って、真っ先に思い浮かんだことがありました。

 以前、横浜在住の妹様のご主人が危篤状態との、ご相談をいただいた時のことでした。

 「実の兄弟以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものにしたいと、妹と相談しながらのお願いです」とのご相談でしたが、義弟のご実家のことをお尋ねすると、東北地方にお母様もご兄弟もご健在でいらっしゃいますが、長年疎遠になったままの状態とのこと。

 しかしながら、ご病気のご報告には、なしのつぶてのご兄弟も、万が一のことに関しては見逃すわけにはいかないご様子で、しかも勝手に進めているのが、奥様のお兄様となれば、血の繋がりがないあなたがなぜ、という目で見られ、双方の思いは益々気まずくなるばかり。
 
 「肝心の妹が動揺しておりますので、これ以上のご相談は無理な状態になってしまいました」と丁重なお詫びのメールをいただいたことが今でも思い出されます。

 ご葬儀は好むと好まざるとにかかわらず血縁を意識させられる唯一の場でもあり、ご相談者の立場も微妙です。

見積りの行方は・・・。

  先日、7年前にお見積りを取られた方からご連絡をいただき、当時の見積りがそのまま生きるかどうかのお問い合わせでしたが、やはり7年の歳月は少し永かったようです。

  見積りをお取りした葬儀社さん自身が高齢のため、昨年廃業されてしまったばかりでした。
  担当者は小柄な方でしたが、ご葬儀は任せてとばかりに肝っ玉母さんばりのパワーで、ご喪家一同から絶大な信頼を得ていらっしゃいましたが、体力気力を最大限に必要とするご葬儀の仕事に、年齢の限界感じ、スパッとおやめになられたと伺いました。

 ご相談者から改めて現在のご様子を伺い、新たにお見積りを作成する旨申し上げ、ご希望の斎場に精通し、もっともご要望に適していると思われる賛同葬儀社さんから見積りをお取りして、再度センターの見積説明書と共にお送りいたしました。

 一方、昨年末にも2年半以上前にお見積りをお取りした方から、ご葬儀の準備をされたいとのご連絡が葬儀社さんの方に入り、間もなくご葬儀となりましたが、こちらは以前のお見積りどおりに進行し、執り行なわれました。

 たてつづけに歳月を経た見積りの出番となり、久しぶりに古い見積りに目を向けると、ご本人様のご相談であったり、お元気でお仕事を続けていらっしゃるご両親のご相談であったりと取られた動機は様々ですが、ご相談当初とは打って変わった晴れ晴れしたご様子が電話口からも伝わって、受けたこちらもほっとしたものでした。

 中にはご夫婦でご相談を頂き、ご葬儀は質素に、しかしお越しいただいた方にはお料理だけは十分堪能していただきたいと見積りをお取りになられた後、担当者とご一緒に斎場の下見に行かれた方もいらっしゃいました。
 綺麗な式場にご満足して、骨壷は好みのものに変更されたり、大食漢のお孫さんのためにお食事をワンセット追加されたりとより具体的に一つひとつ決められ、これで安心しましたと晴れ晴れとした表情で「こんなことができるのも元気な証拠ですね、亡くなった母も100歳まで生きましたので」と、ご満足されたご様子を担当者から伺ったことが思い出されます。

 しかしながら、ご安心された見積りも、時間の経過とともに取り巻く状況も変化してきますので、先日のように時には新たに見積りを取り直す必要もでてきます。
 お取りした後も、時に思い出していただき、ご連絡をいただければ幸いです。

死は予測なしにやってくる

私事で恐縮ですが、今朝方、実家から従兄弟の奥さんの訃報が入りました。
 80歳代とはいえ、前日の日本舞踊の発表会では元気に踊っていらっしゃったとのこと。

 あまりに急な事ゆえ、周りも大慌てでご葬儀の準備にとりかかっているとの一報でした。

 身近な突然の不幸は、ご葬儀という言葉に慣れてしまっている身にとっても、心穏やかなものではありません。
 紙上を借りてご冥福をお祈りするとともに、私自身がご葬儀に関わっている意味をもう一度問い直すキッカケにしていかなくてはと、目下日々の生活を反省しているところです。

 また、元気な内は子供達の世話にならずに自由に暮らしたいとばかりに、都会では1人住まいのご老人が最近、とみに増えているようです。
 しかし、お元気と見えても、ご不幸はいつ襲ってくるかわかりません。

 先日夜も1人住まいのご高齢のお母様がご自宅でご逝去され、検視のためにご遺体は警察のお預かりとなり、明朝お引取りに行かなくてはと電話での事後相談をお受けいたしました。
 お元気だったお母様の突然のご逝去に、警察の介入という事態が重なり、ショックを受けられ、気が動転されていらっしゃるご様子が電話口から伝わってきます。
ご紹介した葬儀社さんが後の事は全て引き受けてくださることをお話しすると、ひとまず落ち着かれたご様子に、こちらも思わず安堵いたしました。

 翌朝、葬儀社さんはお母様のご自宅管内の警察に伺い、状況把握をされてからご相談する段取りでしたが、外傷がない為、ご遺体は大塚の医務院に運ばれ解剖が施された後、医務院の車でご家族皆様が待ちわびていらっしゃるご相談者のご自宅へ無事搬送という運びになりました。
 少し遠回りになりましたが、葬儀社さんの出番はこれからになります。

 ご相談者のお気持ちを汲み取っていただき、ご相談者と二人三脚で行けるように、ガンバってください。